ゴヒまでの旅路!?
アヤカの為に頑張ります!!
翌日。
「ダメです。彩奈ちゃんはここに居なさい!!」
ままにツサマに行きたいと言ったらそんな返事が…
娘の将来の事なのに…
「なんで?」
「もっと彩奈ちゃんと一緒に居たいから!!」
「ワタシもままやアヤカやアヤネと一緒に居たいよ!!でも…アヤカの為に何かしてあげたいの!!その為にツサマに行ってきたいの!!ままと同じくらいアヤカとアヤネが大事なの!!」
「でも…それなら騎士団を動かしても…」
「それぢゃぁダメだよ!!家族の事なんだから家族で解決しなきゃ!!」
「確かにそぉよねぇ…」
「ワタシなら一人でも任務遂行可能!!ままは許可を出した功績で更にアヤカに好かれるんだよ!!」
「そぉだけど…」
よし、後一押しだ!!
「ダメなんて言うなら…ままの事嫌いになるかも…」
少し涙目にして…ままを…
「イヤぁ!!彩奈ちゃん!!嫌わないでぇ!!許可するからぁ!!」
予想以上に効いたな…引くぞ!?
「うん!!許可してくれたままは大好きだよ!!」
ワタシはままに抱き着いた。
次はアヤカだな…ちゃんと名前聞かなきゃ!!
「…で、そのキーブス伯爵の次男の名前は?」
「…えっ!?バルコー様ですよ?」
「よし!!おねぇちゃんに任せときなさい!!」
そのままワタシは城を飛び出した!!
目指すはツサマ地方南下してく感じだ。世界地図見せられた時はビックリしたけど、南の方が寒いみたい。南半球だからね…って、太陽がある方が北なんだよね?ややこしいなぁ…
馬車乗り場ではツサマ行きは無く、ゴヒまでだ…ゴヒから乗り換えで良いや!!
って事でゴヒまでの馬車に乗り込む。
そんなに待たされずに、
「ゴヒ行きの馬車はもぉ出ますよぉ〜!!」
って御者さんが叫んでいる。
乗ってるのはワタシを含めて五人だけ、親子っぽい二人組と男の二人組…ハンターかな?少しして、
「ではゴヒ行き、出発します。ゴヒまでは三日を予定してます。」
って言って出発した。
ワタシの一人旅が幕を開けたんだけど…お弁当持ってたかな?
何か適当にあるヤツ食べれば良いか。
「ねぇ、お嬢さん、オレ達と同じ馬車で良かったなぁ。何かあっても守ってあげるぜ!!オレはブレット、コイツはバレット、似た名前で意気投合して二人でハンターしてるんだ!!良かったら名前聞かせてくれる?」
軽そぉな男が声をかけて来た。うっとぉしいなぁ…
「ぢゃぁ、何かあって、ちゃんと守ってくれたら教えてあげる。」
いきなり不機嫌にされたよ…居るんだねぇこんなヤツ等…
「おい、止めとけよ、あの娘不機嫌になったぢゃねぇか。」
「最初はそんなモンなんだよ。」
男ってどこでも一緒なんだなぁ…こんな閉鎖空間でナンパとかホントヤダ… ロマンスグレーのナイスミドルからなら良いのに…
って思ってたら…
ん?前方に…狼さんが群れてる?
