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川淵の向こうへと  作者: リュウ・鮫島
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第1章  1日の始まり(1-1)


 その日の朝は数日続いた雨が嘘だったかのように、見事に晴れ

上がっていた。

ベッドから見える空も雲の欠片すら見あたらない。


(あれ? 何故だろう…窓が開いている、お母さんが開けたのかしら?)


 優香は寝返りをうち、ふと時計を見るとすでに朝とはよべない時間に

なっていた。

「いっけない! 今日は麻梨と買い物に行く約束があったんだ」


(今まで日曜日でもこんな時間まで寝てたことなんてなかったのにー)


 パジャマのまま急ぎ階下に下りていくと、キッチンから出てきた

母親にぶつかりそうになる。

「あ、お母さん、お早う」

「何言ってんの、ちっとも早くないわよ。今何時だと思ってんの?」

「分かってる、分かってる。え~と、タオル、タオルっと」

「優香、それよりあなた今朝方、上で何か音がしてたけど知ってる?」

「ううん、何時頃?」

「5時か6時頃だったかしら」

「完全に爆睡してたからなー。あ、そういえば私の部屋の窓が

開いてたけど」

「ちゃんと鍵掛けておかないからよ。泥棒が入ってきたらどうするの」


(鍵? 鍵って? 何だったかな…えーと、思い出せない…

鍵、鍵、鍵…)


「お母さん、鍵って言った?」

「優香、あなた人の話聞いてなかったでしょ!寝る前に窓に鍵を

掛けなさいって、いつもお父さんが言ってるのに」


(そうじゃない、何か分からないけれど記憶の奥底に引っ掛かるもの…

鍵…鍵…だめだ、思い出せない。でも何か大切な事だったような)


「優香ったら又、ぼおっとして。ねえ、優香どうしたの?」

「えっ? あっ! ヤバイ、麻梨と約束してんだった。お母さん、

続きは今度ね」

 慌てて顔を洗い部屋に戻って身支度を終えると、壁に貼られた

小さな額に声を掛けた。

「じゃあ、行ってくるね。お兄ちゃん」

 額に収められたその小さな写真には、仲良く手を繋いで笑っている

二人の子供の姿があった。


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