おまけ<ブログ拍手~ハロウィン編~>
第6巻『陰謀だらけの魔法合戦』お読みいただき、ありがとうございました。
こちらはおまけのページです。
本編とは違う彼らをお届けしたいと思います。
もう何度も前の巻で説明していますので今更ですが、もしこの巻が初めてですという方のために、おまけの説明をさせていただきます。(わかってる方はスクロールして、後半からお読みください)
クリスティ学園シリーズ<魔法使いの生徒会編>は、20年前にわたしが書いて、ブログで連載していた作品です。
諸事情により連載を中断せざるを得なくなり、20年経った今、再び続きを投稿させていただいています。
ブログ連載していたときに、拍手機能をつけていました。
そこに拍手を下さる方への感謝を込めて、小さなショートエピソードを書いたのです。
拍手は連続5回出来たので、5人いる生徒会メンバーに語り部となってもらい、本編では語られないエピソードを話してもらうことにしました。
以下に掲載しますのは、20年前に書いたブログ拍手<ハロウィン編>(当時の作者のコメント付き)です。
<ブログ拍手~ハロウィン編>
[コメント1 帝]
貴様の拍手に感謝する。
俺たちは今、生徒会会議を終えたところだ。
イベント狂いの雅人の奴が『ハロウィン・仮装パーティー』をやりたいと言い出して、全員で企画を練ったのだ。
10月31日の放課後、全校生徒自由参加。
各自、仮装して体育館に集合し、簡単なゲームをやって、菓子を食べることになった。
くだらないとは思うのだが、たまにはこういう息抜きが必要なのかもしれない。
しかしゲームの内容は当日雅人が発表することになっていて、それだけが少々不安なところだ。
アイツのことだ。
考えてるゲームなんて、絶対マトモじゃないものに決まってる。
パーティー最初の会長挨拶さえ済ませてしまえば、俺が会場にいる必要もない。
付き合いきれないなら、さっさと抜け出すつもりだ。
あとは騒ぎたい奴だけで、いつまでもやってればいいだろう。
作者(おやおや、楽しそうな企画ですけど、帝先輩は抜けるんですね。拍手ありがとうございました)
[コメント2 雅人]
ああっ、今日も君の可憐な拍手の音が、僕の心をときめかせる。
君は本当に悪戯な人だね。
そしてとても罪なレディだ。
僕の心をこんなにも魅了し、惑わせてしまうなんて。
そんな君のために、僕は今日、最高に凛々しい王子の姿をお見せしよう。
英司なんかは目を丸くして、『先輩、恥ずかしくないんですか。そのかぼちゃパンツに白タイツ』
なあんて言ってたけど、君のためなら僕は童話に出てくる白馬の王子になってみせるよ。
もちろんバックに薔薇の花を降らせてね。
今日はクリスティ学園中等部ハロウィン・仮装パーティーの日。
だからどんな服装も、許されてしまうというものさ。
こんな楽しいお祭りだもの。
めいいっぱい楽しまなければ。
そしてもちろんパーティーの主役は、僕達の王様、キング帝だ。
ふふっ……君が逃げようとしてるのはわかってる。
考えてることなんてお見通しさ。
でもそうはいかない。
君をこの僕が逃がしてあげると思ってるのかい?
『会場のみんな、今日の特別ゲームは名付けて『キングを探せ』だよ。
ルールは簡単。
これから楽しい時間を過ごす間に、我らがキング、生徒会長伊集院帝の仮装を見破り、捕獲せよ!
捕まえた人の部活には部費を10倍増やして進呈するから、みんな、がんばってくれたまえ』
さあ、これでもう君は逃げられないよ。
今、顔色を変えて、すばやく会場を出て行ったけど、全校生徒が君を狩るんだ。
どこまで乗り切れるかな。
君の心を捉えて、見事賞金を勝ち得るレディは誰だろう。
ふふっ、君が誰に捕まるか、今からとても楽しみだね。
作者(あらあら、帝先輩、抜けるに抜けられなくなってしまいましたよ。どうするんでしょうね、これから。拍手、ありがとうございました)
[コメント3 直樹]
いつも俺たちを応援してくれる君の誠意に感謝する。
今、ちょっと面白いことになっててね。
俺たちは体育館で『ハロウィン・パーティー』をやってるんだが、雅人の提案で菓子を配ることになった。
ハロウィンにはつきものの、かぼちゃ型クッキーを料理研究同好会メンバーの協力で用意してある。
使った材料の中には、俺の編み出した特殊魔法効果付きのバニラ・エッセンスがふくまれているんだが、これを皆が食べたら、更にパーティーが盛り上がること間違いなしだ。
さあ、いよいよ仮装したパーティーの参加者にクッキーが配られたぞ。
数分後には、会場はもっと楽しいことに……。
君も一つ、試食してみるかい。
(黒眼鏡キラリン)
作者(帝先輩に続き、更なるパーティーの犠牲者が出そうですねえ。拍手、ありがとうございました)
[コメント4 英司]
俺たちのことを、いつも応援してくれるみんな、本当にどうもありがとう。
俺は今日も先輩たちに振り回され、忙しくて目がまわりそうだよ。
ハロウィンのパーティーを楽しむどころか、雅人先輩の妙な提案のせいで帝はパーティー会場を全力で逃げ出し、俺に思念で追っ手霍乱作戦を指示してきたんだ。
おかげで俺は帝に変身し、校内中をわざと走り回って皆の注意を俺に向けさせ、いざ捕まりそうになったら変身を解いて、はずれと言わなきゃいけなかった。
帝は上手く隠れたみたいだけど、もう走りすぎて俺はヘトヘトだよ。
大体追っ手もあきらめたようだから、会場に戻ろうかな。
…………。
体育館に入った俺は、思わず目が点になった。
何故か人は一人もいなくて、体育館の床に沢山のかぼちゃちょうちんがころがっていたんだ。
これって一体――。
ちょうちんたちはまるで生きているように、ゆらゆら揺れて、けっこう不気味だ。
家の窓辺に一個とか二個、このかぼちゃちょうちんが置いてあるのは、とても愉快な気がするけれど、ここまでたくさん置かれているのは、ちょっと不気味かもしれない。
しかも揺れてるし。
中にはくりぬいた二つの目から水みたいなものが流れてる……。
まさか、涙?
