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追放された宮廷菓子師は、辺境の厨房で幸せを焼く  作者: 歩人
王都の毒と蜜

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24/42

第24話: 素材が貧弱

 品評会の予選会場は——息ができないほど、甘かった。


 溶かしバターの重い香り。焼けたカラメルの苦甘い匂い。バニラの、あの鼻腔の奥にまで沁み込んでくるような芳香。砂糖が焦げる、わずかに焦がした縁だけが放つ深い甘さ。


 空気そのものが菓子だった。


 リゼットは作業台の前に立ち、両手を握りしめた。指先が冷たい。九月の王都は暖かいはずなのに——手だけが、凍えている。




 予選会場は王城の西棟、大宴会場を仕切って設けられた特設の厨房だった。


 作業台が二十ほど並んでいる。参加者は全部で十八人。それぞれの台に、素材と道具が所狭しと並べられていた。


 リゼットは端から三番目の台だった。隣の台には、南部から来たらしい恰幅かっぷくのいい菓子師が、見たこともないほど白い砂糖の袋を積み上げている。その隣では、若い女性の菓子師が輸入物のバニラのさやを丁寧にナイフで裂いていた。


 どちらも——素材が、違う。


 リゼットの台の上には、辺境から持ってきた素材が並んでいた。霜花蜜の瓶。焙煎した黒胡桃。山羊乳のバター。辺境の大麦と、最後の商隊で手に入れた小麦粉。卵は王都で買い足したものだが、それ以外は全て——辺境の素材だ。


 華やかさは、ない。


 瓶の中の霜花蜜は透き通った琥珀色で美しいけれど、隣の台に並ぶ銀の砂糖壺と比べれば——地味だった。素朴を通り越して、貧相に見える。


 視線を感じた。


 他の参加者が、リゼットの台を見ている。ちらりと見て——すぐに目を逸らす。嘲笑ではない。興味がないのだ。「あの台は関係ない」という、無関心。


 一年前なら、ここで足がすくんでいたかもしれない。


 でも——今は。


 エプロンの紐を結び直した。袖をまくった。小さな火傷跡がいくつもある、菓子師の手。辺境の厨房で毎日焼き続けた、この手。


「……始めましょう」


 審査員長の合図が響いた。


 予選の制限時間は二刻。一品を仕上げて提出する。




 リゼットが選んだのは——マドレーヌだった。


 華やかな菓子ではない。装飾もない。貝殻型の小さな焼き菓子。素朴で、どこにでもあるような——でも、だからこそ技術が全て出る菓子。


 卵を割る。黄身と白身を分けず、丸ごと泡立てる。空気を含ませすぎず、でも十分に。泡のきめが細かくなるまで——手が覚えている回数を、正確に。


 小麦粉をふるう。辺境の大麦粉を三割混ぜる。これが辺境のマドレーヌの骨格になる。大麦の素朴な風味が、蜂蜜の甘さを引き立てる——はず。


 山羊乳のバターを溶かす。牛乳バターより軽い香りだ。くどさがない代わりに、コクも控えめ。それでいい。霜花蜜の繊細な花の香りを、バターが邪魔してはいけない。


 そして——霜花蜜。


 瓶の蓋を開けた瞬間、かすかに花の香りが立った。冬の白霜の森で、わずかに咲く小さな花から集められた蜜。透明で、上品で、加熱すると——あの、忘れられない香りが広がる。


 蜜を鍋に移し、弱火にかける。


 温度を見る。指で触れるのではなく——鍋肌に耳を近づけて、蜜が微かに動き始める音を聴く。六十度。まだ。六十五度。もう少し。七十度——ここだ。


 花の香りが、ふわりと立ち上った。


 七十度を超えると香りが飛ぶ。六十度以下だと花の成分が溶け出さない。この温度帯を正確に捉えることが——霜花蜜のマドレーヌの全てだ。


 生地に蜜を合わせる。混ぜすぎない。蜜の流れに沿って、三回だけ大きくへらを動かす。


 型に流す。貝殻型。辺境から持ってきた、使い込まれた鉄の型。


 窯に入れる。


 温度は——体で知っている。辺境の石窯で毎日焼き続けた記憶が、手のひらに焼き付いている。王都の窯は火力が安定していて扱いやすいが、その分、微調整の感覚がつかみにくい。辺境の気まぐれな石窯の方が——リゼットの体に馴染んでいた。


