門番さんを躱せるのか!?
コッチは風呂敷が広がらない様に気を付けます。
無事お使いから返って、全てのモノをおぢさまに渡す。
「アヤナ、御苦労だったな。」
「懐かしい顔にも会えて、ついでに洗濯屋さんに預けてたモノも引き取れましたからワタシにしたら良かったですよ。アヤカも庶民の暮らしぶりが見れて良かったと思いますよ。」
「それなら良かったが…不穏な動きとか無かったか?」
「ワタシ達は見張られてるだけでしたよ?仕掛けて来る気配も無かったし、村も平和そのモノでしたね。」
「しっかり見る所は観てたか、流石だな。」
「褒めるならベッドに呼んでくれるのが一番なんですけど?」
「ばっ、バカな事を言うな、前にも言ったが…」
「はいはい、少女趣味と言われると立場が…とか言うんでしょ?」
「解っているなら冗談でもだなぁ…」
「だったら執事さんに教えて貰おうかなぁ?」
「アレは愛妻にしか興味を示さんぞ?」
「したらダメぢゃん!?」
「お前の趣味も解らんな…」
「どこがよ!?大人な男の人の魅力がワタシの心を掴んで離さないのよ!!」
「お前から見たらじじぃ手前だろぉが?」
「そぉなんだけど…ソコが良いの!!」
「微妙なお年頃なんだな。」
「そんな感じなのかなぁ?」
「そんな感じだ、ほら、今日は姫様と居てくれ。」
「はぁい。」
その後、その日は翌日までアヤカと遊びまくった。
風と重力…魔法で遊ぶって…メイド長さんにこっ酷く叱られましたよ…被害は何も無かったのに…
翌日の剣術と体術の稽古の時、門番さんに剣を渡された。
柄頭の色だけ違う細身の直剣、昨日オッチャンの所で貰ったヤツだ。
「コレはお館様からの贈り物です。お二人に手紙がありますよ。」
門番さんに渡された手紙を読んでみた。
『アヤナには必要ないかも知れないが、姫様の身代わりになるのに必要不可欠だから貰っていて欲しい。
公式の場での帯剣用にでもしてくれれば贈った甲斐があるので、ワシと思って持っていて欲しい。
願わくば少しでもアヤナの役に立つ事を。』
何コレ!?立場があるからベッドに呼べない代わりの愛の形って事!?
一生持っとく!!
アヤカの方は…あんまり詮索しちゃダメだよね?
「折角なので、今日の素振りはその剣を使ってみましょうか?」
「えっ!?」
「この剣をですか!?」
「はい。いざと云う時にすぐに使える様にと筋力強力ですね。」
「儀礼用みたいに手紙にありましたが?」
「まぁ、儀礼用にしては実戦に耐え得る出来栄えの様ですが?」
「そりゃぁ、ワタシの茜を作った鍛冶師の作品ですから。」
「そぉなんだね。なら鞘に納めっぱなしなんか、剣に失礼だから、使いませんとな!!」
「まぁ、素振りくらいなら…」
ワタシのは柄頭が薄い赤、アヤカのは薄い青、ソコしか見分けが出来ない。
剣を抜き構えてみる。これまでの木剣と多少違うな…
アヤカも構えた、前は木剣すら持てなかったのにしっかりと構えられている。
素振りをした後、これまで学んだ技も試してみる。
何故か二人から拍手を貰った。
なんで?
「お姉様綺麗です!!」
「演舞としてもしっかりしてるし、実戦でも通用しそうですな。」
「指導が上手いですからね。」
「そ、そぉかなぁ?」
何を照れてるの?
ワタシは貴方には何も無いのですが?
「姫様もかなり上達してきましたね。」
「はい!!お姉様と云う目標がありますから!!」
「身近に目標があるのは上達の近道ですからね。」
「はい!!頑張ります!!」
おぉ〜アヤカは頑張り屋さんだなぁ…
後で頭なでなでしてあげなきゃね。
そんなこんなで門番さんの色目を華麗にスルーしながら稽古を終える。
あの門番さんはどぉにかしなくては…ストーカーされかねん!!
