お使いですか!?
一気に進め!!
翌日以降、このくるくるを力強くする様に言われた。ココまでくれば自主練習も許可され、アヤカと二人で競って強くなる様にする。
ながらくるくるをしていたおかげで、風によりお掃除が出来るまでになった!!庭の落ち葉拾いなどお手の物です。
家の中でも掃除し難い隅々までゴミを吸い上げまるで何処かの掃除機の様ですね…
許可取って無いからメーカー名は出せませんが…察しろ!!
そんなワタシだが…やはりハイヒールには苦労させられていたりする。
足を下ろす角度が悪いと躓きの原因だもん。
十センチの高さでも、他の人と比べたらまだ小さい方なんです、ハイヒールを履いて無いメイド長さんなんかハイヒールを履いたワタシより十センチも大きいから、余計に威圧感を感じる…
こっちに来てからの最大の敵、メイド長さん!!
勝てる気が全くしません。
おぢさまにこっそり聞いたけど…おぢさまも勝てないそぉな。
メイド長さんまぢおっかねぇ!!ガクブル!!
そんなこんなで約一ヶ月、ワタシもハイヒールに慣れました!!
ダンスしても転びません!!
剣術でもハイヒールのまま門番さんに勝ちました。この国の歴史もそこそこ暗記しました。
二人で並んでいるとどっちがどっちか解らないとまで言われる様になりました。
ガサツな所が結構あったワタシだけどこの一ヶ月で矯正されたみたい…
鬼のメイド長さん効果なのは間違い無い。
何故ならば、メイド長さんに、
「何処に出しても恥ずかしくない程度には仕上がった。」
らしいので。
後は言葉遣いなんだけど…コレは一発でメイド長さんも舌を巻いた。
普段と全く違う喋り方だが、忍者の末裔の娘だ、そのくらいは身に付いている。えっへん!!
後は小さな仕草の一つ一つまでトレースして、成り切る必要がある。
ずっと遠目に見られてるからなぁ…どんなロリコンだ!?って思ってだけど…護衛かはたまた敵さんか!?
ワタシの風は、応用がかなり効き、攻撃や防御、果ては目眩しにケガの治療と幅広い。
本来治療は光り、水、の性質で発現するらしいのだが、簡単な治療なら可能なんだとか…簡単なってのはどの程度なんだ!?
まぁ、ソレは良いとして、瞬時に簡単な風の刃とかを出せる様にもなり、魔法に関しても一定以上の成果を出す事が出来た。
魔法対決と云う企画がある、ワタシは相手のスカートめくり、アヤカはスカートを重くして耐えるってアホな企画。
みんなの見てる前で、リンカさんのスカートをめくってあげた。アヤカと相談しての悪戯だ!!
リンカさんは綺麗なお尻をみんなに披露して、何か少し泣いていた。
異性の誰にも見せた事が無かったそうでかなりのショックを受けており、ワタシ達はメイド長さんにお説教をくらい、リンカさんに二人して土下座な謝罪をした。
この世界では、女性のお尻とか見せても良いのは旦那さんだけでそれ以外から見られるのは、生娘では無いとまで云われるそぉな…乙女の純潔、恐るべし価値感の違い。
唯一の救いは、リンカさんが求婚された事だろぉか?本人も満更ぢゃ無い様子だから良いのかな?お相手は執事さんの息子さんだ。お互い、前から意識はしていたらしいのだが、中々進展せず、周りがヤキモキしていた所にスカートめくり騒動、今動かないでいつ動く!!って執事さんの息子さんが動いて…って、ワタシが恋のキューピッド!?
