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冒険者になろう

完結です。

「カルテドのユーリ、西の大陸のストーセナのミアちゃん、ご来場です」


公爵様の屋敷に国王様の使者が来て、お城に来る様に言われた。


僕とミアちゃんはお祭りの後に侯爵様の屋敷でのんびりと過ごしていた。準備期間もいれると19日間も掛った、準備には色々な人が手伝ってくれたけど、ミアちゃんと僕は毎日忙しかった、その疲れをのんびりと取るのに侯爵様の申し出はありがたかった。ミアちゃんは侯爵様の屋敷のお風呂でとろけるまで入っていた。


僕とミアちゃんが案内の人に付いて行くと、見覚えのある扉が僕達が来訪した事を告げる大きな声と共に開けられた。


「ユーリ、凄い綺麗な部屋だね」


「謁見の間なのかな、1度だけ来た事があるんだよ、姫殿下の快復祝いで僕も少しだけ関わったんだ、薬の材料を集めて来たのがヴエルナさん達で、その材料から薬を作る様に指示したのがシューゲル侯爵様なんだ」


「あのおじさん達が、そんな事をしたんだ」


信じられないぞみたいな感じで話すミアちゃん。気さくに話してくれる侯爵様だから、僕達平民からすると、優しい役人さん位の感じなんだよな、凄く偉い人なのに。


「ユーリとミアちゃん、ここまで来てくれないか」


僕とミアちゃんは謁見の間の扉の所で中の様子を見ていた、何処に行けばいいのか分からないので入口に立ったままだった。


王座に座っている国王様の横に立っている公爵様から、王座の近くに来る様に言われたので沢山の貴族様の視線の中、王座に向かって歩いて行く。


「遅くなってすいません、ユーリです、お呼びとの事で参りました」


両殿下に姫殿下もいるぞ、両殿下は何やら微笑んでいる。


「ユーリとミアちゃん、ドラゴン祭りの開催、見事であった」


「ありがとうございます」


「ありがとうございます」


僕とミアちゃんは揃ってお辞儀をした。


「国王様、ユーリ達はドラゴン祭りで凄い利益をローランドにもたらしてくれました」


「そうであったか、良くやってくれた、ありがとう」


「今日呼び出したのは、スタンビートと空から落ちて来た沢山の大岩の事実とその対処をした者からの報告を直接聞くためだ」


そうか、報告は他の人に頼んだんだよね、国王様と侯爵様達に僕からは何も報告をしていない。


「では、僕がローランドの危機を聞いてからの事を話したいと思います」



「そうだな、最初から聞いたい。国王様、宜しいですか?」


「うむ、私も聞きたい。ここに居る皆が聞いたいであろう」


一瞬静かになった謁見の間、僕はローランの危機を聞いてからの事を話した。スイスイで海を渡り、両殿下と合流して戦闘に参加した事、疲れていた騎士団と冒険者の代りに何とか出来ないかと考えて南に向かって行き、ミアちゃんの魔法で何とか魔物を南に追いやる事が出来た。弟殿下と合流して南の魔物を討伐している時にドラゴンのシュラさんとレッドちゃんが来て、更なる災いの危機が迫っている事を伝えられた。そして、リリカ・クライスと同じ魔法で何とか防げた事を話した。


「全ての危機が終わったと判断された両殿下が、ローランドにお戻りになると聞いて、ドラゴン祭りと戦闘に参加した人達に国王様なら何かして下さると考えました。なので、ドラゴンのシュラさん達と王都に向かったんです」


あの時の事を全て話した、隠し事は苦手で、話してない事は忘れているからだ。


「ユーリ、その方は光の勇者のだったのか、あのリリカ・クライスと同じ」


謁見の間のいる人達が、騒めきだしたぞ。


「どうでしょうか、勇者とは人々の事を思い何かをした人の事だと思います。僕は家族と知人を守りたいと思いました。光の魔法が使えたのも偶然、リリカ・クライスがした事を真似ただけです」


