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そこは深い森を眼下に臨む
中世ヨーロッパな城の一室
昼なお暗い部屋を覆いつくす
巨大な鏡を前に
気付けば私は立ち尽くしていた
「…だからぁ森の白雪姫のが可愛いっつぅのぉ」
けだるく鏡が答えている
鏡が喋ってるって事はココってファンタジーだよね
つか感じファンタジーよりメルヘン?
シラユキヒメ?
いやそれよりもだ
「なんじゃこりゃあっ!?」
この鏡に映る女は誰だ私だ
胸もデカいし腰も括れてる
顔もトコトン美しいのに滲み出るこの性悪オーラ
完璧だ
完璧な悪役美魔女―――
「令嬢つっただろがー!」
どう見ても白雪姫の継母王妃じゃん!
しかも白雪姫が森にいるって
既に城追い出してSATSU-GAI始めるとこじゃん!
考えろ考えるんだ
「ねえ鏡ちゃん、相談があるんだけど」
「あ?猫撫で声出されてもぉアンタがいっちゃん美しいってゼッテェ言わないしぃ?」
「割るぞオラ」
「なんでしょうかお妃様」
「とりあえず白雪姫呼び戻せないかなぁテヘペロ」
「オバサン死語って知ってるぅ?しかも使い方間違ってるしぃ」
「どうしても割られたいんだな」
「そもそも追い出したのお妃様であらせられますですわ。ワイルド系イケメン狩人に心臓持って来させてたじゃあんですわよ。スッゲ引いてたなぁあのイケメェン」
鏡ちゃん尊敬語謙譲語系メタメタだな…は良いとして
既にイケメン1人フラグ折ってたんかーじゃない私ワイルド系好物だったのに~でもない
SATSU-GAIイベントその1既に消化してんじゃん!
「てかぁ万一白雪姫生きてた時用とかで毒リンゴを試作してぇ、まさに今!手に持ってるじゃないですかヤダー」
「ああっ?!いつの間にか毒々しい赤リンゴ持ってるぅ!」
取り返しつかねーじゃねーかコノヤロー!
「もぅ白雪姫ヤっちゃったらぁ?」
「SATSU-GAIダメ絶対!私はハッピーエンド派なの!」
ただし『私』のハッピーエンドだがな!
「まぁこのままでもぉ白雪姫も7人のイケメンと逆ハーレム状態だからぁいんじゃね?ですわよ王妃様」
「思い出したように無理な丁寧語付けなくても良いよもぅ…てか7人のイケメン?小人じゃないの?」
「ナマ足、学ラン、アラ還、デブ専、胸毛にハゲにケモナーとよりどりみどりですわよ」
「なんか全部わかんないんですけど」
「足の露出度がたか~い、学ラン着てるぅ、御歳60前後ぉ、デブ好きぃ、胸毛が濃ゆ~い、後はハゲと半獣人」
「一部を除きマイナー過ぎて羨ましくなさ過ぎっていうか」
「そもそも全員心は乙女ですからねぇ」
「へっ!?」
あんまりだろその逆ハー!
「白雪姫を助けに行きましょう!」
「いきなり正義に目覚めたわねぇですわよ王妃様」
いや可哀想過ぎるだろソレ!ママ(継)助けに行っちゃうよ!




