過去3
「ねえ、そう言えば。どうして貴方とイグワーカンは仲がいいの?」
俺と、イグワーカン?
仲は......いいのか?
「仲がいいかどうかは分からないが、よく決闘はするなあ。」
何かというにつけてアイツは俺に攻撃を仕掛けて来るんだよなあ。
決闘、決闘と五月蝿くて仕方がない。
でも、結局はいつの間にかアイツと剣を打ち合っているんだけどな。
俺も不思議だ。
「それを仲がいいと言うんではないの?だって貴方、私とピナとイグワーカン以外にその猫、外さないでしょう?」
それはそうなんだが、仲がいいと言われると何だか否定したくなるんだよ。
アイツとは、なんというか決闘しかしてない気がするし。
「というか、どうして貴方とイグワーカンは知り合ったの?」
昔の話になるが......。
あれは、今でもいい思い出だ。
「そうだなあ。あれは、何年か前の緑の月の暑い日だった。」
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カキーン...カンカン、キーン...カン カキーン!
剣を合わせる音が青空に響く。
「おい、アルフ!お前修行さぼったろ!前より剣が軽いんだよ、ボケ!」
「すみません!」
師匠こわ!
いや、最近内職系スキルを上げるので必死で、戦闘して無かったけどさあ。
Lv.が下がった訳じゃないのに良くわかるもんだ。
「アルフ!もういい、今日ほここまでにする。次もこんな調子だったら破門だからな!」
「はい!」
だが、今回は何故呼び出されたんだ?
こんな辺境まで。
まあ、おおよそ検討はつくっちゃつくんだが。
あれ、だろ?あれ。
いつもの師匠の無茶振り。
「で、だ。」
ほら来た。
「今日お前を呼んだのには理由があってだなあ...。紹介する。イグワーカン・ロードナイトだ。俺の息子にあたる。そして今日から、お前の好敵手だ。」
「はじめまして。イグワーカン・ロードナイトです。父上はこう言っていますが、気にしないで下さい。けれど、貴方は私よりも強いと父上から自慢されているので、会えるのを楽しみにしていました。」
むすこ。...息子。
息子!?
あの、何を置いても剣が好きで!
剣以外にどうして気を割かなくてはいけないのだと、騎士団長にと、国王に望まれても頷かなかった師匠が!
人と関わる......だと!?
いや、それよりも結婚していた....!?
いやいや。落ち着け、俺。
ヒッヒッフーって、それはラマーズ法!
ふーーはーー。
うん。落ち着いた。
「はじめまして。そこまで言ってもらえるとは光栄だな。期待に答えられるよう、頑張るよ。」
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「そんなこんなで、出会いは衝撃的だったなあ。主に師匠のせいで。」
師匠は今回も突然で。
イグワーカンはあの見た目で師匠の息子とは...。
「......!?ちょっとまってよ!貴方の師匠って、あの剣聖ロードナイトなの!?というか、息子がいたの!?イグワーカンが!?」
だよな!そうなるよな!
しかも、アイツがそうだと思わないよな!
アイツは、見た目はまさに男装の令嬢だからなあ。
逆に師匠は傭兵みたいで、騎士に見えないくらいゴツいし。
「いえ、でも性格はそっくりかもしれないわね。」
ああ、確かに2人とも剣術バカだな。
師匠は、修行に。
イグワーカンは決闘に一直線だ。
師匠は1人で修行してるだけだから良いけど、アイツは人を巻き込むからなあ。
いや、イグワーカンの方が言葉遣いも丁寧だし礼儀も身についているから、どっちもどっちか?しかしアレで何も考えてない。
......シアはいつ師匠と会った事があるのか?いつ会ったんだ?師匠はいつも放浪してるのに。
「シアは師匠に会ったことがあるのか?」
「ええ。幼い頃にね。たまたま村に来ていてね。幼心に、この人のようになりたいと思ったことを覚えてるわ。」
師匠のように......。
ゴツゴツ...山男...。
ブルブルブル
「......俺は今のままでいいと思うが。」
いやむしろ、今のままで居てくれ!頼むから!
「ふふっ。流石に今は思ってないわよ。何があっても貴方が守ってくれるのでしょう?あの時私は生き残るのに必死だったから。」
......シア。
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カ..キーン...!
コイツまた!
「アレフレード殿!私と決闘してくだされ!」
「だが断る!というか、いきなり剣を振り下ろして来ないで下さいません!?」
毎日毎日やってられるかっての!
「むう。」
はあ、やっと諦めたか。
最初は師匠とは違う常識のあるやつかと思ったが、見当違いも甚だしかったなあ。
コイツは確かにあの師匠の子だ。
...このウザさ加減がそっくりだ。
いや、諦めて...なさそうだな。
「ではこの、アミーンのダンジョンで、しかも黒の月の新月の夜にしか採れない、レティレーツィの花と、同じく、満月の夜にしか採れないアーカンジェルの実。」
くっ!それは!
入手困難な、とてつもなく運が良くないと採れないというあの!
俺も1度しか採れたことないのに!
「この2つを私と決闘したら、」
「する!」
あ、
「そう言って頂けて、とても嬉しく思います。」
ああああああああ!
ハメられた!
しかも最後まで聞いてねぇ!
1回でどれだけくれんだよ!
まさかこの先ずっと決闘まみれなのか!?
くっくそぉぉぉ!
「あ、それからその顔、やめてもらえますか?」
あぁん?
「顔、ですか。」
顔やめろってどういう事だよ。
整形しろってか?あぁ?
「ええ。正しくはその態度ですか。何だか気持ち悪いんですよねぇ。背筋がぞぞぞーっとするというか。」
「うーん。でも、これが私の素ですから。どうしようもないのですが。」
本当は違うがな!
「いえいえ、違うでしょう?」
「そう言われてもですねえ。困ったなあ。」
コイツこえーよ。
脳筋の癖してどうしてこういう時だけ鋭いんだよ!野生の勘か?
そういえばコイツ、俺が他の奴らとにこやかに会話してると近づいてこねーのな。
攻撃仕掛けて来るのも俺が1人か、師匠と一緒な時だけで。
はあ、どうすっかなあ。
キン...!カン..カキーン カ...キン!カーン!
「参りました。」
はあっ、やっと終わった。
コイツ何気に強いんだよなあ。
そろそろ負けそう、俺。
まあ、意地でも勝つけどな!
「これが約束の...」
......コイツ馬鹿だ。
1回の決闘で、素材全部出しやがった。
やっぱ脳筋...。
いや、俺的にはいいんだけどさあ?
なんか良心が痛むというか...。
はあ。少しぐらいは枠の中に入れてやってもいいか。感にしてもバレてる訳だし。
でも、気づいてて離れていかないのな。
普通、これだけ猫が厚いと、ひくやつが多いのに。イメージと違うっとか言ってな。
.........少し、ほんの少しだけな!
俺は、嬉しく思ってるのかもしれない。
「イグワーカン」
「...っ何です。」
くくっ。すげぇ悔しそう。
よし。これからも絶対負けねえ。
勝ち続けてやる。
「俺はアルフレード・コラーレス。改めてよろしく。」
「! こちらこそよろしく。」
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「そこから、今までアイツとの付き合いは続いてるんだが。.....。どうした、シア?」
どこに泣く要素があったんだか。
泣くのはいいが、俺の前だけにしてくれよ?
「アルフにも友達がいたのね!やっぱりイグワーカンと仲がいいんじゃない!」
いやいや、アイツとはただの腐れ縁...決闘仲間なんだけどなあ。
「友.......か。」
ずっと放置していてごめんなさい。
本日は2話投稿です。