ひえええっ、これはかなり怖いよ。
『ああっ、何と言う事だ。直樹君。
君のおかしな発明グッズのおかげで、僕のパーティーが台無しになってしまったじゃないか。
せっかくこれから麗しき仮装貴公子選抜大会をやろうと思っていたのに、みんな、みんなかぼちゃにしてしまうなんて……僕のたてた華麗な企画を、このかぼちゃたちと、どうやってやればいいと言うんだい?』
今の嘆きの言葉は――雅人先輩。
舞台の上で、マイク片手に悲劇のポーズで固まってる。
っていうか、今のセリフは……まさかこのかぼちゃちょうちんは!
俺は、かぼちゃちょうちんたちを前に、へなへなと座り込んでしまった。
どうすればいいんだよ、この状況。
参加者みんな、かぼちゃにしてしまうとは。
『心配ない。明日の朝には効果は消える。ハロウィンの夜だけの魔法さ』
そこでそんなセリフを、さらっと得意そうに言わないでくれませんか、直樹先輩!
あああっ、もう、俺、生徒会メンバーでいるの、心底嫌になってきた。
体育館の隅にいるとんがり帽子に魔法のローブ、杖を持った斎だって、顔が真っ青になってるし。
きっとあいつも今の俺と同じ心境なんだろうな。
ううっ、とりあえず帝に思念で報告しないと。
今回ばかりは直樹先輩もタダでは済まない気がするな。
いつも理論理屈で帝をやりこめてしまうけど、こればっかりは言い訳のしようがないだろうし。
はああっ、それにしてもせっかくパーティーを開いたのに、一体何のためだったのかなあ。
君に忠告しとくけど、うちの生徒会主催の企画には、極力参加しない方がいいと思うよ。
どうなってもかまわないってんなら別だけどね。
作者(全員かぼちゃちょうちんにされてしまったんですね……直樹君、何てことを! 拍手、ありがとうございました)
[コメント5 斎]
ここまでたくさんの拍手、本当にありがとうございます。
生徒会主催のハロウィン・パーティーも、なんとか無事に終了しました。
ちなみに帝先輩を捕まえたのは後野さんでした。
というか、ガイコツお化け(帝先輩の仮装姿)が後野さんの所に行って、二人で校内を抜け出して遊びに行こうとしつこく誘っていたため、ほとんどバレまくりだったようです。
後野さんは部活に入っていなかったので、賞金は見送られることになりました。
かぼちゃちょうちんにされてしまったその他大勢の参加者たちは、結局朝方元の姿に戻り、事なきを得ました。
みんなのお家には僕と英司先輩で、学校から連絡網(からす速達便)をまわし、徹夜でパーティーをやります、と連絡を入れておいたので、心配はされずに済みました。
ちなみにかぼちゃになってる間の意識はなくなっていたので、みんな、どうしてこんなに早く朝が来たのか、とても不思議がっていたけれどね。
なんとか生徒会企画は終了したけど、毎回先輩たちの素行には驚かされます。
まともに済んだ企画なんて、ほとんどないと言っていいし。
あとどのくらい行事があるのか考えたら、思わず背筋が寒くなりました。
先輩たちが無事にご卒業される日まで、英司先輩と耐え抜かないといけないようです。
これからもがんばりますので、応援よろしくお願いします。
作者(ふうっ、何とかハロウィン、終了みたいですね。英司&斎君、そして帝会長、お疲れ様でした。二人の先輩卒業までファイトですよ。拍手、ありがとうございました)
<終わり>
ここまでお付き合いいただき、ありがとうございました。




