表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
23/25

十八話  「ケリーの策略」

十八話です

ちょっと実験的な改行にしています。

「」の区切りだけを改行。後は1行スペースを空ける方式で投稿しています



彼女等の幌馬車が、どうにか使える。遺体と生き残った山賊達をそちらに乗せ、アデルを御者マギーとカリンは山賊の監視につけ、ボク等の馬車はカリンを御者に、バイクはインベントリに収め、キャンプ地経由で町に帰る事にした


1日予定は早まったが、マギーは成変を向え、最後の戦いで其々レベルが1~2上がったから、目標達成で良いだろう。ボクは馬車の中で彼女達と話をする事にする。


「じゃ貴女達は、教会に送られるはずだったんだね」

「はい。死んだ方々は教会専属の斡旋の方々です。それで私達は姉妹ですけど、2人とも力に目覚めたモノですから…それを聴き付け来られたのです。家には他にも兄弟が居るモノですから、私達はあの方々と共に…」


教会に何故、回復魔法の術士が集まるのか!?どうして一般的に冒険者に術士が居無いのか!?その謎の一端が此処で判った事に成る。『斡旋』と名乗っているが、要は奴隷商と同じ人買いだ。ただ売り先が限定してるに過ぎない。今回、何らかの理由もしくは偶然に教会へ売買する前に襲われたと言う事だ。


町に到着し、ギルドへ報告すると慌しく動く。先日の誘拐事件がやっと落ち着きだした矢先の、新たな襲撃事件にギルドも頭を抱えていた。


「じゃ~とりあえず彼女達はボクの所で保護してましょう。宿の確認も既に取って部屋も用意できますから」

「そうしてくれると助かるわ~ジュンちゃん。このお礼はちゃんと形としてお返しするから期待して待っててね」


ボク的には大事件と思ってるけど、ケリーさんはいつもの軽い口調でボクに礼を言ってギルドの中へ入っていく。残されたボク等は彼女等と共に『風流』へ帰る事にした。


◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇


宿に着くと女将さんとトミさんが既に待ち構えて居る。言葉少なく保護した彼女達を抱きかかえ、宿の中へと消えるボク達。


人を落ち着かせのに有効なのは、美味しいご飯と温かい寝床それと温泉だ宿屋『風流』は、その全てを兼ね備えている。オマケに周囲は女ばかり。話に華が咲けば、傷つき怯えた2人も落ち着くと言う物である。(ボクは蚊帳の外だけど)


「そう~お姉さんがポエルさんで18歳。妹さんがリズさんで16歳なんだ遠慮しないで沢山食べてね。お替りは、いっぱい在りますよ」


相変わらず女性達の扱いが美味い女将にボクは頭が上がらない。彼女達の世話は基本的にトミさんに任せ、他の皆はフォローに廻る。接客のプロは、人の心を癒すのも手馴れたものだと感心させられた。


