お約束いらないから!?
二つ同時進行は頭がこんがらがります…
クフカオ地方の旅路は順調に進んでいた。
襲撃も狼さん達だけ、多分アレはタマタマの偶然だったのだろぉ…
「あのダスティンさんって信用出来そうで安心したよ。」
「お姉様が言うなら大丈夫でしょうね。」
「何か必要以上に警戒してるっぽいけど…気になるのはそこだけかな?」
「必要以上に…ですか?」
「うん、小さな違和感だけど…なんか引っかかるんだよね…考え過ぎかもだけど…」
「考え過ぎならソレに越した事は無いですね。」
地図と経過時間を鑑みるとそろそろクンゼチ辺りかな?なんか兵士さん達の警戒が強まってるんだけど…
ワタシは馬車の天井に出て辺りを俯瞰するんだけど…平和な街道なだけだ。
少しして、お馬さんを休ませる為の休憩に入った。丁度良い、ダスティンさんと話してみるか…
「あの、ダスティンさん。」
「ん?どぉかしましたかな?」
「必要以上に警戒してるみたいですけど、何かあるんですか!?」
「んな!?さ、流石ハンターですね。他人の警戒とかまで解るんですね。」
「何となくですけど…」
「アヤナ殿は猛超犯党って犯罪組織を知ってるかな?」
一瞬、知らないと言いそぉになり、はたと思い当たる。
「二ヶ月ちょっと前にノコヤミで起きた女性の誘拐事件の?」
「あぁ、ソレだ、ソレの真相は、ウジリア・タキリー男爵の失墜を狙っての、政治的な事件だったんだ…」
「ダレそれ?」
「えっ!?ノコヤミの…って云うかケタタ地方の領主様だけど?」
「ええぇ〜!?おぢさまってそんな名前だったんだ!!」
驚くのはココで間違いないだろぉ!!
「って、知らなかったのかい!?」
「うん…」
「えと…ソレで、誘拐事件が解決して、焦った誰かさんが、姫の殺害を画策した…まぁ、第二案として最初から仕組まれてて、護衛だったヤツ等も猛超犯党の連中だったって寸法だ、姫の旅で事件が有り、解決出来て無ければ糾弾されたり、言い掛かりを護衛達がする予定だったらしいけど、誰かが解決しちゃったから、真相がバレて、死なば諸共って姫を狙うアホが居ないか…って所さ。」
なるほど…アホを警戒してるのか…アホには常識が通じないからね。
「ソレであれだけ警戒してたのね。」
「そぉ云う事だよ。」
「で…ワタシを子供扱いする?」
「オレも命は惜しいタイプだよ。」
「ん?どゆこと?」
「キミと敵対は無いって事だよ。」
「なら良いわ。」
そぉ言い残しアヤカの下に戻る。
「何を話されていたのですか?」
「ワタシを口説くヤツが出ない様にお願いしてたのよ。」
ウインクしながら笑顔で答えた。
出発する時間になって、ワタシは馬車の天井に乗り、そのまま発車して貰う。
暫く行くと数台の馬車が止まっている。
多分お約束なんだろぉなぁ…
「止まって!!」
ワタシは叫びまわりを注意して見てみる。
やっぱりお約束だったわ…
「ダスティンさん!!敵襲よ!!」
「なに!?何処からだ!?」
「前の馬車と林側!!」
ワタシの声が聞こえたのか林側は隠れる事を諦め出て来る。
何人居るんだろ?かなり多いけど大丈夫かなぁ?
林側は雑魚だろぉからほっといても後ろの兵士さん達がやっつけてくれるだろぉけど…前のはヤバいのが居そぉ…
まずは雑魚だ頭数減らさなきゃね!!喰らえ!!デコピン式空気圧縮手裏剣!!なんちて。
ビシビシビシビシビシビシビシビシっ!!
「うぎゃぁ!!」「いてぇ!!」「ぬがぁ!!」
いっぱい悲鳴が上がる。足を痛めりゃ動けないだろ!?
多分十人は動けなくしたよ!!
魔法を身に付けてから新しく作った技だ!!
雑魚相手に練習出来たのは良かったよ。
後は前のヤツかな?
ワタシは先頭に出ると、片膝立ちになり、茜ちゃんを居合い斬りに抜いた!!
敵の先頭は五メートルくらい離れているがワタシの居合いには関係無い!!
射程は二十メートルくらいあるんだから!!
「どあぁ〜!!」「わぁ〜!!足が足があぁ〜!!」
よし!!この技は、[飛剣、真空斬]!!って呼ぼう!!なんかワタシもファンタジー忍者になって来た!?
「おいおいおい!!何してんだテメェ等はよぉ!?ガキ相手にほぼ全滅かよ!?」
「やっぱ雑魚は雑魚ですよねぇ…」
何やら四人、コレぞお約束な感じで出て来たぞ?
「カッコ付けた登場とか要らないから消えてくんないかなぁ!?」
思わず思った事が口から出てしまった!!
林側からも四人やたらとカッコ付けたヤツ等が…女も混じってやがる。
「元気の良い小娘は嫌いぢゃ無いが…オイタが過ぎたなぁ…オレは…」
「自己紹介とか要らないから消えてくんないかなぁ?」
「んな!?こぉ云う場面は普通名乗るだろぉが!?」
「どぉせただの時間稼ぎぢゃん!?とっととヤられるか消えるかしてよ!!コッチは急いでんだから!!」
言いながら左手でデコピン式空気圧縮手裏剣を横から来たヤツ等に速達で贈ってあげた。
「あぎゃぁ〜!!」
しっかり当たったみたいで後方の兵士さん達が取り押さえた。
「様式美って言葉知ってるかい?」
「ワタシはそんなの知らないから!!」
ダスティンさんのツッコミは聞かない!!
はぁ…と溜息を吐き、
「取り押さえろ!!」
ダスティンさんの号令で首領格のヤツ等は兵士さん達にあっさりと制圧されて捕縛された。
「貴様等!!卑怯だぞ!!」
首領格のオッサンが喚いている。
「大人数で待ち伏せとかしてるヤツ等に卑怯者呼ばわりとかされたく無いんですけど?」
ゴミを見る目で見ながら言ってあげた。サービスし過ぎかなぁ?
「ダスティン様!!コイツ等、猛超犯党の四天王と三羽烏です!!」
「何!?ぢゃぁ…コイツは?」
「首領の…」
「は…猛超犯党壊滅か?」
「その様で…」
「こんなあっさりと制圧とか…逆に焦るんだが…」
あ…なんか解るわぁ…
捕まえた八人は何やら首輪を嵌められているけど…まさかねぇ…
「その首輪って?」
「嵌めると魔法が使えなくなる、封魔の首輪だよ。」
やっぱりかぁ〜!!ココでもお約束大爆発かぁ〜!!
ん?まだ何か話してるっぽいけど…どぉしたのかな?
「なぁアヤナ殿、コイツ等の捕縛はほぼキミの手柄なんだが…キミの功績を公表しても良いか?」
「やめてください。めいわくです。それよりはやくいきましょぉ。おやくそくはいりません。」
ワタシは頭をかかえながら馬車に戻った。
猛超犯党壊滅後は何も事件は無くその日の夕暮れに王都に入った。
馬車の乗り降りで暗殺とかありそぉだからとワタシとアヤカは変装して入れ替わった。
ワタシも今夜は王城に泊まる様に言われていた。明日の午前中女王様と王様に謁見するらしい。
馬車を降りて王城に入るまでがお仕事だな。
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