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スイッチ 〜前人未到の夢の道導〜  作者: つば


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12/13

マウンドに戻る男

六回裏。


鷹浜の攻撃は三者凡退。


追加点は奪えない。


スコアは4-2のまま。


そして


最終回。


七回表。


西岡中、最後の攻撃。


スタンドの空気が重くなる。


中尾がマスクを被り直す。


中尾「いくぞ、勝」


嶋口「おう」


マウンド。


今度は右。


グローブを左手にはめる。


観客席がざわつく。


観客「本当に変えてきた……」

観客「最後は右か」


西岡ベンチ。


相手監督が低く呟く。


相手監督「球速で押し切る気だな」


先頭打者。


中尾がミットを高めに構える。


中尾 (飛ばしてこい)


嶋口、振りかぶる。


踏み込む。


腕を振る。


シュッ、ドンッ!!


審判「ストライク!」


モニター。


140km/h


スタンドがどよめく。


観客「速っ……!」


打者が一歩下がる。


さっきまでの左とは、まるで別物。


中尾 (これだ)


二球目。


内角。


シュッ!!


ファウル。


完全に振り遅れている。


追い込んだ。


中尾「決めるぞ」


嶋口「おう」


三球目。


外角低め。


シュッ


ブンッ!!


空振り。


審判「ストライク! バッターアウト!」


ワンアウト。


ベンチが湧く。


八川「あと二つ!!」


だが西岡も終わらない。


二人目。


粘る。


ファウル。


ファウル。


そして


カキン!!


三遊間を破るヒット。


スタンドがざわつく。


観客「まだ分からんぞ……!」


ランナー一塁。


中尾が立ち上がる。


中尾「問題ねえ」


嶋口「分かってる」


ネクスト。


西岡の四番。


今日二安打。


中尾 (ここが山だ)


ベンチ。


伊能は腕を組んだまま動かない。


伊能 (乗り越えろ)


中尾がサインを出す。


高めストレート。


嶋口が頷く。


振りかぶる。


踏み込む。


全力。


シュッ、ドンッ!!


打者、振り抜く。


カキィン!!


高い打球。


センター方向。


八川が下がる。


まだ伸びる。


八川「……っ!」


フェンス際。


ジャンプ。


パシッ!!


捕った。


スタンドが爆発する。


八川「しゃあああ!!」


ツーアウト。


ランナーは戻れない。


あと一人。


中尾がミットを強く叩く。


中尾「終わらせるぞ!」


嶋口は深く息を吸う。


嶋口 (最後)


最後の打者。


初球。


140km/h。


ストライク。


二球目。


141km/h。


ファウル。


追い込む。


観客席が総立ちになる。


中尾「勝」


嶋口「ああ」


中尾「行け」


嶋口は静かに頷いた。


振りかぶる。


踏み込む。


右腕を振り抜く。


シュッ


打者、振る。


だが。


空を切る。


ドンッ!!


審判「ストライク! バッターアウト! 試合終了!!」


鷹浜ベンチが一斉に飛び出す。


中尾「勝ったぁ!!」


八川「決勝だぁぁ!!」


嶋口はマウンドの上で、静かに空を見上げた。


右でも。


左でも。


全部で勝った。


その感覚が、確かにあった。

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