「まぁ~ですが、ジュン様は本当に色々と難儀を抱えるお人ですね」

「御免ね、女将さん。またひとつ厄介ごとを押し付けて悪いなって思ってます」

「あら嫌ですよ!惚れた人の為なら、どんな事でも惜しみません。でも、マギーちゃんも無事成変出来たし皆も十分に成長したんでしょ?」

「ええ。それは満足行く結果でしたね。まぁ~最後の戦闘は頂けませんが」

「そう。でも…あの娘達、どうなるのかしら」


今宵も女将ヘイゼルと共にお風呂に浸かるボク(あぁ~やっぱりこのオッパイを見ないと最近気が休まらないな~」


それから二日程時は過ぎるが、ギルドから何の音沙汰も無い。風流では臨時に増えた姉妹達とアデル達が仲良く時を過す時間が過ぎていく。


「ジュン様ギルドからお呼びで御座います。直に御出で下さいとのことです」


トキさんがギルドの使いをボクに知らせてくれた。アデルを連れてギルドに向うボク残りは風流でゆっくりと時を過してもらう事にした。


◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇


「…で、先方に話を通した結果なんだけど、後はジュンちゃんの考え次第ね」

「それは今回の件は、一般的な奴隷商強奪事件と同じ扱いなんですか?」

「そうね、言い方は『斡旋』て向うは言ってるけど、やってる事は奴隷商と同じ買いたい人が売りたい所から人を買い集めて、不特定な相手に売っていく。今回は、売り先が限定してる。ってだけで何も変わらないわ。あの娘達の両親に、支払ったお金も殺された『斡旋業者』が払ってるし。ソレを討伐したジュンちゃんに所有権が廻ってきた。ただそれだけよ」


先日、別れ際にケリーさんが言った『形あるお礼』とはこの事だ。回復術士が外に流れる事を嫌う教会。しかし中身は人身売買で集めた人員、表には知られたくない案件だから教会も強く出れない。と云う訳だ。


「う~ん確かにボクとしては喉から手が出るほど欲しい人材ですけど、彼女達の気持ちを尊重したいですね」

「貴女ってそう言うトコは淡白よね。で!相手側は、姉妹2人を渡してくれるなら、相応のお礼と代りに1人回復術士を寄越すって言ってるわ」

「なるほ…ど、どうしても、あの娘達のどっちか、もしくは2人がどうしても欲しいって事ですか。…どんな秘密が在るんでしょね?」


「そうとも言い切れんぞ。只単に人数確保かもしれん」


ケリーとボクが話をしているとGMギルド・マスターケビンさんが話しに加わった。


「それは、どう云う理由ですか?」

「うむ。教会の本部は東の国『アースランド』に在る。そして今アースランドはキナ臭い噂しか流れてこん。回復術士は1人でも多い方が良い。加えて姉妹、特に姉の方?どうやら秘めた力が強いらしい。だからだろう」

「戦争が近いって事ですか。益々ボクとしては2人を送り出せませんね。ボクのトコが安全って事は無いですが、戦争と成れば、先日怖い思いをしたばかりですからね」

「そうだな。お前のトコは。まだ魔物狩だし。お前の下に入れば成長も早いのだろ!?女だけのPTってのも、仲間としては安心出来るしな」

「ええ。結局は2人の意見次第ってトコですね。返事はいつまでに?」

「向うは今日にでもと言ってたが、まぁ~2、3日中に答えを出してくれ」



ボクは一旦、話を持ち帰り女将に相談する事にした。そして女将は大丈夫とボクに答えてくれる。何が大丈夫かは判らないが、この話を夕食後皆の前で話す事にした。


「…と言う事なんだ。ボクは2人の意見を尊重する。ポエルとリズの信仰心を妨げるツモリもないし、二人を追い払うツモリも無い。ボク達と一緒に居ても戦闘に参加することは間違いない。そう言う点では君達に選択の余地は無いけれど、だからこそ、ボクは君達の意見を尊重したい」


「私はおねえちゃんと一緒じゃないと嫌。此処は皆さん優しい。家では食べた事も無い美味しいご飯も有るから嬉しいわ」


妹リズは選択を姉に委ねた。ある意味ズルイ考えだが、それも仕方が無いだろう。そして、姉のポエルは迫られる形になってしまった。


「本当に、本当に私達がここに居ても宜しいのでしょうか?術士と言っても私達は見習い以下です。この先使い物になるか判りません。それでも邪魔になったりしませんか?」

「大丈夫よ。回復術士の術はレベルが上がれば、自然と能力と術の種類は増えるモノなの。特別教会が何かを施す訳では無いのよ。逆にジュン様の下に居れば早くにしてその芽を開花できると思うわ。現にアデルちゃんとマギーちゃんは6歳にして思春期体に成変したのよ。貴方達にもその加護は必ず起こるわ」


ヘイゼル女将の後押しで姉ポエルは決断する。


「お邪魔でないなら、情けを下さるなら、どうか私達を此処に置いて下さい」



十八話  「ケリーの策略」  完

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