空耳、だよな?
「・・・・・・・・・ああ、朝か」
明るい光を感じながら、俺は眠い目をぼんやりと天井に向けた。
現在時刻、七時。今いるのは俺の部屋で、俺は布団をしき、彼女は俺のベッドで寝ている。
(あー、結局は寝れなかった・・・)
じゃあ、何をしていたか?
彼女を襲わないように気をつけていた・・・わけがない。
布団に入りぼーっとしていたのだが、しばらくすると彼女が布団にもぐりこんで来たので慌てて一緒には寝れないことを説明していたのだ。
途中涙目に負けそうになったりしたが、俺はなんとかやりとげ彼女を一人で寝させることに成功したのだ。誰か俺を褒めてくれ・・・!
あの涙目は反則という名の武器だと思う。というか、俺にとっては凶器に近い。
(寒いのか寂しいのかわからんが・・・見ず知らずの俺の布団に潜り込んでくるとは相当きつかったんだろうなぁ・・・)
惚れられてる、なんて勘違いできるほど俺は自分に自信を持ってない。誇れることかはわからないが。あと少し、いや、かなり情けないような気もするが。
「・・・朝飯、作るか・・・」
寝不足でだるい身体を無理やり起こし立ち上がった。
とにかく、彼女の分だけも作っておかなければならない。
一人ならカップラーメンや茶漬けでもいいかと思っていたが、彼女も一緒ならそうはいかない。
しかし、食材があったかどうか・・・。
昨日の晩御飯でほとんどなくなっていたような気がする。
(なかったらどうしよう。コンビ二行くか、どっか店に入るか)
「・・・警察は・・・午後でいいか・・・」
我ながら女々しいと思う。時間が延びれば延びるほど、辛くなるのは明白である。
しかし彼女も昨晩行きたくないと言っていたんだし、と自分を納得させる。
(・・・・・・・・・ああ、そういや昨日は昼飯食ってないな・・・だからあんなに食ってたのかな。悪いことしちゃったなぁ)
混乱しているうちに夜になっていたのだ。
急いで、晩御飯を料理本片手に一生懸命作ったことは忘れられないだろう。
分量を見ていなかったので作りすぎてしまったが、彼女は全て食べてくれた。俺以上の量を。
女の子というものは基本小食だとおもっていたので、驚いたのは言うまでもない。
(げっ、やっぱり食材があんまり残ってねー・・・卵はスクランブルにするか、目玉にするか・・・ベーコンは焼いて、キャベツと人参ともやしはスープ・・・)
「・・・うー・・・」
「ああ、おはよう」
彼女が目をこすりながら現れた。遅くまで起きていたからだろう、とても眠そうだ。
「スクランブルと目玉、どっちがいい?」
「・・・えああ・・・・・・」
「目玉ね。ちょっと待ってて」
(じゃ、俺も目玉でいっか。他に使えそうな食材は・・・お、ミニトマトがあった。これで彩を・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ん?)
なんか、デジャヴである。何か、大事なことを見逃しているような、そんな感じ。
「・・・えっと・・・?」
思わず彼女を見る。ぼーっとしたままである。
目があったので、お互いにへらっと笑う。
(・・・さっきのは聞き間違い、いや、空耳だったのか・・・?)
彼女のお腹が鳴った。こちらをじっと見られたので、俺は食材に向き直った。
(ま、いいや。とにかく飯が優先だな)
彼女が嘘をついていた・・・わけではないですw
これからどんどん喋らせたいですw
その度に主人公が右往左往しそうですね
いえ、私的にはしてほしいんですが
その方が面白いですから☆