第10話 新たな可能性
俺は家に帰りステータスの派生スキルを何度も確認する。
派生スキル 識想 Lv1
???
「いや、???って…スキル名すら教えてくれないのかよ!」
「派生スキルの条件を満たしたんなら普通取得じゃないの?」
俺は頭の中に響く謎の声にツッコむが返事は何もない。
どうやら会話のキャッチボールは苦手らしい。
(やれやれ、検証して探るしかないな。)
俺は庭に出て思いつくことを試す。
(ティアを救いたいという強い想いに反応したなら…)
「岩よ浮け!」
何も起きない。
「風よ吹け!」
何も起きない。
「花よ咲き乱れろ!」
何も起きない。
「ダメだ…。」
とぼとぼ家に入る。
「何か悩み事?」
エレナが心配そうに声をかけてくれる。
「何でもないよ!ちょっと庭で転けそうになっただけ!」
俺は咄嗟にごまかす。
「あら、怪我をしないように気をつけてね。」
細かいところに気がつくエレナ。母親には敵わないな。
「ちょっと出かけてくるねー!」
次は願いを試そう。
もし本当に願いが力になるとするならーー
俺の願いはティアを救うこと!
今日も浮かない顔で木の枝を振っている。
魔法使いへの憧れを捨てきれないように…
ティアに気付かれないよう木陰から見守る。
(ティアが笑顔になりますように。)
(ティアが魔法を使えますように。)
強い願いを込めるが何も起こらない。
日が暮れてきたので家へ帰る。
その日の夜。
横になりながらティアのことを考える。
どうすれば…
すると
『願いだけでは届かない。』
いつもの声が頭に響く。
(返事遅っ!そしてヒントくれるのかよ!)
…願いだけじゃない。
(じゃあ何が足りない?)
第10話 終




