Ep15
あれから、ルーちゃん先生の下で錬金術や魔法を教えてもらいながらお手伝いをする日々が続いていった。
「セナちゃん、それ取って〜」
「はい、ルーちゃん先生」
最近は結構ルーちゃん先生と一緒にいることが多く、家に帰らない日もチラホラあります。
「セナちゃん、そろそろ1回家に帰ったら〜?お父さん心配してるみたいよ?」
「そうですね、この研究が終わったら帰ろうと思います」
今やっている研究は、火魔法と風魔法を組み合わせた前世で言うドライヤーの魔道具を作っています。ですが、火の魔法陣の調整が難しくて今のままだと火力が高すぎて頭が炎上しちゃいます。
「ここの調整が難しくて、ルーちゃん先生ここってどう組み替えたらいいですか?」
「あー、それはね。魔法陣のここの部分とここの部分を入れ替えて変動値を248から132に変更するといいんじゃないかな」
こう言う感じで、すぐにわからないことを聞ける環境が居心地がよくて離れたくないんですよね〜。
「ここをこう手直しして…………できた〜‼︎」
「おぉ、おめでとう。やっとできたね」
「これも全部ルーちゃん先生のおかげです」
「じゃー、それを持ってお父さんのところに1回帰ろうね」
そうして、私はルーちゃん先生に諭されながら家に帰った。
「「セフィナ、おかえり」」
「お父様、お母様、ただいま戻りました」
「最近、セフィナと過ごすことが減って父さん悲しいよ」
「ごめんなさい、お父様。研究に没頭し過ぎました」
「それは大丈夫だ。セフィナ、研究の成果をお父さんに見せてくれないか?」
「わかりました。これが私の研究の成果です」
そう言って、先ほど完成した魔道具ドライヤーを渡した。
「セフィナ、これはの何の魔道具だい?」
「それは、髪を乾かす道具です。今までは、髪が濡れても拭いて生乾き状態なので朝起きると髪の毛がボサボサですけど、この魔道具を使えば髪を乾かせるので朝起きても綺麗な状態を保てます」
「ほう、それは便利だな。アリス今日使ってみてくれ」
「セフィナちゃん、今日使わせてもらうわね」
「ぜひ使ってください、お母様」
こうして、カストレア家でドライヤーが瞬く間に流行りました。