まぁソレは置いといて…
ワタシがハイヒールのままって状態に慣れてしまってメイド長さんから皆伝を貰えたのは予想外だ。
そんな中、ワタシとアヤカは村の中を歩いていた、単なるお使いなんだが…周りからどぉ見られるかの、大事な実験だ。
可愛い双子として見られる事が大半だった。
途中ハンター組合に寄る事も有り、組合内に入ったら、アイリーさんには通じず、ワタシとアヤカは一瞬で見分けられた。
「彩奈ちゃん久しぶりぃ!!」
って抱き締められるわ、抱っこされるわ、頬擦りされるわ、大変だった。
「アレ?身長伸びたよね?」
って言われるのでスカートをたくし上げハイヒールを見せると、羨ましがられた。
何でもハイヒール等は大金持ちや、お貴族さまくらいしか履けないらしい。
そして、ワタシの義理だが、姉だとアヤカに紹介したら、アヤカも一瞬で受け入れ、「アイリーお姉様」と呼んでいる。王女様にそんな風に呼ばれるとかどんな気分だろ?
組合を後にし、二人で手を握り合い、お使いを終わらせていたのだが、最後の一軒…何でここ何だ!?
ジューク・シーダの鍛冶屋…こんなカッコオッサンに笑われるだろ!?
まぁ良い、入ってみるか…
「こんにちはぁ〜!!」
「はぁい!!」
ミリーさんお久しぶり!!
って思っても何か引いてるんだが…どったの!?
「本日はどんな御用でしょうか?」
「ミリーさん!?いつもと対応違わ無い?ワタシだよ?彩奈だよ!?」
「えっ!?アヤナさん!?でも身長伸び過ぎだし、双子だし、服も何か違うし…」
あ、混乱してるよ…
「まぁ、色々あって…領主のおぢさまのお使いで来たんだけど…」
「そ…そぉなんだ…領主様のお使いなんだ…ふぅ〜ん。お父さん!!お客様だよぉ〜!!」
ミリーさんのいきなりの大声にびっくりした。
「ん〜!?今日は領主様の使いが来るからその後になるぞ!?」
「オッチャン久しぶり!!」
「お姉様、言葉遣いが!!」
「このオッチャンは良いのよ。」
焦るアヤカに説明?する。
「何だアヤナか!?」
「そだよ。」
「今日はどぉした?」
「領主のおぢさまのお使いだよ。」
「お前が来るとは聞いて無かったが?」
「でも、ホントだよ。」
「で、隣は?」
「領主のおぢさまのトコに一緒に居るアヤカって云うの。」
ワタシの紹介にカーテシーでアヤカが挨拶した。
「初めまして、シャーキュー・アヤカと申します。」
「おぉ、よろしくなお嬢ちゃん!!」
ニカっと笑ってアヤカの頭を撫でるオッチャン…不敬罪になりかねんぞ!?
「王女様にそれはダメでしょ?」
ギギギギギ…
オッチャンは錆びた扉の様にぎこちない動きでワタシを見遣り、
「お・お・じょ・さ・ま!?」
目が点になりながら聞いて来た。
ワタシは首肯した。
その瞬間弾かれた様に父娘揃って平伏して、
「ははぁ!!大変申し訳ございません!!」
って…オッチャンらしからぬ態度だ。
「公の場では無いのでお気になさら無いで下さい、それより、男爵閣下のお荷物を、お願いします。」
「ははぁ!!」
オッチャンは更に頭を下げてから奥から二振りの剣を持って来た。
「アヤナのサイズに合わせた、細身の直剣二振り、領主様の注文通り用意してございます。」
ワタシは抜いて見たが…茜に負けず劣らずの逸品だ!!
「オッチャン…やっぱりスゴいな…」
「そんなにスゴいのですか?」
「そこいらの剣なんか太刀打ち出来ない感じがするよ…」
「流石アヤナだな、剣の善し悪しを一目で見抜くとは…ま、その二振りが注文の品だ、持ってけ。」
「うん、ありがとう、オッチャン!!」
「ありがとうございます。」
アヤカに頭を下げられ、慌てて平伏するオッチャン…珍しいモンが見られたよ。
ソレから何軒か寄ってお屋敷に戻った。
ワタシに気づく人も居たが、双子として対応された。
お使いは大成功だったのかな?
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