慣れるかな!?
ハイヒールって履き心地どぉなんだろ?
ダンス…ソレは優雅で、華麗で、見惚れるモノ…なんだけど…こんなん履いてたら尻餅着くのが上手くなるだけだよね…
アザが出来たらおぢさまに引かれ…まず見られないから…
ぱんぱん!!
柏手の音が鳴る。
「はい、ダンスはコレまでです。次は魔法のお時間ですね?張り切っていきましょう!!決してソレは脱がない様に!!良いですね?」
「は…はい…」
ワタシは力無く返事をする。何この足枷?
普通に歩くだけでも転びそぉなんですけどぉ!?
庭に出る。既にアヤカとリンカさんが待ち構えていた。
「お姉様?歩き方がいつもと違いますが、如何致しましたか?」
「こんなの履かされてね…」
ワタシはスカートを少したくし上げて、ハイヒールを見せた。
「まぁ、お姉様はしたない!!」
「いやいや、足元見てよ!!」
「ハイヒール?ソレが何か?」
「こんな履いた事も無いモノ履かされてたら歩き方も変になるわよ!!」
「履いた事が無いのですか!?」
「更にこのカカトの高さ!!」
「はぁ…」
「拷問と変わらないわよ!!」
「そぉなんですか?」
何か温度差が大きい…
「私は普段から履いているのでそんな風に思った事が…」
「…そぉなんですか?」
「普通に走るくらいは出来ますよ?」
「そぉなんだ…」
育ちの違いが出て来たなぁ…
「ワタシは立ってるだけでも足が震えてるんだけどなぁ…」
「その内慣れますよ!!」
「なら良いけど…」
「はいはい、アヤナ様もお席に着いて下さいな。」
「はい…」
さぁコレから魔法の練習だぞ!!
「先ずは昨日のおさらいですよ。両手を出して下さい。」
「はい。」
右手のほんわかを身体を巡り相手に戻す。
今日は一瞬だ。
「はい、良いですよ。素晴らしく早い成長ですね。次は昨日倒れた事をします。」
心臓から身体を巡り心臓に戻る血液を…
「出来ました!!」
「では、それを胸に集めて下さい。」
「んぐぐ…」
コレは意外と難しいゾ?
「これも早くても五日程掛かりますから、何度も倒れるつもりでやって下さいね?」
にゃろ!!恐ろしい事をサラっと言いやがった!!
堰き止めてやる!!止まれ!!止まれ止まれ止まれ!!
「おぉ…!!素晴らしくです!!もう止まりそうですよ!?」
まぢか!?何の感覚も解んないぞ!?
「そうそう、その調子です!!」
こんなんでいいの!?あれ?胸が熱くなって…
「あ…暴走しそう…アヤナ様!!手を上に上げて下さい!!」
手を上に!?
ワタシは左手を空に向けた。
「そのまま胸に集めたあったかいモノを手から放出してください!!」
左手に集まれ!!そんで空に打ち上がれ!!
そのまま数十秒くらいか?左手が熱くなって来た…そのまま空に打ち上がれ!!
あ…手からあったかいのが抜けて行く…
その時の感覚は脱力感…燃え尽きた感じがする…
「ふいぃ…」
「お姉様大丈夫ですか!?」
「何とかね。」
「ふぅ…安心しました。」
「ん?安心?」
「下手をしたら貴方は身体が爆発していた可能性が…」
「はぁ!?爆発!?」
「体内に溜まった魔法力が暴走して身体がぼん!!ってなる事があります。」
「そんな危ないの!?」
「でもそこまで行くのに三日はかかるんですが…」
「イヤイヤ…すぐでしたよ?」
「アヤナ様の呑み込みが早過ぎるのですわ。」
「お姉様はスゴいです!!私は全て出来るまでに二十日を要しましたから!!」
「二十日でも充分早いですよ。姫様」
「てへへ、天才とか言われましたがお姉様程では無かったですよ。」
「ほえぇ〜、二十日かぁ…」
「アヤナ様の場合はもう後数日で基礎は終わりそうですけどね。」
「まだ後数日…」
「数日ってスゴいですよお姉様!!」
「えっ!?そぉなの?」
「最短で十五日で基礎が終わった記録がありますが…軽く塗り替えるでしょね。」
「お姉様スゴいですよ!!」
「まぁ、ワタシも大人ですからね。」
「?アヤナ様はお幾つで?」
「十五だけど!?」
「え〜!?その見た目で十五ですか!?十二、三くらいと思ってました。」
「どぉせワタシは成長不良児ですよ!!」
唇を尖らせそっぽを向く。
「そんな所が幼く見えるんですけどね…」
「どぉせ大事に育てられた甘えん坊ですよ!!」
更にほっぺを膨らませる。
「「かわいい〜!!」」
左右からアヤカとリンカさんに抱き締められた。
何で仔猫みたいに可愛がられる?納得出来ないんですけど!?
その日の魔法授業はもぉ一回暴発手前まで行って終わった。
「くれぐれも私の居ない所で練習しないで下さいね!?」
念を押されてしまった。
言われなくてもしませんよ…
お昼ご飯が終わってからは走り込みと筋トレと柔軟体操だ。
全部で一時間程なんだけど…この履き物では流石にキツい、何度転びかけたか…
それでも何とかやり遂げた!!ワタシエラい!!
アヤカもちゃんと筋トレも柔軟体操もしっかり出来た。アヤカもエラいよ。
疲れてるワタシ達の前に剣術と体術の講師である門番さんが来た。
「さぁ張り切っていきましょう!!」
ニカって微笑む…特にワタシに向かって…
勘違いさせたワタシのバカ!!
晩御飯まで細身直剣の基礎だった…
その日はワタシも疲れ果てた。特に履き物のせいだけど、ふくらはぎがぱんぱんだ。
ちゃんとお風呂でマッサージしなきゃ…
晩御飯何とかマナーで及第点を貰ったから何とか味わえた、何これ?めっちゃ美味しいんですけど!?
思わずガっ付きかけたが、何とか思いとどまった。後ろからの重圧が急に増したからだ。
こえぇ〜!!メイド長さんまぢこえぇ〜。
その後ハイヒールの感想を、おぢさまに聞かれて弱音を吐きそうになったのは秘密だ。
お風呂ではメイド長さんにお小言を貰いながら全身洗われ、マッサージまでしてもらえた。
何この思いやり!?完璧なレディなんですけど!?
いつか勝てる様になってやる!!
何か設定上で質問等ありましたら感想欄にお願いします。
質問はユーザー名を伏せて後書きでお応えします。