第11話
目眩がする。
唖然とした。
坂城の言った言葉に。
「君には特別なものが備わっているんだよ。あの時からね」
よく見ると坂城の頬には小さな何かが付いていた。たぶん餃子の具だろう。幾ばくか集中力を削がれた。
「あの時って?」
「僕たちが出会った時だよ」
坂城は滔々と語りだした。
「僕の若気の至りだったんだよ。そのせいで君を今回の戦争に巻き込んでしまった」
---戦争?
「君に出会った時、僕は君の傷を治した。しかしそれがいけなかった」
---なぜ?
「君の体には『影の素』に対する抗体が出来てしまった。故に、君は唯一、影に浸食されない存在だということだ」
---それは良いことなのか?
「太陽世界最高学閥『日輪研究機関SOA』の観測結果でそれが解った。SOAは僕との接触からずっと君を監視していたんだ。
そして僕の所属する『太陽世界防衛機関SOS』であることが決定された」
---あること?
「浅野真と共に『影』と戦う。浅野真には『盾』になってもらう。我々、『太陽の子』が『影』に浸食されないための。そして浅野真を太陽世界へと連行し、『抗体』を作るための実験に協力してもらう。---SOSが決めたことだよ」
目眩がした。
それは、横暴だ。
「それは、横暴だ」
僕は思ったままを口にした。普段、そんなことはなかった。
僕の意志を無視して、それに、『盾』になれと言うのか。
「ごめんよ、浅野くん。僕のせいだ」
でも、と坂城は言った。
「君にしか、頼めない」
小説家に、なりたい