 焼き時間は——待つ。


 周りの台から、華やかな香りが漂ってくる。バニラ。シナモン。ローズウォーター。カラメル。


 リゼットの台からは——蜂蜜の、素朴な香りだけ。




 焼き上がった。


 窯から出した瞬間、ふわりと湯気が立つ。貝殻型の表面が、きれいな黄金色に色づいている。焼き色は均一。膨らみも申し分ない。中央がわずかにぷっくりと盛り上がった、教科書通りの——いや、教科書よりも少しだけ丸みのある、リゼットのマドレーヌ。


 型から外す。底の焼き色を確認する。濃すぎず、薄すぎず。端まで均一に火が通っている。


 一つ、割ってみた。


 断面は——きめ細かい。気泡が均等に入り、しっとりとした生地の中に、霜花蜜の琥珀色の筋がかすかに見える。


 匂いを嗅ぐ。


 花の香り。微かだけれど、確かに——あの白霜の森の、冬の花の香り。


 技術的には——自信がある。焼き加減も、蜜の温度も、生地の混ぜ方も。リゼットが辺境で積み上げてきた全てを注ぎ込んだ一品だ。


 でも。


 隣の台を見た。


 南部の菓子師が仕上げているのは、三段重ねのミルフィーユだった。層と層の間にカスタードクリームが挟まれ、表面には粉砂糖が雪のように振りかけられている。最上段には砂糖細工の薔薇。バターの豊かな香りが——リゼットの台まで届いてくる。


 その向こうでは、アーモンドのフランジパーヌタルトが焼き上がっていた。上質なアーモンドの香ばしい匂いと、バニラの甘い香りが混ざり合って、思わず唾を呑みそうになる。


 どれも——華やかだった。色彩があり、高さがあり、装飾がある。菓子としての「格」が、見た目から伝わってくる。


 リゼットのマドレーヌは——貝殻型の、小さな焼き菓子。皿の上に五つ並べると、それだけ。飾りはない。砂糖細工もない。ただ、黄金色の焼き菓子が——ぽつんと。


 浮いていた。




 審査が始まった。


 審査員は五人。菓子師ギルドの師範が二人、宮廷菓子師が一人、王都の有力菓子店の主人が一人、そして——もう一人は、白い髭の老人だった。元・宮廷首席菓子師。今は引退して師範格の重鎮だと聞いた。


 審査員たちが一台ずつ回っていく。


 南部の菓子師のミルフィーユには「見事な層だ」「バターの質が素晴らしい」と声が上がった。アーモンドのタルトにも「香りの調和が絶妙」と頷きが返った。


 リゼットの番が来た。


 審査員長が、マドレーヌを一つ手に取った。


 見た、匂いを嗅いだ、割った、食べた。


 沈黙。


「……技術は確かだな」


 ぽつりと言った。


「焼き加減、生地のきめ、蜜の香りの出し方——いずれも水準以上だ」


 リゼットの胸が——ほんの一瞬、温かくなった。


「だが——」


 冷えた。


「素材が貧弱だ」


 審査員長が、隣のミルフィーユを指差した。


「南部産の上質バター、精製砂糖、輸入バニラ——あちらは素材そのものが菓子の格を底上げしている。対してこちらは……蜂蜜と大麦粉、山羊乳のバター。辺境の素材か。珍しいが——品評会で戦う素材ではないな」