「ユーリは、リリカ・クライスと同じ魔法が使えたのか?」


「まあ、偶然だったよ」


国王様と侯爵様はリリカ・クライスが何をしたのか知っていたんだな。


報告が終わったので、僕とミアちゃんは謁見の間を退室した。






「ユーリとミアちゃん、褒美は何がいいかな、ユーリは名刀か?」


謁見の間を退室して、グルグル階段を下りていると侯爵様が『ユーリ、国王様が私室にてお待ちだ』と迎えに来てくれた。


「僕は少し考えさせて下さい、先にミアちゃんに聞いて下さい」


僕には名刀お姉さんがある、これからも色々と助けてくれる事だろう。僕よりもミアちゃんのお願いの方が大事だ、ミアちゃんは両親と離れて頑張っている。スタンビートは僕達よりも騎士団と冒険者が頑張っていた、その努力の成果を後押ししたのがミアちゃんだ、魔法を覚えて楽しいだろう、その魔法が人の役に立った。ミアちゃんは、どんな事をお願いするのかな。


「そうか、では、ミアちゃん、何か欲しい物とかお願いはないかな?」


「分かりません、ユーリ考えて」


国王様と侯爵様は困ってしまった様だ、顔が書いてある。


「国王様、ミアちゃんのお願いを僕が考えていいんですか?」


「仕方あるまい、どんな事が良いのか、思いつかないのであろう」


僕が考えるか、ゴロゴロすれば良いお願いが思い付くだろうけど、ここでは出来ないよな。


「ユーリ、そのここは国王様の私室だ、ゴロゴロはしない方がいいぞ」


「ユーリは、面白いな、それで考えているのか、ゴロゴロを許そう、こんな機会はそんなにないよく考えるのだ」


「ありがとうございます、ではもう少しゴロゴロをします」


ゴロゴロすれば良い事が思い付く、今までがそうだった。そうだ最高のお願いを思いついたぞ、認めてくれるかな。急いで立ち上がってから、片膝を付いて。


「国王様、お願いが決まりました」


「そうか、で、どんな事だ」


「ミアちゃんをドラゴンナイトにして下さい」


「「「ドラゴンナイト?」」」


ここに居る、僕以外の人が何だそれみたいな感じで首を傾けた、分からない時の仕草はみんな同じなんだな。


「ユーリ、ドラゴンナイトて何?」


「ミアちゃんの質問に答えましょう、ドラゴンに乗っていい人の事だよ、僕が決めました。ミアちゃんが好きな時に乗れる、それには国王様の許可が要らない、騎士団の人が馬に乗るのに国王様に許可を貰わないのと同じで、ただドラゴンの皆さんに乗るだけの違いです」


「ユーリ、それはまずいぞ、シュラさん達が自由に飛ぶなどあってはならない」


「侯爵様、何か勘違いをしていますよ、シュラさん達は自由です、それは僕達人間が決める事ではありません、友好的なシュラさん達を狭い所に居続けろと言うのですか?僕達を助ける事が合っても危害を加えた事もありません、ローレライ姫殿下の石化を治す事が出来たのもシュラさんの血液が有ったからです」


「友好的なのは私も知っている、しかしだな、みんな驚くだろう」


「二人とも待て、少し考える」


自分で何とかなる事なら、自分でする。でもこれは国王様の許可が必要だ、シュラさん達が今のままでいい筈がない、これからもあそこに居るなんて可哀そうだ。それに自由に飛べないと仲間に会えないんだぞ、僕がドラゴンの皆に会いに行ったら、皆は嬉しそうだった。


「ユーリ、もしや、ドラゴン祭りは街の者達に見せる為だったのか、それも友好的だと知ってもらう為に?」


「そうです、ドラゴン祭りは僕達人間が、シュラさん達と触れ逢う為に行う行事だと思ったんです、それであの様な変わったお祭りになりました」


「ユーリ、シュラさん達は自由じゃないの?」


「自由だよ、でも、僕達が怖がっていない友達なんだと分かれば、色々な頃が出来る。お祭りもそうだし、空を飛んでいるシュラさん達を見る事も出来る、友達が飛んでいるんだから怖がらないで手を振ればいい、速くて気が付かないかもしれないけど」


「そうだな、ドラゴンの皆さんは自由だ、ミアちゃんにはドラゴンに乗る事を許可はおかしいか、好きにするがいい。そのなんだ、私も乗りたいのだが頼んで貰えるかなミアちゃん?」


