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頭が痛いです

「手配は全て終わった。後は工房で出来た物を預かって貰う為に、農家にお願いしに行くだけだ。それは明日頼みに行こう」


僕は、宿屋の部屋で今の状況と準備が出来ているか確認した。


食事が付いてない宿屋なので、食べにどこかの食堂に向かう。


「今日は忙しかったな、なんで最初よりクエの数が増えるかな、何か美味しい物を食べたいな」


裏道に出てしまった。このローランドでこんなに人が居ない所があるなんて、夜だと暗くて人通りがなくなるんだな。


灯りがない、お腹すいたよ、こんな所に食堂なんかあるはずもない。


「痛い」


誰かがぶつかって来た。その勢いで壁に頭がぶつかった。


誰なんだ僕にぶつかったのは、振り向いて確認すると小さな女の子。


「あの君大丈夫?」


僕が、手を出して立たせ様とすると女の子は僕の手をはじいた。


僕を睨んでいるんだけど、どうしてなのかな。


「あなたもグルなのね」


「グル」


何の事か分からないので、どうすればいいの考えてると。


「いたぞ、こっちだ」


「ふざけるな~、よくも逃げたな」


ガラの悪い人達が沢山来ました。


「あな・・・・・・・」


頭が痛い・・・・




「頭が痛い・・・・」


僕は頭を押さえて、たんこぶらしき物が出来てる。触ると痛い。


「あれどうしたんだけ」


クエが終って、新たにクエを受けて宿に荷物を置いて、お腹がすいたので食堂を探しに街をぶらついていたら。暗くて人通りが無い裏道で誰かにぶつかって、そうだ女の子がグルと言ったら頭を後ろから殴られた。


