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12話  「特訓開始」

12話目です


アデルの時とは違いマギーとアインには、ボク達が付いている。それにマギーは

当面弓を使わせる予定だから、幼くてもそう危険は無いと思う


「お姉様。私も一日も早く成変したいです。それに弓にも早く慣れたいです

 ですから狩りに参加する事をお許し下さい」


館で共に過していたアデルの変貌振りに驚きと羨望のマギーは、

負けず嫌いの女の子の様だ。元々そのツモリだったから、快諾するとボクの体に

幼い身体を押し付けてきて喜びのポーズを示す。(う~んマギーが成長した姿

…ボクも早く拝みたいよ)

一方アインは、おっかなビックリでハルバートを振り回す…とても危険だ。


「落ち着いてアイン!良いかい最初の内は『振る』じゃなく『突く』にしなさい

 それと、チャンと目は開けて!当たらなくても良いからタイミングを

覚えるんだ!判った?」


「ハ、ハイ!め、目を振って槍を開く…ですね」

「・・・」


角兎でこのテンパリようじゃ~後が無い。だけど…アインにも慣れてもらうしか

道はないとボクは考え、彼女を無理にでも狩りに参加させる


「アイン…少しだけ、アデルから右に離れようか。大丈夫!ソコに角兎は

 行かせないから、安心して。…そうそう!そこでタイミングを計るんだ」


違った意味でしんどい。当然ボクやアデルは、此処で幾ら狩りをしても経験には

繋がらない。それでも、ヘイゼルさんの宿にお肉を卸す分シッカリ狩りは続ける


午前中は4人で狩をし、今日も女将の手作り弁当を食べ午後からは

アデルとボクは交互にソロで狩をする


「う~ん。旋棒で硬皮猪と向き合うのは勇気が居るな~。

 ソレに比べて…アデルは、1人で大赤猪倒すまで成長したか…負けられない」


主人の威厳と中身が男子の意地がある。秘かにアデルに闘志を燃やすボク

…考えて見れば、相手はまだまだ中身は幼い6歳の女の子。投資を燃やす事

事態がどうかと思う。


「お姉様。初日としては、十分な成果ではないでしょうか!?

 大鼠が30匹。角兎が25匹。硬皮猪が20匹。大赤猪が3頭。

何より白兎が4羽も狩れたのは大成果でしたね」


白兎はそこそこ数は居る。ただ、感が良すぎて狩が難しいのだ。


「うん。アデルとマギーのお蔭だ。白兎の毛皮はヘルマンさんの製作にモモ肉は

 ロジンさんが喜ぶぞ。少しは家の改修費を稼げたかもね」


成果に満足するアデル。まだまだヤル気のマギー。もう…限界のアインそして

誰も怪我をしなかったとホッとするボク。皆思い思いの心を秘め、今日の狩りを

終える事にした。


「お、お疲れ様でちた」


精根尽き果てたアイン。一番弱腰だけど、お姉さんの彼女は最後に礼を言って

腰を下ろした。

(いま!噛んだね。…ボク聞き逃さなかったよアイン。君は見た目と裏腹に

 可愛いね。うんうん。良く頑張った。後で一緒にお風呂で癒そうね)


「このまま風流へ帰りますか?」


「う~んそうしたいトコなんだけど、女将が夕時の鐘が鳴ってから帰って

 おいで!って釘刺されたんだよね~。ヘルマンさんの店で休ませて貰おうか」


4人揃ってヘルマンの店に行き素材を全て買い取ってもらう。占めて1万£

ついでに鎧や武器の手入れを習い、店先で4人並んで手入れを始めた。すると

そこへギルド職員のケリーさんが顔を出した。


「あ~ジュンちゃん居た!いや~探したよ。あー喉渇いた。ソレ貰うね!」


肩で息するケリーさんに呑みかけのお茶を奪われ間接チュー。ちょっとタイプな

お姉さん。人妻だから尚萌える。人知れず少し顔を赤く染める頃ケリーさんが

用件を伝えてきた。


「昨日話した件だけど、悪いけど明日朝ギルドに顔出してくれるかな!?

 ジュンちゃんにどうしてもお願いしたい事有ってね」


「ええ。それは構いませんよ。どうします?皆揃って伺いますか?」


「あ~う~…そうだな~うん。そうだね皆にも関係する事だし

 じゃ悪いけど、明日。待ってるね!」


そう言って、ケリーさんは帰り。ボク等も鐘が鳴ったので風流に向う事にした


今日も女将がボク等を迎える。約束通り鐘の音が鳴ってから宿に帰ると

女中さん達は、他の客の夕食の仕度でテンテコマイだ。部屋に帰ろうとすれば

女将に呼び止められ、彼女の部屋に勧められた。


部屋にはテーブルいっぱいの料理が所狭しと並んである。


「あれ?これいつもと違いますね。でも…この匂いは美味しい香りです」

アデルが気付くと、何故かガックシと肩を落とす女将の姿がある。


「あ~やっぱりアデルちゃんには、バレちゃうか。結構盛り付けロジンさんを

 真似たツモリだったんですけどね~」

「そろそろ、宿の味も飽きた頃ではと思いまして、今宵は私が皆のお夜食

 作りました。ロジンさんのお墨付きは頂いてますから、

安心してお上がり下さい。ささ。席について!」


時間を遅らせて帰ったサプライズは、女将の手料理だった。

アデル達は大喜び。当然ボクも嬉しい。久し振りの『家族団らん』を味わった

気分に浸れる夜で、疲れが取れた気持ちに成れる。女将と共に楽しい夕食を

済ませ、5人で仲良く一緒に露天風呂。


「私…こんな思いが出来るなんて幸せです」

「猫人族は…核家族が基本ですし…」

「お姉さまに買われてから人生が変りました」

「ジュン様♪」

「・・・」

そろぞれの思いを胸に身体と共に心も湯で温める夜でした。


何故か部屋に女将まで着いてきて寝所を共にしたのかは深く考えないボクが居た。



十二話 「特訓開始」  完

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