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【現世】エピローグ2話 黄金と銀 夢絆

空気が止まった


ヴィオが

顔を上げる


次の瞬間


全員の視線が

重なった


ヴィオの黄金の瞳が

動かない


――その瞬間


ヴィオは

当然のように

笑った


夕羅が

静かに立ち上がった


「……ずいぶんと

……焦らすのね」


夕羅の紫煙が

妖しく揺れる


視線は

すでに俺のすべてを

見透かしていた


ヴィオが

グラスを弄ぶ手を止める


「――遅かったじゃねえか」


肩をすくめる


俺は

席へ歩を進める


「お前が

待たせすぎたんだ」


夕羅の瞳が

細く踊る


「ジン……」


その響きだけで

輪郭が噛み合う


ヴィオが

小さく笑う


「だが悪くない」


グラスを取る


カラン……


茉莉奈が微笑む


「……巡るのね」


オーガが

静かに頷く


「その目なら

――信じられる」


一花が静かに頷く


「……やっぱり来たわね」


ヴィオが肩をすくめる


「俺が王でも……上も下もない――

あるのは昔からの夢絆(きずな)だ」


誰ともなく

息が漏れた


「……まったくだ」


笑いが戻る


カラン……

カラン……


夕羅が

爪先でグラスを叩く


「……遅いのよ」


俺は

無言でその隣へ腰を下ろした


それでいい


席へ座る


距離が近い


それだけでいい


今度は

堕ちない


胸の奥で

銀が静かに沈む


夜は冷たい


だが

芯は消えない


一度

闇へ呑まれた銀は

もう忘れない


忘れないまま

ここにいる


それが覚悟だ


銀は

揺れない


彩りは

もう消えない


――誰も

気づかなかった


その夜


蒼が

そっと胸元へ手を添えたことを


理由は

わからない


けれど


茉莉奈は

小さく微笑んでいた


まだ


誰も知らない


新しい光は


もう


歩き始めていた

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