思い出した。女の子がいてガラの悪い人達が沢山来たんだ。


「暗くて何も見えない」


「ジャラジャラ」


足に何か付いてる。


これは鉄だな、足と足を繋いでいる。足首にも何か付いてる。


これ足枷だよな、奴隷とかが付けている。


あれ?今、嫌な単語が出てきたぞ。


奴隷、足枷をされた奴隷だよこの状態は。


「誰かいませんか?」


返事が無い。見えないのであまり動きたくないな。


床をゆっくりと確認する。


この状況はヤバい、ここが何処なのか分からない。女の子もいない。


暗くて見えないがここが部屋の様だ。


手を伸ばしてみるが何も当たらない。


悪いが僕の隠しスキル、暗くても頑張るが発動した。


先ず立つ、ジャラジャラするが気にするな、地面が無くなるとかはないみたいだ。


足を少しづつ動かし確認しながら前に進む。


どんどん確認して進むと何かに当たる、壁だ。


昔を思い出す、あれは廃病院4階建ての窓から見える幽霊。


おいでおいでと手を振っている。手招きと言った方がいいだろう。


その病院は、廃病院だが5年ぐらいすると建て替えた、幽霊が出ると言われていたその病院でよく遊んだ。


中学の時、友達とよく遊びに行った。同学年の他の男子も来ていた。


病院内には色々残っていて、建て替えるまで大事なもの以外残っているようだった。カルテもある。


しかし、地下が怖いのだ。今の状況に似ている、真っ暗で何も見えず足の下には何かが散乱していた。


病院の地下だけに広かった。明かりもなく壁だけが道を知らせてる様に感じた。


どこにあったのか分からないが非常灯が付いている部屋にそれはあったホロマリン漬け、これ以上は言えない。今言えばフラグが立ち同じ物を見る可能性がある。


震えてきた、寒い。残念だ僕は怖い話が好きなんだ。


騙されるところだった、ここが地下であのような物が保管されている部屋が近くにあると。


この世界に手術の技術はない。手や足が・・・・思い出してしまった。


まあいい、ここにはない。


ジャラジャラうるさいな。壁づたいに行くとドアがある。


確認の為にもう一周してみたら狭い部屋だと分かった。


ドアに耳を付けて外の音を確認する、何か音がする。


すすり泣きの様だが、何人もいる様だ。


声が最低でも6人分ぐらいある。女の子が4人で男の子が2人、違う声に聞こえるのが6人分だから他にもいるかもれない。


ドアが開かないし、泣き声のする子供たちがどうなってるか分からない。


耳を付けて聞くしかないそれしか出来ない。


僕とぶつかった女の子もここに居るのかな。


ジャラジャラが取れないな。




「おい、連れていけ。おい泣き声を出したら殺すからな。おい返事は」


「はい」


男の子が返事をした。何処かに連れていかれるのか。


その後、男の子は帰って来なかった。




ドアの横で寝る事にした。何処に居ても変わらないのなら、ここでこの部屋の外の音を聞こう。


ここに来てから聞き耳をしていてわかった事が有る。


連れてこられた子が何処かに連れていかれる。


それの繰り返しだ。


泣き声も無くならない。




「おい早く用意しろ」


「すいません、出来ました」


僕はここの男達の食事を作っている。


「おい、毒見をしろ」


僕は言われたとおりに少し食べる。


「しかし、美味しいな」


僕は1日経つと出されて、何か出来るかと聞かれ料理が出来ると言った。


足の足枷はまだしている。


僕がいるのは、地下1階で地下2階が子供たちが閉じ込められている部屋だ。


子供たちが連れていかれる先は決まっている様だ。


連れてこられる子は1日に2.3人、連れていかれる子も2.3人。子供を連れてこれない日もある。予備だと言っていた。




僕の前を連れていかれる女の子が通る。


目が赤く腫れてた、ごめんよ今の僕には泣く事も助ける事も出来ない。


ただじっと待つしかない。


ここに居る約10人を倒す事は出来ない。


ここに来てから5日が経った。


子供たちが10人ぐらい連れていかれた。僕が見る事が出来たのは8人。


明日も何人か連れていかれる、僕はソファに移動して寝る。


ここ以外に僕の行けるば所が無い。


夜になると子供を探しに行く、今はその時間を過ぎているので、皆が眠っている。



何か物音が聞こえる、上の階からだ。


「おい、見張り何やってんだ」


「すいません」


上の階で戦う音が聞こえる。


「子供たちが誰もいません」


「そんなはずはない、連れて行くのを見た」


僕は声を出さない、ここにも誘拐犯がいるから。


少し静かになって来た。


見つけられなかったのかな、この後どうなるんだ。


「ガシャーン」


「急げ、下に降りたら待機」


「はい」


この部屋になだれ込んでくるのは時間の問題だ。


ここに居る誘拐犯は逃げられない。


誘拐犯のリーダーが今はいないが何処かにいるはずだ、上の階に上がっていない。


「ドアがありました」


「もう逃げられない、ここを開けろ」


開けないでしょ、力ずくで開けないとダメだよ、今更出ていかないよ。


外で騒ぐのをやめてすぐに来なさい、見える所に誘拐犯はいない。


「ドオーン」


「油断するな」


「続け~」


おお、兵隊さんだ。どんどん来る。


「子供しかいません」


あれ、いなくなった。どこに隠れたんだ。


「奥に地下に続く階段があります」


「急げそこに子供がいるはずだ」


兵隊が僕の前に来る。


「君は誘拐犯の仲間かな」


「このとおり違います」


僕が歩くと足枷が鳴る。


「そうか、しかし君は何歳だ」


「11歳です」


「そうか、こんな大きい子も誘拐してたのか」


「いました、子供たちが15人。子供以外誰もいません」


「そんなはずはない、くまなく探せ」


子供たちが出ていく。


「何処にもいません」


「君はどこにいるか知っているか?」


「すいません、何処に居るか分かりません。3人位は上の階に行ってません」


「そうか、どこかに隠れる所か外に出れる様になっているのかもしれないな」


「君も外に出ていいぞ、必ずどこかに隠し部屋かある絶対に探し出せ」


僕は考える卑怯な手を拷問はされなかったが、僕が犯人にしてやる。


「子供たちは下の階にもういませんか?部屋の数は8部屋です」


「8部屋だったか?」


「はい、8部屋でした」


「この兵隊さんの中に水魔法が使える人はいますか?」


隊長みたいな人が「カルラはいるか」


「はい、何ですか隊長」


やっぱり隊長だ。カルラさんはドアの方からこちらに来た。


「このカルラが水魔法が使える」


「では、ここを水で一杯にして下さい。みんなここを出ましょう。水が一杯になれば隠れていても溺れて死にます」


「なるほど、今出てこないと溺れるのか、みんな上の階に行くぞ」


隊長さんの指示が出て皆は階段のある方に向かう。


「ふざけるな~」


小物が載っていた大きい棚が倒れて3人の誘拐犯が出てきた。リーダーもいる。


誘拐犯は手に剣を持って攻撃してきた。


「みんな気を付けろ」


隊長以外が階段に向かっていたので、最後に階段に向かっていたカルラさんが慌てて、攻撃してきたリーダーの一撃目で転んでしまった。


隊長は他の2人と対峙していて、1人を仕留めた。


体長が大声をあげて誘拐犯のリーダーの攻撃を避けろと。


「カルラ避けろ、今行く」


僕は床に右手を付き左手も付いてカルラさんの前で逆立ちの形になる、そこにリーダーの剣が振り落とされる。


そのまま回転するが、おまけを忘れない。あそこを殴る。


勢いがありすぎてそのまま倒れたが、見事に命中した様で他の兵隊がくる時間は稼げたようだ。


「うう痛い、それに危なかった」


僕は、リーダーの剣がギリギリ足に擦りそうなのが見えた。


「おい君、大丈夫か?」


僕は首の後ろを床に付けて壁に両足が上になってる状態で止まっている。


隊長に助け起こしてもらい立つ、どこも怪我がないよかった。


「ありがとうございます。助かりました」


「あんな危ない事をするなんて。私の部下を助けてくれてありがとう」


僕にお辞儀をしてお礼を言う隊長さん。


「ありがとう、もう駄目だと思った」お礼を言ってお辞儀をする。カルラさん。


「すみません、紙とペン貸してください」


隊長が紙とペンを僕に渡してくれる。


「騎士は盾を壊されて魔物の攻撃痛いな、魔法使いの風魔法ピューピューふいてゴロンゴロン」


「え・・・・」


ここにいる皆が僕が急に歌いだしたので驚く。


「頭打ったんじゃ」


「大丈夫か」


皆に心配された。


「少し待ってください」


書きながら何回か歌う。


キャスト・グルガー、タタキナ・キイビン、コンフィ・ディール、マルコ・サラデリ、インディ・エンザ、カーラル・エリッタ、ゴーン・レバノンと7名の名前を紙に書いて隊長に渡す。


渡された紙を見て隊長の顔がこわばる。


「これは何かな?」


「子供たちが連れていかれた家の人の名前です」


「本当にこの名前で合っているんだな」


「間違いないです、僕があいつらを生かしていたのは、連れていかれた先を知るためです」


「君は誰なんだい、教えてくれないかな?」


「僕はユーリ11歳、冒険者を目指して修行中です。それよりも早く子供たちを助けてください」


ハッとして他の仲間に命令をする。


「皆すぐに城に戻るぞ、子供達も連れて行く。君も来てくれ」


「はい」


隊長が足枷の鎖を力任せ斬る。


建物から出て周りを見る。あそこ僕が殴られた所だ。





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