「御者さん!!死にたく無かったら停めて!!」
「どぉしたお嬢ちゃん!?」
「前に狼の群れが居るよ!!」
「なに!?」
御者さんは慌てて馬車を停めた。
「お嬢ちゃん?ホントか!?嘘だったら…」
「うおぉ〜ん!!」
「ひっ!?」
狼さんの遠吠えに女の子が悲鳴を上げた。
「本当みてぇだな…なんで解った?」
「コッチが風下だから…血の匂いでね。」
「コッチに来るかなぁ?」
「気付かないなら大丈夫かも…風向きが変わらない事を祈りましょ。」
って話してたら…
「オレ達に任せときな!!狼くれぇ朝飯前だ!!」
「止めといた方が良いと思うわよ?」
「へっ、お嬢さん達はそこに居な!!」
ブレットとバレットが前方に駆け出した。
「あ〜あ…行っちゃった…」
そぉ言いながらワタシは馬車の前に出て魔法の準備をする。飛剣、真空斬だ。
ワタシはあの二人は失敗すると踏んでいる。
暫くすると、
「おんお〜ん!!」
って狼さんの声が響いて来る。
「どわぁ〜〜〜!!」
「逃げろぉ〜〜〜!!」
って、あの二人が狼さんを引き連れてコッチに帰って来る。
それだけならいざ知らず、そのままワタシ達を避けて走り去る…
コイツ等アホか?馬車がそんな早く引き返せるワケ無いだろ?
案の定ただ単にワタシ達に押し付けただけの形だ。
ちゃっ!!
ワタシは居合いの構えを取った。
狼さんの先頭がワタシから十メートルくらいに来た時、茜ちゃんを振り抜く!!
真空の刃が飛び、狼さんの手足を切り飛ばす!!
「きゃわわん!!」
「くわん!!」
狼の悲鳴が上がりつんのめり倒れ伏す。その瞬間、ワタシは走り、狼さん達の首筋を斬って行く。
血抜きなんだけど、致命傷でもある。失血死狙いだ。首を斬り落としたりすると変な暴れ方したりするから、こっちのが安全に死なせられるんだよね。
完全に沈黙してから魔法の袋に入れて行く。
全ての作業が終わった頃、馬車が来る。
「へぇ…人は見かけに因らないとは云うけど、ここまで見かけに因らないのも珍しいな…」
「そんな事無いよ。御者さんでもこの位は簡単に出来てたでしょ?」
「さて、どぉだろね…」
「そぉぢゃ無きゃ護衛も無しに乗合馬車とか遠出は無理だよ。」
「はっ、敵わねぇなぁ…」
「獲物横取りしてごめんね。」
「良いよ。そんなのは帰りにまた取れるからな。」
そんな話をしながらワタシは馬車に乗り込んだ。
「おねぇちゃんすごいね!!」
女の子が興奮して話しかけて来た。
「コレでも一応ハンターしてるからね。」
「いや、オレ達だけだったら食べられてたよ…」
パパさんらしき人もそぉ言って来た。
「そんな事にはならなかったでしょぉね。」
「何故そぉ思うんです?」
「二人共、慌ててる感じが無かったからですよ。多分二人ならあのくらい鼻歌混じりでやれてるでしょぉ?」
ワタシの言葉に警戒感が出て来ている。
「安心して下さい。それ以上詮索はしませんよ。」
「そぉですか…」
「おねぇちゃん、ありがとう。」
「いえいえ、ワタシも詮索されたく無い人種ですから、普通の親子とハンターって事でお願いします。」
「解りました。」
パパさんらしき人もなんとか納得してくれた。ったく只者だったのはあの二人だけだったって事か…あの二人は生きてるかな?
「あの二人は口だけでしたな。」
「まぁ、普通のハンターなら一匹ずつなら大丈夫だったでしょぉし、それに、普通の狼さんならなんとかなったんでしょぉけどね。」
「なるほど、貴女は狼の群れとしか言って無かったですからね。」
「あぁ…そぉですね。彼等には悪い事したかな?」
「魔獣同士の喰い合いにちょっかい出したんですから自業自得でしょう。」
ワタシ達が通った道に喰い千切られたうさぎさんのバラバラ死体があった。ほっとけば腹一杯になってコッチにはちょっかいかけて来なかったろぉに…
「貴女の魅力に当てられての先走りだったんでしょう…」
「自分の美貌がコワいわ…」
「おねぇちゃん綺麗だもんね!!」
「わぁ!!嬉しい事言ってくれるわねぇ!!」
つい、女の子を抱き締めて頬擦りしてしまった。
その後は特に何事も無くゴヒに着いた。
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