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絶滅俯瞰  作者: 遒�。�
第二章 絢爛王都ディアデム
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第三十三話 自己紹介

 フォリンの"これから"について大枠が決まったところで、彼女はテントの外へと出された。ボルスとキーロフは、引き続き話し合いをするのだという。フォリンが外に出ると、テント脇に立っていた人影がすぐさま動きを見せた。先程顔を合わせたコーエン青年だ。彼は気の抜けた笑顔のまま、フォリンへと歩み寄る。


「話は終わったみたいだねぇ」


 そんな一言と共に差し出された飲み物からは、甘い香りがした。フォリンの知らない、茶色の液体だった。温かく、湯気が上っているそれ。礼を述べ、早速口を付けてみると、匂いの通り甘い味がする。


隊長たいちょー副隊長ふくたいちょーの話、どうだった? 副隊長ふくたいちょーは怖いけど、隊長たいちょーは優しかったでしょ」


 飲み物を口にするフォリンを眺めながら、コーエン青年が言う。フォリンは甘い液体を嚥下してから、それに答えた。


「お二人共色々と気を遣って下さってました。ボルスさんは確かに優しかったですけど……副隊長さんは、慎重な方なんだと思います」


 フォリンの回答に、コーエンはひゅう、と口笛を吹き、そして笑った。


「フォリンちゃん、見る目あるぅ」


 にまにまと、嬉しそうな笑みを浮かべるコーエン青年。彼は副隊長ふくたいちょーへの賛辞を、自分のことのように喜んでいるようだった。


「大人でも怖がって逃げ出す人が多いんだけど。凄いねー、君」


 細めた目でつぅ、と顔を撫でる視線がくすぐったい。フォリンが照れ笑いを浮かべると、コーエン青年が「あ、そういえば」と唐突に、しかしぼんやりと声をあげた。


「すっかり忘れてた。俺、まだ自己紹介してなかったねぇ」


 コーエン青年はへらりと笑うと、ピッと背筋を伸ばした。今まで気が付かなかったが、彼はかなり背が高いらしい。改まった姿は、中々どうして様になる。


「俺の名前はアルフレッド・コーエン。アルフでいいよ、よろしくね」


 言いながら、コーエン青年ことアルフは手を差し出した。その行為が握手であると気が付くまで、フォリンには少し時間が必要だったらしい。少女がようやく手を差し出すと、アルフはまたへらりと笑ってみせた。

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