甘やかしたがり!?
カノンさんはどぉなる!?
カノンさんを引っ張り、お城の王族居住区に入って、テラス?っぽい所に出た。
ワタシはままにかかえられている。離してはくれない様子だな。その上にアヤネが座っている。親亀、子亀、孫亀か!?
そして、カノンさんはまだ茫然自失状態だ。
「お姉様、此方の方が手紙にあった専属の方ですか?」
「その予定なんだけど…まだ戻って来て無いか…」
「早く慣れて貰わないと、仕事になりませんわよ?」
ままが困った風に言っている。なら、ワタシを解放してよね。
「カノンさん、戻って来て!!」
声をかけてもまだ動かない…通したもんか…思案してるとアヤカが動いた。
「早く戻って来ないとお姉様が泣きますよ!!」
「ちょっ!?アヤカ!?何言ってるの!?」
「まだ戻って来ませんね。」
「そんなので戻られてもイヤなんだけど?」
等と言ってる間に、自然と戻って来た…
「あれ?ここは?」
「王城のテラスですよ。」
ままが答えた。
「ひゃ!?じょ…じょ…女王陛下!?」
云うや否や、カノンさんはその場で見事な土下座を披露した。
「ははぁ!!」
「カノンさん、貴女は何も悪い事をして無いのだから立って下さいな。」
「は、はいぃ!!」
すっと立ち上がり直立不動になる。
「お姉様?まさかこの方に御自身のお立場は説明されて無いのでは無いですか?」
「してないよ、その方が面白そぉな気がしたから。」
「はぁ…そんな悪戯はなさらない様にお願いします。」
「うにゃ!?叱られた!?」
「当然です!!そんな悪戯は心臓に悪いですから!!」
「はい、気を付けます。」
ここは素直に謝ろぉ…アヤカ…なんか厳しいぞ?
「その辺は紋次郎さんそっくりなのね。」
ままは嬉しそぉにしている。ぱぱに色々されてたのかな?ワタシもいきなり煙玉喰らってたもんなぁ…
「カノンさん、黙っててごめんなさい。少しでも長く友人として接していて欲しかったんです。」
「は…はい、アヤナちゃ…姫のお気持ち察してございまする!!」
あ…緊張で変な言葉になってる…
「カノンさん、彩奈は一般人としてコレまで育っています。アヤカやアヤネの様に産まれた時から王族として意識していた娘達と違い、王族としての態度や言葉遣い、マナーと云ったモノが備わっておりません、その手助けをお願いしますね。」
「は、はい!!かしこまりましてました!!」
まだ緊張が抜けてないか…
「ワタシは今まで通り接して欲しいんだけど…」
「お姉様、それはダメですよ。ソレでは王族として示しが付きませんから!!」
「う…はい。」
アヤカめ、厳し過ぎるぞ!?
「あの、何故アヤナ姫は一般人として育ったのでしょう?」
「それはね、秘密なんだよ。好奇心猫を殺すってヤツだよ。」
「ひっ!?」
ワタシが答えたらあからさまに怯えている。そりゃ異世界に居ましたとはなかなか言えないもんね。
「彩奈ちゃん、お友達なんでしょ?そんな脅しはダメですよ。カノンさん、世の中には知らない方が良い事が沢山有るんですのよ。」
「はい!!」
「まま…それ逆効果なんぢゃ…」
カノンさんはいつお漏らししてもおかしく無い状態だ…
ちりんちりん
ままがハンドベルを鳴らすと外に居たメイドさんが出て来た。
「お呼びですか?」
一礼してから訪ねて来た。
「其方のお嬢さんが今日から彩奈のメイドとなります。しっかり教育して下さいね。」
「畏まりました。」
メイドさんは一礼してカノンさんを文字通り引っ張って行った。カノンさん大丈夫かな?
「さて、彩奈ちゃん、コレから王族として過ごして貰いたいんだけど…ハンターは続けたいのかな?」
「続けて良いの!?」
「そぉね、息抜き程度なら良いわよ。」
「お母様!!お姉様に甘く無いですか!?」
「アヤカ、彩奈ちゃんは貴女と違い、その運動量が根本から違うのですよ?身体を動かさないと病気になる位に、コレは彩奈ちゃんの健康の為必要な処置なのです。解りますね?」
「確かにお姉様はかなり強かったですけど…それほどなのですか?」
「それ程なのです。毎日していた事が全部出来なくなると心に大きな負担となるのです。騎士達の稽古に参加するのも良いでしょうけど、基礎から違うでしょうし…」
「それもやりたい!!騎士さん達とも稽古したいよ!!」
「解りました。王女としての立ち居振る舞いが出来て、言葉遣いもしっかりしたら許可します。」
「うにゅ…頑張ります。」
「良く出来ました。」
何故か頭を撫でられる。
なるほど、ワタシに少々甘いな…アヤカがヤキモチを妬く位には…是正させなくては…
「まま、降ろしてくれないかな?」
「あら?おトイレ?」
「イヤ。なんか抱っこされてるのが恥ずかしいから…」
「そんな事有りませんよ。十四年間分甘やかしたいのですから。」
「お母様!!お姉様ももぉ十五歳なのですよ!!世間では立派な大人です。多少は目を瞑りますが、お姉様の言う通り、程々にして上げて下さい!!」
「アヤカ!?反抗期なのかしら?」
「違うと思うよ?ままがワタシを甘やかし過ぎてるから…そぉよね?」
「そぉです!!」
「だから降ろして…ね?」
ままは名残惜しそぉにワタシを離した。ワタシはアヤネをままに預けてアヤカの隣に移動して、アヤカの手を取るとアヤカも握り返して来た。アヤカも甘えたかったんだね。
翌日からワタシはスパルタな王女様修行が始まり、毎晩アヤカに甘える生活になった。
カノンさんも多分スパルタなメイド修行なんだろぉなぁ…
ままはアヤネを甘やかしまくってるらしい…ワタシの身代わりなのかな!?ワタシみたいな甘えん坊になったらどぉするんだ!?
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