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十六話 「畑仕事」
燕の収入源は、掛け持ちしている二つのバイトと、祖父の畑仕事の手伝いだ。
ビニールハウスが一棟、田畑もある。
「爺ちゃん。水も一応持ってきたよ」
「おお、すまん。今日はビニールハウスの水だけ開けて、あとは少し支柱を足してくれるだけでいい」
燕は、ビニールハウスに入って、蛇口を回した。最後まで回し切ると、ミスト状に水が噴射する。
それから、そのミストの上から支柱を地面に刺して固定する。
言われたことはしたので、燕は外へ出た。
「燕」
すると、祖父に呼び止められる。
「このお菓子も貰ってくれ。友だちから貰ってな」
祖父はそう言って、包み紙で包装された箱を渡した。
「ありがとう」
「この後、少し時間があるなら田んぼの水も通してくれるか?」
「時間、あるよ」
「じゃあ、それが終わったらまた戻ってきてくれ。それで今日はおしまい」
燕は田んぼまで移動して、畑と水路の仕切りを外した。
すると、透明な水がバシャバシャと飛び出してくる。少しだけズボンが濡れた。
「じゃあ、これ」
祖父は燕に三千円渡した。
「それにしても、毎日手伝いに来てくれるとなると、野菜の手入れが行き届いて、質が上がってくれるだろうし、今からでも儲けそうだな」




