エース①
凛いわく、隣の女性が勝と銀のバッテリーを絶賛しているのに対しその連れは対象的に静かに微笑んでいたようだ。
三回表。
流れは止まらなかった。
ツーアウト満塁。
打席には中尾。
中尾「ここで決める」
初球。
シュッ
カキーン!!
打球は一直線。
左中間へ、迷いなく伸びていく。
外野手が追う。
だが、届かない。
そのままスタンドへ突き刺さった。
満塁ホームラン。
スタンドが揺れる。
ベンチが爆発する。
嶋口「やっぱお前だな」
中尾はダイヤモンドを一周しながら、軽く拳を握った。
中尾「流れ、完全にもらったぞ」
スコアは一気に広がる。
四回表。
打席には嶋口。
中尾「ピッチャーでも打つ気かよ」
嶋口「当たり前だろ」
初球。
シュッ
カキン!!
高く上がった打球。
ぐんぐん伸びる。
ライトが下がる。
それでも届かない。
スタンドイン。
スリーランホームラン。
ベンチ「うおおおお!!」
味方「ピッチャーが打つなよ!」
嶋口は静かにベースを回る。
嶋口(これで流れは完全にこっちだ)
四回裏。
スコアは12-0。
だが、簡単には終わらない。
嶋口 (……少し力みすぎたか)
右で投げる。
だが、球が浮く。
ボール。
ファウル。
ヒット。
相手打線が粘り始める。
中尾「勝、落ち着け」
嶋口「……分かってる」
もう一球。
シュッ
カキン!!
鋭い打球が外野へ抜ける。
一点。
スコアは12-1。
ベンチが少し静まる。
嶋口は一度、深く息を吐いた。
嶋口 (崩れるな)
嶋口(ここで崩れたら意味がない)
グローブを握り直す。
一度、視線を落とす。
そして
持ち替える。
左。
中尾がミットを構える。
中尾「戻せるか?」
嶋口は小さく頷いた。
嶋口「戻す」
振りかぶる。
踏み込む。
腕を振る。
シュッ、ドンッ!!
審判「ストライク!」
さっきとは違う、低く伸びる球。
打者のタイミングが外れる。
二球目。
シュッ、ドンッ!!
審判「ストライクツー!」
三球目。
中尾「締めるぞ」
嶋口「おう」
シュッ
空振り。
審判「ストライク! バッターアウト!」
流れが止まる。
ベンチが再び息を吹き返す。
嶋口はマウンドの上で静かに立つ。
嶋口 (まだ終わってない)
でも、崩れなかった。
それが、今の答えだった。
沢田 大地
年齢:14歳(中2)
誕生日:4/13
右打ち
ポジション:サード
パワー⑦
ミート⑥
走力⑤
噂:特になし




