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禍姫  作者: 紲結、
1章
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20/21

怠惰のメア


俺は夕陽を見る、何故生きてるのか、生きていたのならどうして今まで会いに来てくれなかったのか聞きたい事は沢山ある

俺は原作を全部知っている訳じゃない、だから俺は夕陽が何で生きて教団にいるのか知らない


「お姉ちゃん?どうしたの?聞きたい事があるなら教えてあげるけど⋯⋯それにしても禍姫も警戒心が足りないよね、お姉ちゃんが狙われてるのが分かってるのに護衛を付けないなんて」


夕陽は俺に近づいてくる、俺はどうするべきなのか


「そっか、ごめんね急に言われても困るよね

でも私はまたお姉ちゃんと暮らしたいと思ってるの、お姉ちゃんは一緒に暮らしたくない?」


そんな事はない、一緒に暮らしたいに決まっている

教団は敵だ、でも夕陽は妹だそれなら儚さんみたいに俺達側に来てもらえばいい


「先に言っとくけど私がそっち側に行く事は無いよ、私だって禍神に用事があるし、でも安心してね他の幹部みたいに私はお姉ちゃんを酷い目に合わせたりなんか絶対にしないから」


「夕陽⋯⋯私はどうすればいいの?分からないよ俺がどうするべきか分からないんだよ」


「懐かしい〜お姉ちゃん最初は自分の事、俺って言ってたのに途中から私になってたよね

分からないなら私と来るべきだよ」


夕陽が俺を抱きしめようとしてきた、そして⋯端末が震え通知音が響く


「あれもしかしてバレちゃったかな、それじゃあお姉ちゃん、次に会う時に答えを聞かせてね」


まるで夢だったかのように姿が薄れ消えた、でも夢じゃ無い確かに夕陽がいた生きていた

⋯⋯俺はどのくらい動かずにその場に座り込んでいたのだろう、あたりは暗くなってきていた、そして


「こんな所で何やってるの、意識はあるみたいね⋯⋯教団めやってくれたわね」


声が聞こえたので見てみるとアネラスさんがいた、何かを確認して1人で納得している


「やっと安定してきていたのに、カノンに報告⋯⋯その前に翔だっけ第4部隊にも連絡しないと

一体何と接触したのよ」


俺はそれに答えられずにいた⋯⋯言えない夕陽と接触したなんて、もし夕陽が教団幹部だと言ってしまったら完全に敵対したのと同じだ

いや、言わないのは皆を裏切ったのと変わらないのかも

分からないよ夕陽


「言えない、もしくは言いたくないのか

どちらでもいいけど今は帰るわ、蒼空も帰るわよ」


アネラスに手を引かれ立ち上がる、そのまま連れられ寮の自室に帰ってきたが俺はアネラスの顔を最後までまともに見ることが出来なかった

部屋には料理が用意されていたが今は食べる気にさえならず、そのままベッドに横になる⋯⋯考えが纏まらない俺なのか私なのかさえ曖昧になっていく

明日になれば隊室に行かなければならないが、翔さん達も騙すのか⋯翔さん達は俺の恩人なのに


────


次の日、俺は第4部隊の隊室のドアの前で中に入らず佇んでいた

そして


「何やってるのよ中にも入らずに、蒼空どうしたのよ」


「何がですか?どうもしてないと思うのですが」


「目の下に隈それに頭もボサボサよ、寝てないの?」


昨日は眠れなかったからその心配か夕陽の事じゃなくてよかった、気が付いたら朝になってたから確かに寝てない

夏向さんに心配かけちゃったな、このまま中に入ったら零さんと翔さんにも心配させちゃう


「中に入るわよ、話はそれから」


「あ⋯⋯」


有無を言わさず部屋の中に入れられた、零さんは申し訳なさそうな表情をしていたがどうしたのだろうか


「ごめんね蒼空ちゃん、私が昨日先に帰らなかったら蒼空ちゃんと教団員が接触することも無かったのに」


その事か俺としては良かった、何せ夕陽と零さんが接触しなかったのだ


「大丈夫ですよ、零さんが謝ることはありません」


「そうだよ零、そもそも僕も早く切り上げて蒼空さんの下に行くべきだった」


「私もね、昨日貴方達と行動するべきだったわ」


そうならなくて良かった、俺は皆と夕陽が争う所を見たくない

そして夏向さんが俺の後ろに立ち髪を梳かしてくれた


「何を隠そうとしているのか知らないけど、私達は貴女を一人するつもりはないわ

私達だけじゃなく全ての禍姫が貴女を守ろうとするわ」


「はは、勿論僕達アンカーもね」


そう言えば気になっていたのだ、何故他部隊さえ俺の事を気にするのか、聞いてみると


「だって、禍姫の中で蒼空ちゃんが1番の最年少つまりは末っ子みたいなものなんだよ、だから皆お姫様って蒼空ちゃんのの事を呼んでたんだよ?まあ見た目も可愛いし、実際に第4部隊に入るまで極秘扱いで誰も見たこと無かったて理由もあるけどね」


