唐突な・・・
「楽しかったぁ!ね!ユーキ!」
「ああ、そうだな」
暗くなってきた帰り道をユキと二人で歩いていた。
色々なところに回っていたのでこんなに遅くなってしまった。
「また、行こうか。今度はもっと早くから来てさ。もっといろんなとこ、行こうよ」
「え・・・?あ・・・うん」
「・・・?どうしたの?」
元気がないような気がした。
はっとしたように彼女が笑顔で首を横に振る。
「ううん!なんでもない!」
「そう?」
「うん、早く帰ろ!」
ユキはぐいぐいと俺の背を押した。
その時のユキはどんな表情をしていたのだろう。
いつものようにソファで眠ろうとすると、足音がして、声が聞こえた。
「ユーキ・・・?起きてる・・・?」
「ユキ?どうしたの?」
「あのね・・・お別れを言いに来たの」
その短い単語は俺の頭を真っ白にした。
「・・・え?」
頭がついていかない。
(え、今なんていった・・・?別れ?別れる・・・?ユキが、いなくなる・・・!?)
「私ね。人間じゃないんだ」
ゆっくりと意味が浸透していく。
うつむいたまま、ユキは少し早口で喋った。
「私ね、植物なの。ユーキ、覚えてる?公園に、“私”を植えたよね。私、ちゃんと咲いたんだよ。あの日、青い空を見上げたら、ユーキに会いたいって思った。気付いたら・・・人間になってた」
わかりにくい説明。しかし、それで逆に頭が動き始めた。
俺はなんとか声を出した。
「・・・ちょっと待ってよ。え、なに・・・?どうゆうこと・・・?」
「そのまま、だよ。もうすぐね、花が枯れるんだ。たぶん、明日の朝には。なんとなくわかるの。だからお別れに・・・」「嫌だ!」
ユキが肩を震わせる。その細く柔らかい身体を抱きしめた。
ユキが小さく名前を呼ぶ。
「・・・ユーキ?」
「嫌だ、嫌だよ!ユキにいなくなるなんて!もう、会えなくなるなんて・・・!」
「・・・会えるよ」
「え・・・?」
力の抜けた俺の胸をぐいと押し、腕から逃れる。
涙を流しながら、ユキは一生懸命笑った。
「会えるよ。私、来年も咲くから。また、人間にはなれないだろうけど・・・私は、スノードロップは、ちゃんと咲くよ!だから、また、会えるんだよ・・・!」
こらえきれずに、ユキは嗚咽を洩らした。
また抱きしめ離れたくない気分を押し込める。
「わかった・・・!絶対、また咲けよ!」
「うん・・・!じゃあね、ユーキ・・・」
「違うだろ」
「え・・・?」
「そういう時は、“またね”って言うんだよ」
俺はうまく笑えていただろうか。
ユキは俺に笑った。
「うん・・・!またね!ユーキ!大好きだったよ!」
そう言って、ユキは金色の粒子になって散っていった。
「・・・ばかやろ・・・それは俺の台詞だっての・・・」
微かな異変に気付かないまま。
俺は静かに泣いて、泣いて、涙が枯れてしまうほど泣いて、泣き疲れて眠った。
急展開・・・なんでしょーか?
ちょっといきなりすぎる感じがあるような気が・・・
・・・どう考えてもいきなりすぎですね、ごめんなさいw