「はい、一緒に乗りましょう、国王様」


「ずるいですよ、国王様。私だけを悪者にするつもりですか。ミアちゃん、国王様を守る為に私もシュラさんに乗りたい、頼んで下さい」


「はい、一緒に乗りましょう、侯爵様」


凄いぞ、言ってみるもんだな。まあ、隠れて乗っていたのが、気にしないでいい様になっただけか、しかし、国王様と一緒にシュラさん達に乗るつもりなのか、僕なら断りたいな。


「さあ、帰ろうかミアちゃん」


「ユーリ、自分の願いを言っていないぞ」


そうか、ミアちゃんのお願いしか考えてなかった、もうゴロゴロは出来ないよな。


「ユーリ、ゴロゴロしたいのなら好きにするがいい」


「いえ、ゴロゴロはしません、お願いと言うより努力をしてほし事があります」


そうだ、旅で不便だった事を改善してほしいな。


「また変な事か、どんな面白い事だ」


顎に手を当てて少し考える仕草をしてから、難題だけど言ってみるか。


「ガーベラと行き来出来るよに努力をして欲しいです、西のガーベラに行くのが大変でした。出来れば冒険者カードも共通になると嬉しです、それが僕のお願いです、宜しくお願いします」


「そうか、交流が無いので直ぐにどうにか出来ないが、冒険者の立場で便利にしたいとユーリは思っているのだな」


「はい、勿論難しい事だと思います、でも、実際にガーベラに行ってみたいと考えている冒険者が多いと思います、便利ではなくていいので、不便を無くして欲しいんです」


「シューゲル侯爵、難しい問題だが、努力してみよう」


「はい、キースべニアの者達も喜びます」


「では、僕達は帰ります、国王様、お願いを聞いていただきありがとうございます」


「国王様、ありがとうございます」


凄い褒美を貰ったぞ、シュラさんがいつか自由に飛んでいるのを見る事が出来るだろう、奇跡の少女ミアちゃんはドラゴンに乗って何処に行くのかな。






「君の守った世界を守る事が出来たよ」


ローランドからの帰りにリリカ・クライスのお墓に来る事にした。


「リリカ、ユーリがやってくれたわよ」


「リリカさん、ミアです。凄い事をしたんですね、今も平和です」


「僕のした事は、君の真似だったけど、もし次に同じ事が起きた時にも大丈夫な様にお城のシールドと同じようにしたよ、光が当たっていれば無くならないだろうから、もう心配はいらないよ」


「ええ、そうなの、だから魔法を使い切ってしまったのね」


「使い切っていないよ、そのうち使えるさ、ミアちゃんと一緒に火魔法の練習をするよ」


「ユーリには才能がないわよ」


「そんなものはなくても使えるさ、今度見せるよ」


そう、あの時の感覚は覚えている。体の中なら何かが出て行く・・・・・・スーッと出て行く感じ、忘れないうちに練習したいな。まずい、危険だ、危険すぎる・・・・・・人が来ないようなところで練習をしよう。広い所じゃないと、面白くないな。


