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田舎カスの日々2  作者: 月鏡水バケツ


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七話 「散歩」

 夕夢はその日、バイトも大学もなかったので、何もする事がなかった。

 アパートから離れたい気分だったので、歩きに出掛けた。

「大家、いない。......これもまたシナリオ」

 家賃の期限が明日だったが出会う機会を逃れ、次見つかれば払わなければならない。

 夕夢は出会わないことを暗に願いながらアパートを離れた。


 暫く歩いて草木の多いところに来ると、夕夢は早歩きになった。

「ここ、やっぱり虫が多い。自然の強さはよく植物を想起させるけれど、決してそれだけにあらず......てね」

 ある程度戻ってくると、打ち付けられた木に千切れた人形の手が乗っていた。

「世界は残酷って言うけれど、案外残酷なのは弱い方かもね。子どもだって、こんな事するんだもの」

 人形の手を子どもがしたと勝手に決めつける夕夢であった。


 アパートに戻ると、その前に大家が立っていた。

「......」

「お、帰ってきたな。お前家賃払えてなかっただろ」

「家賃?私から時間の対価を奪うの?」

「当たり前だろ。一室借りてるんだから」

「これがシナリオだと言うのね。でも良いわ。この続きの脚本は私が書くの。あなたの悲嘆で、この下らない話は幕を下ろすのよ」

「は......何分からねえ事――」

 ワンワン!!

 突然、大家の背後から犬が現れ、大家に襲い掛かる。

「ギャアアァア!!」

「いやあああああ!!」

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