第二部 第五話
「あの、アチアチカップルのアニサキスさん。話は終わりましたか? 」
そうおどおどとしてパウルさんが俺達の背後にいつの間にか立っていた。
「いや、その名前はっ! 」
俺が動揺して叫ぶ。
まさか、あからさまにこんな所で言うと思わなかった。
さらに、なぜ、俺だがアチアチカップルのアニサキスだと知っているのか?
「いや、今から頼んで来ますからって私が説明して、その後に私が会って話していたら誰がアチアチカップルのアニサキスか分かりますよね。名指しの指名だし」
そうスキルコミニュケーターも持ってないはずのアリアーネ嬢が俺の気持を察して呆れた顔をした。
「いや、あんたが誰かをばらしたのも当然の話じゃないですか? 」
「だから、サポーター制度の監督役のルッテン伯爵家の息子さんなのですから」
糞、何が何でもルッテン伯爵に媚が売りたいのかっ。
「いや、まだ……私は受けるとは……」
「受けてくださるそうです」
そうアリアーネ嬢がパウルさんにそう微笑んだ。
「ちょっ! 」
「受けてもらうしかないんですよ」
そうアリアーネ嬢が冷やかに言い切る。
いや、本当に最悪だな。
こんなのパワハラやんけ。
「すいませんね」
パウルさんがそう頭をかいて前の席に座った。
それもアリアーネ嬢の隣にである。
アリアーネ嬢の巨乳をちらちら見ている。
あ、こりゃ駄目だ。
下半身が元気な御方だったんだ。
そう思った。
そしたら、またしてもスキルコミニュケーターを持ってるのか、しっという感じで自分の口元にひとさし指をやってアリアーネ嬢が黙るように俺に指図をさっとする。
余計な事は言わないようにという警告だ。
いや、そこまで心を読むか?
「実はですね……」
「<ラピスラズリ>のどちらかと付き合ってたのに、付き合っていないもう一人の方のメンバーにも手を出してしまったと……そう言う話ですよね」
俺が先回りしてパウルさんに突っ込んだ。
「おおおおおおおおおおっ! 流石に愛を裁く人と言われるだけはある! 」
そうパウルさんが激しく感動していなさる。
誰がどう考えても、それしかないだろうに。
「で、どちらの方が先に付き合ってたんですか? 」
「ロザンネです。ロザンネとは同じ幼馴染で我が父のルッテン伯爵も可愛がってた事もあって将来を約束した仲でした」
そうはパウルが焦燥感にかられた顔で呟いた。
つまり、ルッテン伯爵が公認してた婚約者だったんだ。
そう言えばロザンネのムーレンハルト家は同じ貴族の子爵家にあったな。
そこの娘さんという事か。
「それで、もう一人のアンナさんについ手を出しちゃったわけですね」
そう俺が聞くとパウルさんは深くうなずいた。
「そうなんです。実はそれとなく誘うような行動は私に昔からしてたんですが……」
「……つまり、内緒で良いからとか、私は別に貴方達の仲に割って入るつもりは無いからと言ったわけですね」
「な、何故、分かるんですかっ! 」
パウルが凄い驚いた。
いや、ありがちだろうに。
横でアリアーネ嬢が顰めた顔を一瞬した。
俺と同意見なのだろう。
「はっきり言いますよ。つまり、アンナさんが巨乳な訳ですね」
そう俺がテーブルの上で手を合わせて目をキラリとさせて聞いた。
「な、なぜ! なぜ、それがっ! 分かるんですかぁぁぁ! 」
パウルさんが絶叫した。
いや、さっきからチラチラとアリアーネ嬢の胸を見てるし。
アリアーネ嬢もルッテン伯爵の問題があるので同席しろとでも言われてるのか、嫌々パウルさんの横に座っていた。
時間間違えてました。
すいません。