「ユーリと魔法の練習だね、よろしくお願いします」


「こちらこそ、よろしくお願いします」


ミアちゃんとレッドちゃんは先に森から出ようとしたけどグルグルしていた。


「光の屈折を利用した君の秘密はここにあるんだな、それは誰にも言わないよ、また来る」





「兄におかえり」


「兄におかえり」


久しぶり帰ってきた僕がエルザの宿のドアを開けると、天使たちが居た。


「どちらが、どちらかな?」


「私がエリカです」


「私がルイーゼです」


エリカとルイーゼ、忘れないようにしよう。


「ユーリ、いま名前忘れていたでしょ」


朝からハンバーグの姉妹、妹のルチルが現れたぞ。


「いいのだ、忘れても、何回も聞く事によって仲が良くなるのだ、オーク肉は届いたかな?」


「届いたわよ、エルザさんが喜んでいたわよ」


そうだろう、あれだけあれば直ぐに無くなるはずがない。


「この女の子はミアちゃん、冒険者で西の大陸でお世話になったんだ」


僕の後ろで、宿の中をキョロキョロと観察していたミアちゃんをルチルに紹介した。


「初めまして、ミアです」


「初めまして、ルチルです、エルザの宿の色々な仕事をしてます、よろしくね」


「よろしくお願いします」


懐かしい我が酒場付きの宿は、何も変わっていない。受付に座っている妹達は4歳で、お手伝いをしているのか・・・少し早いけど、常連さんが何とかしてくれているのだろう。


酒場の方を見てもシシルも母さんもいないな、厨房で父さんの手伝いをしているのかな。


「ルチル、母さんとシシルは父さんの手伝いをしている?」


「二人は、学校に居るわよ」


何、貴族様にお昼をご馳走に行ったのか。


「学園に行って来るよ」


「ああ、そうか、学校はユーリが赤ちゃんを保護した場所よ」


僕はミアちゃんを宿の部屋に案内して、一人で学校に向かった。






なんと、あの空き地に母さんが学校を建てたらしい。


僕は急いで、元空き地に向かった。


「学校には見えないけど、簡単な作りにしたんだな」


街の中にある建物と何も変わらない。貴族様の学園は綺麗で、ああ、学校だよなよ分かるけど、この学校はエルザの宿の様な個人で建てた民家やお店の様な建物だ。少し学校に見えるのは窓が沢山あるからだ。


窓から中を覗くとメシルさんが教壇に立つている、先生をしているようだ。


「うちのダメな母さんがいないぞ、シシルもいない。サボリだな」


「ユーリ、聞こえていたわよ。お帰り」


「母さん、ただいま。学校を作ったんだってね」


「見ての通りよ、ユーリは言葉を覚えて成長したわ、でも、言葉を覚えるのは凄く大変よ」


「それで、エルザさんは、小さい子が言葉を覚えれる様に学校を作ったのよ。先生はお姉ちゃんで、エルザさんと私がお昼ご飯の担当なのよ」


後ろから声を掛けてきた二人が僕の前に来た、ゲンコツもきた。


「母さんが学校を作るなんて立派になったね」


「何故かお金が増えるのよ、増え過ぎて困るぐらいよ」


シーラさんが沢山買ってくれているからだ。それに、ローランドの貴族様も買ってくれているんだろう。


「あれ、お昼付きなの?」


二人がお昼の担当だと言ったよな。


「それはそうよ、持ってくるの大変でしょう。オーク肉のハンバーグを出したら喜んで食べていたわよ」


教室にいる30人位の子供達はハンバーグを食べれたのか、それで母さんは喜んでいたのか・・・・・・優しい給食のおばさんだな。


「ユーリ、エミリー様を大事にするのよ」


「はい、母さんの7ヵ条をを守って頑張ります」


「ああ、結婚したら違う7ヵ条だからね」


結婚すると違う7ヵ条があるのか、失敗しない様に早く覚えよう。





「リカちゃん、久しぶり」


「ユーリ、お帰り、背が高くなったのね」


リカちゃんが大きくなっているぞ。


「リカちゃんも大きくなったね」


「そうね、5年位経つからね」


お店は大繁盛だ、お客さんがカウンターで支払いしているけど、その後ろに列が出来ている。


店内は何も変わっていないけど、どこか明るく感じた。


「メメルさんは厨房にいるの?」


「お母さんは2号店にいるのよ、謎の女性が大量に購入してくれるのよ。定期的に注文があるから、このお店だけだと間に合わないのよ。お母さんと相談して空いているお店を借りたんだよ」


