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唐突かつ不意に最悪の結果が断続的に連続し、爆散し拡散した俺は集合し収束した  作者: 木兎太郎
霧島 可憐(きりしま かれん)
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第五十二話


 一瞬ホッとしたの束の間、レントの視界には次の未来が映り始めていた。


 そして次に自分が何をやるべきなのか、彼は判断し始めていた。恐らくここで霧島可憐を守るのは、サルバとアイシャで十分だろう。もうじき他の冒険者たちも駆けつけるはず、ならレントがやるべきことは敵の本丸にたどり着き、黒幕を捉えることだ。


 以上の思考を脳内に巡らし、レントは突如真剣な表情で虚空を見つめ始める。


「万里雄!悪いんだけど、可憐ちゃんは頼んだ。俺は敵の本丸を叩いてくるから!」


「え!?ちょっとレント!待ってよ!」


 万里雄はそのセリフに驚き、レントの方を見る。


「じゃ、また後で会おう!すぐに帰ってくる!」


「いや、ど、どういうこと?」


 明らかに虚空に立っているだけであるレントを、万里雄は唖然としながら眺める。


 しかし事態は進行し続けている。


 レントが視線を万里雄から外した瞬間、彼の正面に再びゲートが現れた。レントが立っている真横にドンピシャで、まるであたかも知っていたかのように。


 トラックがそこから現れた瞬間、後退するようにレントはそのゲートに入っていってしまった。


 全員がそれを目撃していたが、もはやレントはそこにはいない。


 すると後方の敵を全て片付けたサルバが三人に合流した。


「あれ?レントは?」


「それが…その…敵が現れるゲートにそのまま入って行っちゃたんだ。」


 万里雄がその方向を見ながら唖然としている。


「そんな芸当が?まぁ確かにトラックを破壊すればできないこともないけど…。」


 サルバが周囲を確認する。先ほどレントが入っていったゲートから現れたトラックの荷台から、次々に敵が降りてきていた。


「とりあえずレントは後で救出するとして、こっちはこっちで可憐ちゃんを守らないと。」


 サルバが構える。流石にサルバの名前と顔は知られているのか、彼がこちらに合流しただけで敵意の動きは明らかに鈍っていた。


 ●


 レントはゲートをくぐり、そのままゲートの向こう側へと無事到達していた。


「ふぅ…作戦成功…かな。」


「だ、誰だお前は!!!」


 ゲートの向こうには驚きながらも構えをとるジェットヘルメットたちが立っている。


 すぐに魔導銃の照準をレントに合わせ、発砲しようとする。


 すぐに幾重もの未来を確認したレントは、銃弾の弾道を全て読み切り、そのまま敵のいる方へと駆けだし始めた。


 その様子に一瞬だけ焦った様子があったものの、直ぐに敵は全員目が覚めたようにトリガーを引いた。ズドドドッという音と共に、サブマシンガンタイプの魔導中から魔力弾が発射された。


 しかしまるでその弾丸がレントを避けているのか如く、彼には一切当たらない。レントはそのまま魔力弾の軌道を見ながら敵部隊まで到達。


 すぐに銃撃戦ができる距離ではなくなった。


 敵の数は全員で五名ほど、先ほどよりも少ない。先ほどまでのトラック四台で、ほとんどの部隊を使い果たしていたのだろう。


 そのまま格闘術で敵兵五人を一瞬して無力化した。先ほどと同じようにジェットヘルメットをぶつけ合わせれば、それはさほど難しくない。


 ようやく敵兵が全ていなくなり、レントは周囲を確認する時間を手に入れた。


「ふぅ…本丸はあそこかな。」


 そこにはやけに大きな屋敷が見える。


 当初の予想通り、金を持て余した愚かな者が可憐を狙っていたようだ。


 トラックはもうないが、タイヤの跡が残っている。ここから奴らがあられたのは明白なようだった。


 どうもゲートを開けていたのはマグらしく、それが地面に落ちていた。


 黒い球体であるそれはスイッチが付いており、レントでなければ恐らく起動することができただろう。相も変わらず魔法が使えない彼には、起動することすらできない。


「万里雄がいればな…。ま、仕方ないか…一人でやるしかない。」


 レントはそのまま屋敷へと向かった。

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