 他の審査員が頷いた。


「味は悪くない。が、評価するには——素材の力が足りない」


 点数が付けられた。


 リゼットは——唇を噛んだ。


 分かっていた。覚悟はしていた。辺境の素材で挑めば、こうなることは。


 それでも——悔しい。


 技術は認められた。でも「素材が貧弱」という言葉が、胸に刺さった。リゼットの素材を——辺境の宝物を——「貧弱」と。


 拳を握った。爪が掌に食い込む。


 折れない。ここでは、折れない。




 予選の結果発表まで、小一時間の待ち時間があった。


 参加者たちが会場の隅で茶を飲んでいる。リゼットは壁際に立って、一人で結果を待っていた。


 セドリック様は——観覧席にいるはずだ。辺境伯として、後援者として。あの大きな背中が、どこかから見ていてくれている。


 そう思うだけで、少しだけ背筋が伸びた。


「ふん」


 声が——横から聞こえた。


 振り返った。


 擦り切れた伯爵服。だが手入れだけは完璧な、藍色の上着。くすんだ金髪。皮肉げに細められた琥珀色の目——リゼットと同じ色の目。


 父。


 ギルベール・フォン・メルヴェーユが、腕を組んで立っていた。


「お父——」


「品評会の菓子を食べに来ただけだ。お前に用があるわけではない」


 遮られた。いつもの口調。尊大で、偏屈で——でも、どこか早口な。


「ですが、観覧席から出てきて——」


「審査員の評を聞いていただけだ。近くで聞いた方が正確だろう」


 言い訳の仕方が——下手だ。この人は昔からそうだった。


 ギルベールは鼻を鳴らして、リゼットの方を見た。正確には——リゼットの作業台の方を。残ったマドレーヌが、まだ皿の上に並んでいる。


「……食べてもよろしいですか?」


「誰がお前の許可を求めている。私は品評会の出品物を評しに来ただけだ」


 ギルベールはマドレーヌを一つ手に取った。


 見た。焼き色を、形を、重さを。菓子を持ち上げて底の焼き色も確認した。


 そして——食べた。


 一口。


 咀嚼。三回、四回——止まった。


 目が細まった。あの、批評する時の目。菓子の味を分解し、成分を舌の上で仕分けている目。リゼットもよく知っている目だった——子供の頃から、食卓で何度も見てきた目。


「焼き加減が甘い」


 最初の一言が——それだった。


「あと二度。窯の温度を二度上げれば、表面のカリッとした層がもう一段深くなる。この中心部のしっとり感は悪くないが、表面の焼きが足りないせいで食感のコントラストが出ていない。マドレーヌの妙味は外のかりっとした殻と中の柔らかさの対比にあるのだ。それが分からんのか」


 リゼットは——黙って聞いた。


「蜂蜜の投入タイミングが遅い」


 ギルベールが続けた。


「七十度前後で加熱しているな? 悪くはない。だが生地に合わせる段階で冷めすぎている。蜜は六十五度以上の状態で生地に入れなければ、花の成分が小麦粉の蛋白質と結びつかない。お前の蜜は——表面に浮いている。生地に溶け込んでいない。香りが上滑りしているのだ」


 的確だった。


 異様に——的確だった。


 リゼットは自分の舌で何十回も試作を重ねて、最適な温度を探ってきた。七十度が最も香りが立つと結論づけた。でも——生地に合わせる時の温度は、考えていなかった。鍋から下ろして、へらで混ぜる間に冷める。その温度降下まで計算に入れていなかった。


「それから」


 まだ続くのか。


「大麦粉の配合比が高すぎる。三割か? 二割五分でいい。大麦の風味を活かしたいのは分かるが、三割だと蜂蜜の香りを食ってしまう。お前が出したいのは蜂蜜の花の香りだろう。ならば大麦は脇役に徹させろ。主役と脇役の分を弁えさせるのは——菓子師の仕事ではないか」