「へ~、謎の女性か。いいお得意さんが出来たんだね、そうだ、ポンポンを買って帰ろう」


「店長、ポンポンは売り切れですよ」


僕たちの会話が聞こえたんだろう、親切に教えてくれた。


「ユーリ、ごめんね。ここより2号店の方が倉庫が広いから材料が無くなると、取りにいかないとダメなのよ」


「そうか、リカちゃんが店長か、店長、売り上げに響きます、急いで取ってきます」


「ありがとう、広場の前だからね、大きい看板があるから分かるよ」


店長の為に元オーナの僕は、自分も食べたいので、材料を取りに向かう事にした。





「おお、凄いぞ、アメリカ人が映画の前に用意する大きいカップの絵が描かれた看板か、パリパリも大きいな」


建物の敷地は2倍位ありそうだけど、窓から見える店内が狭い。広場の前なのに空いていたのは、店内が狭いからかな。


窓から覗いていたら、メメルさんが僕に気が付いたようだ。


「ユーリ、お帰り。凄いでしょ、2号店なのよ」


「はい、おめでとうございます。大成功ですね」


「ありがとう、謎の女性が定期的に買ってくれるのよ、何でも王都のローランドで販売するんだと言っていたわよ」


謎の女性は、王都で外貨を稼いでいるんだな。販売機も置いてあると言っていたので、珍しくてボタンを押す冒険者の列が出来ているんだろうな。


「そうだ、ポンポンの材料を取りに来たんだ、用意して下さい、大きくても持てますよ」


「リカに頼まれたのね、奥にあるのよ、付いて来て」


小さい厨房の奥の倉庫に材料が沢山積まれていた、それも大樽だ。


「ユーリ、持てそう?」


「はい、ポンポンの材料の大樽1個を持って行きます、これで食べれるぞ」


「ええ、ユーリが食べたかったの、それなら出来ているのがあるわよ」


「いいのです、材料がなければ運べばいいのです、軽いんだから」


「重たいのに、ユーリには軽いのね」


「冒険者を目指して鍛えてますから、では、急がないとリカ店長に怒られますので、これにてご免」


「よろしくね、ご免」


まあ、使い方が合っているか分からないけど、ごめんとご免を掛けているのだろ。


急ごう、ポンポンが食べたい。





「トントン」


「すいません、使用中です」


エルザの宿には僕が泊まれる部屋がなかった。何年も前に使っていた僕の部屋にロフトベッドを双子の妹用に作った。今までの経験を活かして、最高のベッドが出来たはずだ。


「トントン」


まあ、結婚する僕はエミリー嬢の屋敷にお部屋を借りている。恥ずかしいけど、ご挨拶をしなければいけないので、自然と足が向いてしまった。



エミリー嬢は王都の騎士団を辞めて実家に戻って来た。僕の方が5日も早く着いてしまったが、伯爵様の家族には喜ばれた。


暇な僕とミアちゃんはこの屋敷の臨時料理長として伯爵様達の料理を作っていた、今までの料理の知識を活かして・・・・・・煙のオードブルから、料理をお出しして楽しんだのは昨日の事だ。


「ユーリ、朝ですよ」


「どうぞ、入って下さい」


エミリー嬢だったのか。伯爵様の屋敷で一番小さい部屋をお借りた、大きい部屋より落ち着くからだ、ミアちゃんは大きい屋敷の大きい部屋で大喜びだ。


「ユーリ、準備は出来ているのですか?」


「はい、いつもと同じなので、持って行くだけです。エミリー嬢も準備は出来ましたか?」


「ユーリ、私の事はエミリーと呼んで下さいと、お願いしました」


そうなんだよな、まだ呼びなれないんだ。


「エミリー、準備は出来ていますか?」


「はい、出来ています」


見ればわかるけど、旅支度が出来ている。


「ユーリ、早く~」


外から聞こえてきたのはミアちゃんの声だ。呼んでいるような声が聞こえてきたけど、いつものあれだな。


窓を開けて中庭に視線を向けると、ミアちゃんが踊っていた。踊りの歌?は一種類だけど、踊りの種類は何パターンもあるようで、今の踊りは盆踊り風な動きをしている。


「ユーリ、早く、ユーリ、早く」


「エミリー、急ごう、ミアちゃんが待ちくたびれているよ」


「はい、急ぎましょう」





「わぁ~い、速い」


「シュラさんはこんなに速いんだ」


ミアちゃんは大喜びだ。レッドちゃんはシュラさんに乗る機会がある筈無いから、初めて乗ったんだな、シュラさんと自分が飛んだ時の速さを比べている。


「もう海です、こんなに速いと旅をしている感じがしませんね」


シュラさんはエミリーの屋敷に住んでいる、洞窟よりも住み心地が良いようだ、ラム酒を差し入れてくれる人が多いのが一番の理由だろう。


僕は冒険者として初めての旅に出る、色々と悩んだけど、みんなの考えている冒険者じゃなくて、謎があればその謎を調べる、謎解きの冒険者だ。最初の謎はレッドちゃんがドラゴンに戻る方法を探す事。大変な旅になるだろうけど、世界を救ったレッドちゃんを元の姿になれる様にしたいと考えた。旅は道ずれなのでエミリーとミアちゃんも一緒だ、二人は喜んで一緒に行ってくれると言ってくれた。


