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カタチを変え始めた世界

 太陽神を失った世界は、女神と月神によって支えられた。太陽神の残した力のカケラによって、かつてに比べれば幾らか弱々しいモノであったにせよ、世界に光は満ち溢れていた。

 けれど、太陽神はもういないのだ。全てを包み込む、心優しきあの青年は、いない。その事実を胸の奥に刻んだまま、月神は祭壇の前に立ちつくす。その傍らで、女神は静かな微笑みを浮かべていた。何時までも、その微笑みから哀しみの陰りは消えなかったが。

 やがて、神々は人の中へとおりる事を止めた。伝承は、緩やかにカタチを変える。かつて存在した3人の星神が、2人になる。失われた太陽神の存在は、やがて忘れられる。

 人々は、都合の良い理由を付けて、伝承を伝えた。真実を知っているのは、神々だけ。創造神に顧みられる事のない世界で、月神と女神は、ただ静かに時を重ねた。神であるが故の、永遠の時を。

 二度と会う事のできない、太陽神。兄に等しい神の消失を、彼等は嘆き悲しんだ。それでも、世界を見捨てる事はできなかった。世界を守り慈しむ事が、太陽神の願いであったからこそ。

 その願いの為だけに、彼等は世界を見詰める。世界が傾くたびに、そっと支えの手を差し伸べる。何の見返りもなく、彼等は世界を救い、守る。たった一つの、約束の為だけに。





 この世界には、かつて、3人の星神が、存在していた。けれど今は、ただ2人の星神だけが、存在する…………。





FIN

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