どぉしよぉ…恋愛相談…そぉだ!!メイド長さんが良いかも!!
翌日の朝の授業中にいきなり持ち掛けた。
「メイド長さん!!相談があります!!」
「そんな時は役職では無く名前で呼ぶのが礼儀ですよ。」
「えっ!?ワタシ、メイド長さんの名前知りませんけど…」
「あれ?名乗ってませんでしたか?」
「はい、ワタシも聞きそびれてました。」
「ほほほ、こぉ云うのを【魔獣も罠に掛かる】と云うのですね。」
有るんだ…猿も木から落ちる的な言い方…
「ワタシは彩奈と言います。貴女は?」
「はい、アヤナさん、私はメリダと云います。以後宜しくお願いします。」
がっちり握手した。何だこの件は!?
「…と云うワケで…何と云うか…その…」
「良く有る事ですね。」
「その方のお歳は?」
「三十手前くらいかと…」
「半分くらいの娘さんにお熱とか…男としてどぉなんでしょ…」
あ…呆れてる…
「それならば、アヤナさんの好きな殿方はどんな方ですの?」
「そぉですね…このお屋敷の中ですとおぢさまや執事さんですね!!」
「…な.なかなかに渋い趣味ですのね…」
「ぱぱくらいの歳の人に惹かれてしまって…」
「お父上の事はお好きですの?」
「大好きです!!」
ワタシの勢いに少し引かれてるかもだけど気にしない!!
「だったら簡単です。そのくらいの男性に口説かれる方法を聞いてみなさいな。自ずと諦めてくれますよ。」
「なるほど!!盲点でした!!流石メリダ様です!!よっ!!女の鑑!!」
「ほほほほほ、当然ですわ!!」
あ、少しのけぞってる…なんか新鮮だな…
「よし!!アヤナさん!!今から行きますわよ!!」
「今からですか!?」
「淑女たるモノ殿方の躱し方もマナーの一つですのよ?」
「おぉ〜!!…って、少し面白がってませんか!?」
「な!?何の事やら!?」
あ…目が個人メドレーしてる…
でもしっかりマナーの一つとしてみてるのは本当っぽいから…ま、いっか。
そしてワタシ達は、例の門番さんのトコに来て話をする事にした。
「あの…少し良いでしょうか?」
この誘い文句や話し方等もマナーの実戦らしい…
「ん?改まってどぉしたのかな?」
「あの…ワタシ、気になる殿方が居りまして…」
俯きつつ話し、相手の顔色を伺う。
なんだ!?照れた様な表情しとる!?
「そ、その気になる人とは?」
「少々歳上の方でして、子供扱いされないか心配でして…」
「な、なるほど、ソレは気になりますな。」
「門番さんはどぉ思われますか?」
「貴女なら大丈夫でしょう!!私は成人していれば問題無いと思いますぞ!!」
うわ…頬染めるなこのコワモテが!!
あ…メリダさんが頷いとる!?トドメを刺せってか!?よし!!
「ありがとう御座います。今からその方に話して来ます!!」
ワタシは笑顔で門番さんに手を振った。
「アレで大丈夫でしょうか?」
「バッチリですわよ。アレで更にってなったらまた相談なさい。」
「上手くいったかとか聞かれたらどぉしましょぉか?」
「歳が離れてるから暫く経ってからって約束して貰った。みたいに言えば良いのですわ。」
「なるほど!!流石淑女の中の淑女!!」
「そんなに褒めても何も出ないですよ。」
何かメイド長さんと少し仲良くなれた気がした出来事だった。
その日の門番さんの剣術、体術の稽古は覇気がなさ過ぎたのはワタシとは関係無いよね?
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