「零の言う事もあるけど、仲間が死ぬ経験もした事ある禍姫が多いわ、そんな中わかりやすく不安定な子がいたら皆気にするのよ、方法はともかくお人好しが多いからね」


優柔不断すぎるな俺は、そんな事を考え暗くなってきていた気持ちの中翔さんが話始めた


「ねえ蒼空、まだ作戦はしばらく無さそうだし行きたい所があるから一緒に行かない?勿論夏向と零も」


「行きたい所?何処よ」


「栃木エリアの直ぐ手前⋯⋯ぎりぎり群馬エリア内で蒼空が育ち禍姫となった場所だよ」


「なんで?翔さん何でそんな場所に今更?」


分からない、夕陽と会ってから分からないことしか無い

俺は何なんだ


「1つ気になる事があってね、確かに他エリアから禍獣が侵入する事は偶にあるんだよ、でもその時の被害者を調べたら蒼空の妹さんだけだった

他にも人や民家も合ったのにも関わらずにだよ」


何が言いたいのか分からない、だけどその続きを聞きたくなかった、夏向さんから離れ耳を塞ぐが聞こえてくる


「妹さんを襲ったのは禍獣による事故じゃなくて人災の可能性があるんだ、僕は真実を知るべきだと思う」


真実なんてない、生きてたそれが全て何だ


「それからもう1つ、これは蒼空に言うべきことか正直悩んだんだけどお願いだから聴いてほしい

妹さんのお墓から遺骨が盗まれてた、火葬も終えてきちんと埋葬された事までは確認が取れたんだけど、残ってた家族は蒼空だけ⋯蒼空は直ぐにここに連れてこられたその結果その後の事は誰にも解らない」


火葬も遺骨も知らない、生きてたならそんな事はしない

遺骨だって盗まれた訳じゃなく存在してないんだ、生きてる人の遺骨なんて有りはしない


「蒼空、僕は教団が」


俺は今まで黙っていたが声をあげる、聞きたくないのだ知りたくなんてない


「知りたくなんてない!生きてたそれでいいんだよ!俺はもうどうすればいいのかも解らないんだ」


そして部屋から飛び出す、後ろから夏向さんの声が聞こえるが立ち止まらない


「ちょっと生きてたってどういう事よ、それと俺って⋯⋯意外と足速いわね」


──メアside──


甘味を食べに侵入していたら御子を見つけてしまった、僕ちゃん様的には見なかった事にしたいがどうしようか

御子も僕ちゃん様に気が付いて⋯⋯逃げないな聞いてみるか


「1人で彷徨くとか不用心すぎない?連れ去ってくださいって言ってるみたいなものじゃん」


「⋯⋯⋯」


何も喋らない、しかも暗い表情がこの上なく暗い

仕方ないか、御子じゃなくて迷える子羊だとするなら告解を聞くのも役目だ

話を聞いてみるとびっくり今度は素直に全部話してくれた、警戒心ないのか?そして聞いた限りほぼ教団のせいじゃん、知ってたけどさ

いやステラと色欲⋯夕陽のせいだ僕ちゃん様悪くない

にしても馬鹿なのか?御子は、名前は蒼空とか言ってたっけ


「蒼空、これから僕ちゃん様が言う事を聞くことだね

いい?過去を勝手に探られ嫌な事をほじくり回されたら怒って当然なんだぜ?

まあ大体はステラが教団員を潜入させお前の精神や情緒を育てさせる事無く逆に退化させまくったのが原因でわからなくなってたかも知れないけどな、キヒヒヒヒ」


僕ちゃん様の言葉に蒼空は困惑していた、怒ることは悪いことだと表に出すべき感情ではないと

いや呆れるね、だから告げよう教団員では無く1人の聖職者として敵に塩を贈ろうではないか


「聞けよ蒼空、いいか?怒るのは悪いことじゃない⋯まあ場合によるけどね

でも今回の場合に限っては怒るのは正しい事さ、心が死んでなく生きてる証拠だからね

怒れよ君を狙い仲間を傷つける教団を理不尽を不条理をさ」


「何ですかそれ、自分で言うことですか?メアさん」


敵対者である僕ちゃん様にさん付けか、実の妹の葬儀に出れずにその後はほぼ誰とも会えなくて全てを管理された軟禁状態だった、だから蒼空は心を育てるどころか退化してしまったが、確かここらへんは色欲の担当だった筈だ

まあいいや、1つだけ助言を送ろうか


「1つだけ、色欲は嘘つきさ、信じるなよ?キヒヒ」


さて帰るとしよう、カノンや悠利に見つかる前に

それにしても色欲め僕ちゃん様が最も嫌いな手段を取りやがって、だから意趣返しとしてこれくらいはいいだろうさ

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