機械銃の青年
静まらぬ都会の喧騒。能力を得る者が増え、能力を悪用する人間が増え続けている…。
ビルの間で学生に絡む2人の不良。何度も金をせがむ。
「おいお前!ちょっくら金よこせや」
「俺らはよぉ、金がねぇんだよ」
「や、やめてください!」
すると不良の1人が距離を置き、右手に能力を込め始める。
「そうかよ…なら俺のレベル2の力を見せてやるよぉ!!」
その瞬間、銃弾は能力を使おうとした不良の顔ギリギリを通った
「だ、誰だ!」
「はーいそこー。無闇に能力を使わないの」
そこには…
パーカーにTシャツを着たごく普通の青年がいた。Libertyと書かれた機械銃を持って…。
「てめぇ!何様のつもりで俺に刃向かう気だ!!」
不良はその青年に襲いかかった…が、攻撃を避け腕をつかんでそのまま背負い投げをした。
「セパレイトだ。抵抗は…するなよ?」
「くそっ、あいつセパだ!逃げろ!」
「くそっ、覚えとけ!」
そう言うと不良達は諦めて逃げていった。
「…セパ…か。良い略の仕方だな」
「あの…ありがとうございます」
「ああ、気にすんな気にすんな!あぶねぇからとっとと帰れよ」
そう言うと青年は立ち去った。
めでたしめでたし
「そんなわけないだろー!!」青年は後ろから不意に殴られた。もちろんあいつだろう。
「いてぇよ…ユイナ」
「あんな狭い路地で発砲する馬鹿が何処にいる!たわけ!」
肩まで伸びた緑がかっている髪に黒いつり目。学校のブレザーのような『セパレイト』の制服を着たユイナ=エル。
そしてボサボサの茶色い髪に軽い茶色の目をした青年、カイト=クライフォート。
「だってかっこいいじゃん…決まったら…」
カイトは小さく呟いた。
「てかそれ私服じゃん!」
「急ぎだったんだよー!」
「それ他の仲間に見つかったら怒られるの私なんだからね」
ユイナは怒鳴りつけた。
『セパレイト』では基本、戦闘を行う『アタッカー』とそれをサポートする『サポーター』の2人1組で行動するため、適合検査で相性の良い2人が自動的に組み込まれる。先輩後輩である2人は普段仲が悪い素振りを見せるが、実戦となれば2人のコンビネーションは他のセパレイトをも凌ぐ。
そうこうしているうちに、ユイナの持つレーダーから能力反応が出た。
2人は目の色を変えた。
「んなこと言ってる暇ねぇぞ。レベルは幾つだ」
「4よ。急ぎましょ」
そうするとカイトとユイナはその場所まで走った。
目的地に着くと1人の大男が能力を使って暴れていた。
「ユイナ、周辺の市民の避難を頼んだ!」
「わかったわ!それまで粘ってて!」
二手に分かれ、自分のすべきことに専念した。
「旨そうな女がいるな…、喰ってやる!!」すぐさまユイナに襲いかかるが、カイトの銃によって阻まれた。
「止めとけ。あいつ喰ったって旨くねぇぞ」
一瞬、ユイナに睨まれた気がするが放置だ…。
「てめぇ…邪魔するなぁー!!」
大男が大剣を振り回し襲ってきた。
「そうは行かんな。お前を止めるのがセパの仕事…だっ!」
大男の腕に一発発砲したが効いている感じがない。
「馬鹿め!俺の能力は電気によってコーティングされている!そんな鉛玉、弾き飛ばしてやるわ!」
大男は自慢気に言って自分の体を見せびらかしていた。気持ち悪い…。
さらに、大剣が電気を帯びた。「お前は邪魔だ。俺はあの女が喰いたいのだ!」カイトは紙一重で避けた。そして目つきを変え、大男を睨んだ。
「そう言うわけにはいかねぇなぁ。いかねぇよ」
カイトは右手に持っていた機械銃を左手に持ち替え、構えた。「俺をこの状態にした。後悔しろ…」
カイトは大男を睨みながら呟いた。しかし大男はなめたような表情で、
「何言ってやがる。頭逝かれたか?治してやるよ!!」
大男は大剣を振り下ろしたが、そこには居なかった。
「後ろだ」
カイトは構えて放った。
爆裂砲!!
大男は吹き飛び、カイトに脅え始めた。
「わかった、わかったから…。止めてくれ、止めてくれ!!」
「馬鹿か?散々荒らしといて。よく言うぜ!」
カイトは気性が荒くなっていた。そしてお構いなしに構え、
「お前のしたこと…、あの世で後悔しな…」
「う、うわぁぁぁぁぁ!!!」
銃弾は大男の頭を貫いた。
『セパレイト』は能力者の暴走を押さえる為に出来た組織だが、最悪殺すこともありだが、最終手段でありそれはアタッカーの判断による。
終わった頃にユイナが戻ってきた。
「こいつはマル=アークス。今までに逮捕歴がたくさんあるがお構いなしに犯行をしてきた男。死んでるのはカイトを怒らせたからでしょ?」
「まぁな…」
さすがにユイナもお見通しだった。
「さぁて時間も時間だしな、報告に行こうぜ」
「馬鹿?まずは着替えてきなさい」
そうなのだ。普段着で戦っていたことをカイトはすっかり忘れていた。
カイトはすぐに着替えた。
「全く…。あんた特注のセパのパーカーは何時でも着るのね…」
ユイナは『セパレイト』制服にボスに頼んで作って貰ったいつもの特注パーカーを着ているに呆れてため息をついた。
「まぁ…行こうぜ!早く」
「はいはい」
そう言うと2人はセパレイト支社に向かった。