 ギルベールは残りのマドレーヌを口に放り込み、咀嚼しながら——鼻を鳴らした。


「話にならん」


 いつもの、あの言葉。


 リゼットの目に——悔しさが、滲んだ。


 悔しい。この人の言葉は、いつも突き刺さる。「話にならん」と切り捨てられる痛みは——子供の頃から変わらない。


 でも——。


 同時に。


 頭の中で、レシピが書き換えられていく。窯の温度を二度上げる。蜜を合わせる温度を六十五度以上に保つ。大麦粉を二割五分に。


 全部——試してみたい修正だった。


 悔しいけれど——正しい。


 この人の舌は——本物だ。


「おい、お前」


 背後から——低い声が割り込んだ。


 セドリック様だった。


 観覧席から降りてきたのだろう。革鎧の上に辺境伯の外套を羽織っている。青灰色の目が、ギルベールを射抜いていた。


「何者だ」


 ギルベールが眉を上げた。


「……辺境伯殿か。品のない登場の仕方だな」


「答えろ。リゼットに何を言った」


「菓子の批評だ。辺境伯殿には関係あるまい」


 空気が——張り詰めた。


 セドリック様の目は、鋭かった。リゼットの表情に、何かを読み取ったのだろう。悔しさか、動揺か——リゼット自身にも分からない、複雑な感情の色を。


「あの男の言うことを気にするな」


 低い声。ぶっきらぼうだけれど、守るような声。


 リゼットは——首を振った。


「……でも、当たっているんです」


 セドリック様が——わずかに目を見開いた。


「当たっている?」


「窯の温度。蜜の合わせ方。大麦の配合。全部——わたしが気づいていなかったところを、指摘されました」


 自分で言いながら、胸が苦しくなった。


 この人の舌は本物だ。食べるだけで、焼き加減の二度の差を言い当て、蜜の投入温度のずれを指摘し、粉の配合比を言い当てる。


 リゼットの「絶対味覚」は——もしかしたら。


 この人から、受け継いだものなのかもしれない。


 琥珀色の目。リゼットと同じ色の目。あの皮肉げに細められた目の奥にある舌の記憶は——リゼットの舌の、ルーツなのかもしれない。


 ギルベールは何も言わず、踵を返した。


「私は品評会の菓子を食べに来ただけだ。他の出品物も見なければならん」


 去っていく背中を見送りながら——リゼットは、唇を噛んだ。




 予選の結果が張り出された。


 十八人中、十二人が通過。リゼットの名前は——あった。


 十一位。


 通過はした。だが、順位は下から二番目だった。


 「技術点は上位。素材点が最低」——そんな講評が添えられていた。


 分かっていた。覚悟していた。それでも、「最低」という文字を目にすると——胸の奥が、軋む。


「通ったぞ」


 セドリック様が、隣に立っていた。いつの間に来たのか分からない。大きな背中が、周囲の視線を遮るように——リゼットの前にあった。


「……はい」


「順位は関係ない。通ったかどうかだ」


「……そうですね」


 分かっている。予選は通過すれば同じ条件で本選に臨める。順位は関係ない。


 でも——悔しいものは、悔しい。


 セドリック様が——ぽつりと言った。


「お前の菓子は——不味くない」


 リゼットは——顔を上げた。


 セドリック様の目は真っ直ぐだった。あの青灰色の目。感情が読みにくい目。でも——今は、はっきりと。


 不味くない。


 味覚を失っていた人が——三年間、何を食べても感じなかった人が——リゼットの菓子を食べて、そう言う。


 「不味くない」は——この人の言葉では、最大級の肯定だ。


 涙が出そうになった。でも——堪えた。ここは王都の品評会場だ。泣いている場合じゃない。


「ありがとうございます、セドリック様」


 声が——少しだけ、震えた。




 人混みの中を歩いていると——ふと、足が止まった。


 老菓子師が——リゼットの作業台の前に立っていた。


 審査員の一人。白い髭の、元宮廷首席菓子師。引退した重鎮。その老人が——残っていたマドレーヌを、じっと見ていた。


 いや——食べていた。


 リゼットが気づいた時、老菓子師はちょうどマドレーヌを噛み砕いたところだった。咀嚼が——ゆっくりと、止まった。


 顔色が変わった。


 老人の顔が、一瞬——強張った。目が見開かれ、噛む動きが完全に止まり——何かを思い出すような、いや、思い出したくないものを思い出してしまったような——複雑な表情が、皺だらけの顔に浮かんだ。


