「◎すいたい」衰退しちゃった高校野球。堕ちた名門野球部を甲子園まで

風が止まった日――タイチの野球は完全に止まった。

行き場を失ったタイチを引き取ったのは、
じいちゃんの古い友人 源 頼和 。
彼が監督を務める学校・**煌桜学園（こうおう）**は、
かつては名門だったが、野球衰退の影響で
“たった数人の弱小チーム”へと落ちぶれていた。

「……九人いないと、野球はできない」

そこで出会ったのは、
不器用で優しい捕手・九品寺ユーリ、
寡黙で熱いエース候補・リュウジ、
空気を読む天才ショート先輩、
マイペースな三輪ヒロ――
どこか欠けていて、でも温かい仲間たち。

タイチは彼らと出会い、
失ったはずの“風”を少しずつ取り戻していく。

だが、練習試合で立ちはだかったのは、
強豪 神威岬高校。
そこでマウンドに立つのは、
かつての幼なじみ レン だった。

「タイチ、お前はあの頃から変わってねぇのか？」

再会と衝突。
才能と絶望。
仲間との絆と、取り返したい過去。

崩れかけたチームが、
“もう一度、野球を好きになる”物語。

これは、孤独だった少年が
仲間と出会い、風を取り戻し、
甲子園へ続く道を歩き出すまでの物語――。