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2911話 心を守るモノは、どれだけあってもね。


顔面を少し強く……体感的、個人的に強く。かなり前に作って、年に数回時々付ける程度だった香水……それを、足首あたりにごく少量吹き付ける。両足首合わせても一プッシュかそれより少ないかも?ぐらい。力の加減を頑張ると、意外とめっちゃ少なく吹き付けれるんだよなぁ。


元々小春とか獣人さんも不愉快に感じないレベルのほんのりとした香りの香水で、こんな少量だと……人から言わせれば、もう付けてるかどうか分からないレベルではある。


でも……私にはほんのり香るから、問題ない。 顔面も自分で強くして、落ち着く香りも身に着けた……ここまで揃えられれば、かなり強いと思うんです。私のメンタルの補強材的な意味で。


因みに、香水って使用期限とかあるのかなぁ……と思いつつ、影の精霊に保管を頼んでいるから……私、何でもかんでも影の精霊に保管管理を頼みすぎだよな。便利だからって、多用しすぎだよね。今更戻れはしないのですが。もう無理だよ……便利に慣れた人間、戻れない。


「あ、お嬢さん。香水の香りが馴染むまで少し時間かかるから、ウチとしてはのんびり通勤してらええと思うんやけど……キルドの方々的には、早く来てほしいみたいやで。」


忘れ物、片付け忘れ等がないか、指差し確認していたら……影の精霊が、わざとらしい焦り声でそう言ってきた。


わざとらしいと言いましたが……影の精霊がそう言ってくるって事は、本当に焦る場面である事が多い。コイツ、本当に大変な事を……こんな風に、茶化した感じがする、大袈裟っぽい言い方をしてくるんだ。『えー?ウチ、本当の事言ってるやん〜。』とか、影の精霊に言われてしまうんだ。物凄くバカにしてる感じで。


それはそれとして。


私は慌てて、他の確認しなきゃいけないモノをバババッと確認して……問題なさそうだったので、靴を履いて……私を待っている間に玄関で靴を履いていた、いきなり私が慌ただして、状況が読めずにポカンとしている小春をバッと抱っこ。そのまま、いつもの認識阻害、認識中和の結界を短時間展開。転移魔法で、ギルドの裏口に移動した。


そして、小春を抱っこしたまま……そのまま一時預かり所へお届け。小春からハイタッチと共に「いってらっしゃい!!」と言われて、気合を頂いた。口から……何かオタク的なアレやらコレやらが飛び出そうになったのを気合いで押し込んで……「いってきます。」と、穏やかさを意識して口にした。


いやぁ……私頑張ったと思うんですよ。腹筋にメッチャ力が入ったのを感じた。


こう言う時に奥歯とかに気合を入れてしまうと、表情に出てしまう可能性があったから……いやまぁ、あんまり感情は表に出ない方なんですけど。念には念を、ね。*仮にオタク的発言が口に出たとして……小春は何言ってるか分からなくても、周りの人が分かってしまったら、『えー、あの人こんな発言するんだ……小春ちゃん、そんな目で見られてるの?可哀想……。』とか思われたら……小春に申し訳なさすぎて、メンタルやりそうだ。


今回は朝早すぎて、一時預かり所の先生さんしか来ていなかったんだけど……いや、先生でも人が居る事には変わらないからね。


「ハッ!?や、夜風さんっ!!いつもより早……ああっ、来てくれたのね!!良かったぁ。」


一時預かり所から、更衣室へ向かって荷物を降ろして……取り敢えず事務部の様子を伺うと、顔見知りの女性ギルド職員さんがそう言ってきた。心なしか涙目である。


私が動けない場合もなくはないから、一応本日の業務を確認したら……私の本所属の総合部案件で、『接待』となっていた。


あはは……隠す事もなく、私に面倒事を丸投げした気配がしますねぇ。


風のエレメント・ドラゴンのヴァンさん、私以外でもそれなりに対応はしてきていると思うのですけど。


……ヴァンさんは兎も角、もう一人?一柱?が専門外すぎるから、色々耐性のある私に、情報を得てほしい……って事かな。


そのまま流れで、今回の件の初代担当とか任してこなきゃ良いなぁ。私、かなり直ぐ引き継ぎますからね。出来る限り、色々穏便な形まで落とし込みますけど……頑張りますけど、あんまり期待しないで欲しい。



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