「この味は……」


 呟きが聞こえた。小さな声。リゼットの耳に辛うじて届く程度の。


「……いや、まさか」


 老菓子師は首を振った。マドレーヌの残りを口に入れ、もう一度咀嚼して——飲み込んだ。


 そして何事もなかったかのように、次の台へと歩いていった。


 リゼットは——気にしなかった。


 審査員が出品物を食べるのは当たり前のことだし、老人の独り言など珍しくもない。予選の結果で頭がいっぱいで、それどころではなかった。


 だから——老菓子師がもう一度振り返って、リゼットの背中を見つめていたことには、気づかなかった。




 宿に戻ったのは、日が傾き始めた頃だった。


 セドリック様が先に部屋に戻り、リゼットは一人で——宿の部屋のテーブルに向かっていた。


 テーブルの上に、辺境から持ってきた素材を並べた。


 霜花蜜の瓶。焙煎黒胡桃の袋。干した高原りんごの包み。山羊乳バターの塊。大麦粉。


 辺境の——全て。


 今日の予選で使ったのは、この中の一部だ。マドレーヌに使ったのは蜜とバターと粉だけ。黒胡桃もりんごも、まだ出番を待っている。


 本選では——何を出すか。


 リゼットは素材を一つずつ手に取った。瓶を傾けて蜜の粘度を見た。胡桃を一粒齧って風味を確かめた。干しりんごを噛んで、酸味と甘みの比率を舌の上で測った。


 ギルベールの言葉が——頭の中で繰り返される。


『主役と脇役の分を弁えさせるのは——菓子師の仕事ではないか』


 悔しい。でも——正しい。


 予選では霜花蜜を主役にした。でも本選では——主役は一つでなくていい。辺境の素材たちが、それぞれの持ち場で輝く菓子。


 一品では——足りない。


 一つの菓子に全てを詰め込もうとすれば、素材同士が喧嘩する。ギルベールの批評が教えてくれたのは、そういうことだ。主役と脇役の配分。それぞれの素材に、ふさわしい場所を用意する。


 ならば——。


 素材の数だけ、菓子を作ればいい。


 小さな菓子を——いくつも。それぞれが一つの素材を主役にした、小さな宝石のような菓子を。


 そして——それを一皿に盛る。


 辺境の季節を、一皿に。


 レシピ帳を開いた。ペンを持つ手が——今度は震えていなかった。


 書いた。


『本選出品構想——辺境の四季』


 黒胡桃は秋。霜花蜜は冬。高原りんごは春。ベリーは夏。


 四つの季節を、四つの小菓子で。


 そして中央に——辺境の全てを束ねる、一つの甘さを。


 まだ形は見えない。でも——方向は見えた。


 ギルベールの辛辣な批評が——皮肉にも、リゼットに道筋を示していた。


 悔しいけれど。


 本当に——悔しいけれど。


 リゼットは——ペンを走らせた。


 辺境の全てを凝縮した一品を。あの人たちに——「貧弱」だと言った人たちに——見せてやる。


 この素材が、何を生み出すのかを。

予選での「素材が貧弱」評価、リゼットにとっては悔しいけど、ここから逆転が始まります。父の「二度の差で台無しだ」という批評、技術的にどこまでリアルに書けるか悩みました。リゼットが悔しいけど参考にしてしまう関係、書いていて楽しかったです。

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