Ep 17
「これより、第103回セントノリア学園入学式を始める。学園長式辞」
壇上に、ご年配だけども威厳のある人が立った。
「皆の者、入学おめでとう。君たちは、我が校の試験を通った優秀な者たちである。ここに身分の差はない。皆の者仲良く学友と生活を送ってほしい。先生の中には平民から貴族となる者、または学者になった者もおる。この学園で勉学に励んで国の中枢を担うような者たちになってほしいと私は願っている。我が校は全寮制である。家族とのひと時の別れは悲しいとは思うがそれもまた皆を成長させることだろう。以上をもって、式辞とする」
「続きまして、入学生代表式辞。入学生代表セフィナ・エル・カストレア」
「はい‼︎この春麗らかな日々の中、この学園に皆さんと入学できとことを心から嬉しく思います。私は、皆さんよりも一歳下でありまだまだ分からないことも多数ありますが仲良くしてもらえると嬉しいです。ですが、これからこの学園で皆さんと勉学に励みたいと思います。先生方も、優秀な先生ばかりで中でも魔法伯であるワルツレッド・ルビー先生もご在籍であることから大変充実した環境の下で学べることに感謝しこれからの生活を送ろうと思います。以上をもって、式辞とします」
…………あ〜〜〜〜‼︎‼︎緊張しました〜!入学生代表は、その年の試験の首席の人が演説するなんか聞いてないよ〜。ルーちゃん先生が首席になったって言ったときニヤニヤしてたのはこう言うことだったんだね。あとで、愚痴を聞いてもらわなければ許せません‼︎
「おい…ファミリーネームがあるってことはあいつ貴族か?」
「なんでお貴族様がこの学園に?」
「俺たち、平民を嘲笑いに来たのか?」
「ここに身分の差はないって言ってたよな…いっちょやるか」
「そうだな…お貴族様にはたっぷり俺たちの気持ちをわかってもらわないと」
これから起きる問題について、この時のセフィナは知る由もなかった。




