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目覚めたらピンク頭の屑ヒロインだった件~罰は醜怪騎士団長との婚約だそうです  作者: 灰銀猫


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23/73

事態は想定よりもずっと難解でした…

「セラフィーナ嬢の姿をした君はどこの誰?」


 王子からの問いかけに、私はヒュッと喉が鳴るのを感じた。まさかその事を聞かれるなんて思ってもいなかったからだ。その事は私とセラフィーナだけが知っている事の筈だ。聖那の身体とセラフィーナの人格がどうなっているのかはわからないが、少なくとも目の前の二人には関係ない筈…


(ど、どうしてその事を…)


 今きっと、私の顔は青ざめているのだろう…そんな事を思いながらも、私は何と答えるべきか、その答えが見つからずにいた。そうじゃないと言えば話は早い。でも…


(…私がセラフィーナじゃないと、知っている?)


 それはある意味、確定に近かったかもしれない。王子の問いかけには確証めいたモノが含まれているように感じたからだ。彼は…私がセラフィーナじゃないと確信した上でそう問うているように感じた。となれば…


(もしかして…最初からその為に?)


 呼ばれた理由は小説の流れと同様、王子が私に一目惚れして興味を持ったからだと思い込んでいた私は、それは大きな間違いだと気付いた。王子は夜会でも…最初から私がセラフィーナじゃないとわかった上で声をかけてきたのだ…どうして…何のために?


「ふふっ、そこまで驚かなくてもいいよ。ね、ディア」

「ええ、そうですわ。ここにいるのは私達だけですから」


 そう言われても、それを鵜呑みに出来る筈もない。二人の意図が全く読めなかったからだ。そもそも私がセラフィーナじゃないとして、二人にどんな関係があるのか…子爵令嬢なんて、王族と上位貴族のこの二人からしたら取るに足らない存在でしかないのだから…


「そう警戒しないで、フレデリク殿下。その身体の中にいるのは殿下なのでしょう?」

「…は?」

「もう隠さなくてもいいのですよ。長い間放っておいたことは謝罪いたします。でも、それも全て殿下の御ためと思ってしたのです。殿下に少しでも市井の者に興味を持って頂きたかったので」

「…は?…はぁああああ?!」


(ちょっと待った―!もしかしてこの二人…私を王子だと思っている?)


 目の前にいるフレデリク王子殿下の姿をした人は、私をその殿下だと呼んだ。と言う事は…それはつまり…


(うそぉ!私とセラフィーナだけじゃなく、王子まで入れ替わっちゃってるって言うのぉ…?!!)


 目の前の王子が私を王子と言う事は、そう言う事だ。まさかの三人シャッフルだったとは…!そんな事、誰が想像できるだろうか…!

 って事は何だ?目の前の王子の中の人はセラフィーナって事なの?てっきりセラフィーナと一対一だと思っていたのに…こんな事になっていようとは…複数人で入れ替わるなんて話、今まで聞いた事ないよ…


 一方。テンパる私を見ていた目の前の二人も、驚きの表情を浮かべていた。彼らにとって私の中にいるのは王子で確定だった、らしい…?ちょっと待って…思考が追い付かない…

 

「え?殿下じゃ…ありませんの?」

「そんな、まさか…じゃ、貴女は一体…」

「そ、それでは…殿下はどこに…」


 絶賛混乱中の私だったけれど、目の前の二人も同じ状況に陥ったようだ。顔を見合わせて呆然としているけれど、間違いなく二人は私が王子だと思い込んでいたし、むしろ確信を持っていた、みたいだ。もう訳わかんないんですけど…


(王子が行方不明って…でも、あれ…?)


 ちょっと待って!私は今、自分の中に芽生えた可能性に混乱して思考が止まってしまった。ちょっと整理する時間が欲しい…そう思うのだけど…


「ちょっと待ってくださいませ!」

「じゃ…貴方は一体どなたなのです?それに殿下は…」


 私の中身が王子じゃないと理解した二人は、焦りを隠しもせず揃って問い詰めてきたせいで、私は一瞬浮き上がった何かが霧散するのを感じた。何だろう、凄く大事な事じゃなかっただろうか…だが、二人はすっかりエキサイトしていて、テーブルを挟んでいるけど掴みかかられそうな勢いだ。


「わ、私は殿下じゃありません…!」

「…じゃ、貴女はどこのどなたなのです?」

「そうですわ。あなたが殿下じゃないとしたら…それに、そうよ!殿下はどこですの?!!」


 

最後はもう悲鳴のようだったけど…落ち着いてよ。殿下がどこかなんて私だって知らないわよ!そもそも王子が関係していたの、私は今知ったばかりなのよ?


「ちょ、ちょっと待ってください!まずは説明、説明が先です!いきなり問い詰められても困ります!」


説明が欲しい私は、不敬だと思いながらも二人のセリフを遮って説明を求めた。そうしなきゃ、話が先に進みそうになかったからだ。





 とりあえず二人を宥め落ち着かせた私は、説明を求めた。んだけど…状況は私の想像の斜め上どころか遥か彼方に向かっていた。


「…つまりは…殿下の中にはクローディア様が、クローディア様の中にはセラフィーナ様がいらっしゃると。そういう事でよろしいんですね?」

「ええ」

「そうです。そして…恐らく貴女の身体には殿下が…」


(なんて事だ!三人どころか四人シャッフルだったなんて…!)


 いや、まだ聖那の中にいるのが王子との確証がないから最低でも四人と言うだけだ…なんだ、その無茶苦茶面倒くさい展開は…どういうことだよ…!と悪態を付きたくなった私は間違っていないと思う。



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