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┗転入令嬢の思惑

●2025年10月1日全編書き下ろしノベル7巻&8巻発売

◇予約ページ◇https://tobooks.shop-pro.jp/?mode=grp&gid=3106846

◆攻略対象異常公式アカウント◆https://twitter.com/ijou_sugiru?s=20/


貴族学校に、転入して一日目の放課後。

まとわりついてくる男たちを適当に躱して、馬車に乗る。


今日は転入して初めての登校日だった。

職員室で私の在籍するクラスを担当する教師に挨拶をして、

教室へ向かい、自己紹介を済ませると、教室の男たちは皆私に好奇の目を向けた。

見惚れるような目、驚くような目、どれも慣れた視線。

挨拶も、何もかも完璧だった。


……なのに、恋しい人、レイド様だけは、一度も私を見なかった。

机を見て、ただただ何かを考えていた。


でも、気に入らない女、ミスティア・アーレンは嬉々として私を見ていたのだ。

睨みつけても、一切動じることはなく会釈までしてきた。腹立たしい。

腹立たしくて仕方が無い。


あの女のせいで、ずっと、ずっと待ちわびていた運命の人との再会は、

ただただ最低なものに変わった。


転入の書類を届けに学校に向かった時、

一目会えないかと校内の見学を申し出て、好きな人を探せば、

どこまでも素敵で麗しいレイド様……、

私の運命の人の姿は、すぐに見つかった。


レイド様は、貴族学校の制服に身を包んでいる。

私も同じ貴族学校の制服。

夢じゃない。

何度も鏡の前で練習した笑みを浮かべ駆け寄ると、

彼の隣には、既に別の女がいた。


レイド様の隣にいた女。

雪のように白い肌。艶々とした黒髪、怜悧でいて血の様に赤い瞳。

すぐにレイド様の婚約されたアーレン家の令嬢、

ミスティア・アーレンだと分かった。


アーレン家の令嬢は、長い黒髪、色が白く紅の瞳をしている。

その雰囲気は独特で、一目見れば忘れられないという噂を聞いた時は鼻で笑ったけれど、

噂の通りだった。彼女の雰囲気はどことなく異質で、浮世に住まうような、

それでいてどことなく地に足が付きすぎているような、気味の悪い女。

その女は、当然のようにレイド様の隣を陣取っていた。

私を見ても、まるで何とも思っていないみたいで気にしない。

レイド様は、私を歓迎しながら、ずっとミスティア・アーレンを気にしていた。



今日も、授業の間の休憩、昼食の時間……。

空いた時間は全てレイド様の元へ向かってレイド様とお話ししたけれど、

どこかレイド様は上の空だった。

お茶会では、きちんと私の目をしっかりと見て、

お話しをしてくれていたのに。



「レイド様……、どうして」


馬車の後方についている窓から、周囲の様子を窺う。

そんな自分に嫌気がさして溜息を吐く。


……明日の朝は、レイド様の御屋敷へ向かって、

レイド様と一緒に登校しよう。

ミスティア・アーレンがいるかもしれないけれど、

きっとどうにでもなるはず。きっと、大丈夫。


家格が合っていただけでレイド様の婚約者に収まった女になんて負けない。

絶対にレイド様は渡さない。

最後にレイド様が選ぶのは絶対にこの私。誰にも邪魔させない。



だって、レイド様は、私を助けてくれた、運命の人なのだから。

●2025年10月1日全編書き下ろしノベル7巻&8巻発売

◇予約ページ◇https://tobooks.shop-pro.jp/?mode=grp&gid=3106846

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― 新着の感想 ―
ヘレンちゃんも可愛いんだけどレイド氏ミスティアちゃんにゾッコンだから…えーん頑張れ!
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