僕が悩んでいた冒険者が何をすればいいのか少し分かった。


「ユーリ、カルテアだよ」


「おお、流石シュラさんだね」


「そうでしょう、一番速いのよ。・・・・・・あら、私の絵が描いてあるわね」


シュラさんの絵が、こんなところに?。


「シュラさん、どこにあるの?」


ドラゴンの絵と聞いて、一番に反応するのは、ドラゴンさんが大好きなドラゴンナイトのミアちゃんだ。シュラさんに、何処にあるのと聞いて辺りをキョロキョロと見渡している。


ドラゴンの絵かどこにあるんだ、ここからだとカルテアの街しか見えないぞ。


「ミアちゃん、街の向こうの道を移動しているわよ」


「シュラさん、そこに行って」


スイスイはこの下にいるはずだよな、ミアちゃんがドラゴンの絵を見に行くらしいな。


「わぁ~、ユーリ、お父さんの馬車だよ」


シュラさんの目がいいのはまあドラゴンなのでいいだろう、ミアちゃんは目が良すぎるぞ。


「まあ、本当にドラゴンの絵が描いてあります」


「可愛いシュラさんだね」


エミリーとレッドちゃんにも見えるのか。


「見えるんですか?」


「ええ、ユーリには見えませんの?」


「ええ、見えません」


僕だけが目が悪いんだな。





「ミア、ユーリ」


ロードさんの馬車の横で浮いてるシュラさん、それを見て喜ぶアメリアさん。


シュラさんの大きさに驚いてくれないんだな。


「ユーリ、本当にドラゴンで帰って来たんだな」


ロードさん達は驚いている様だ・・・・・シュラさんで帰って来た事に。やっぱり、大きさには驚いてくれないんだな。


「ただいま、父さん、母さん」


シュラさんから一番に下りてアメリアさんに駆け寄るミアちゃん。その後に続いてエミリーが下りた。僕は2人の荷物を背負い飛び降りた、荷物の上にはスライムのレッドちゃんが乗っていたな。


「おかえり、ミア」


「おかえり、大きくなったな」


「シュラさん、ありがとう」


アメリアさんに飛びついたミアちゃんの横で今にも飛び立ちそうなシュラさん、何かお急ぎの御用でもあるのかな。


「ありがとうございます」


「シュラさん、また会いに行きます」


「ミアちゃん、待っているわよ、お土産は最高のハンバーグをお願いよ」


僕達がシュラさんに乗せて貰ったお礼を言うと「ユーリ、急がないと、騎士団の人がラム酒を持って来てくれるのよ」と言って急いでローランドの方向に飛んで行った。


「奇麗な白いドラゴンだったな」


あれ、誰か知らない女性が一緒にいるな、誰だろう。まあいいか、時間は流れている・・・カッコよく何かいい言葉を思い付いたのに、女性の顔に見覚えがあるような、無いような。


「あれがドラゴンなのね、大きいわ、驚いて声も出なかった。ユーリ君は凄いのね」






僕達は、ロードさんと別れた後の旅の事を報告した。それは、ミアちゃんが頑張った事ばかりだ。


これからの旅の事も話して、僕達がユーデット様に会いに行くと言うと、ロードさん達は喜んだ。


ダリューンまで一緒に旅が出来るからだ。ユーデット様の本から何か情報がないか、先ずはそこから始める。


ロードさん達の準備が出来たので、旅の始まりだ。


「さあ、皆、準備はいいか、ミア、ユーリ、エミリー様、レッドちゃん、出発します」


「「「はい、喜んで」」」 

皆さん、最後まで読んで下さって、ありがとうございます。


疑似脱字が多かった、直してくれた人達に感謝です。


感想も嬉しかったです、参考になりました。


書き始めてから約5ヶ月大変でした。


読んでくれた皆さん、これからも面白い小説を読みましょう。



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― 新着の感想 ―
[一言] ものすごく、面白かったです 今度は、ユーリみたいな面白い主人公に、魔法を使わせて下さい ありがとうございました。
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