第7話 7/19日曜 春斗は歓迎される
春斗は、シュートに言われて右側の路地を見た。
「うげ、この坂登るのか?」
苦笑いしながらも、春斗の本音が漏れる。
「僕たちは弱小パーティだから」
すたすたと急坂を登っていくシュートに続いて、春斗も坂を登った。
「さ、着きました。
僕たちのパーティ、
『1秒ストライカー』にようこそ!!」
坂を登った先にあったのは、古民家みたいなボロい一軒家だった。
玄関は引き戸になっており、開け放されている。
「あ、シュート。
お前、どこに行ってたんだ。
もう、お前の朝飯ないぞ」
古民家の中から男性の声が聞こえてきた。
声色や口調から、かなり歳上だと分かる。
「今日は、カレー食ってきました」
「なに〜、お前、なに無駄遣いしてんだ」
シュートは歳上相手にもまったく動じることなく会話を続ける。
「まぁまぁ、豪さん。
やっと盗賊を見つけたんだから許してよ」
「なに?」
ドタドタと足音がして、真っ黒に日焼けした筋肉マンが春斗の前に現れた。
"でか!?"
春斗は思わず後ずさりしてしまった。
すると、筋肉マンは両手で春斗の肩をつかみ、その目をじっと見つめてきた。
「お前、ほとんど息が切れてないな。
シュート、でかした!」
筋肉マンは、満面の笑みを浮かべている。
"痛てて……。
だから、盗賊ってなんなんだよ……"
筋肉マンの両手が、春斗の肩にぐいぐい食い込んでくる。
春斗は必死に笑顔を作ろうとしたが、顔がこわばって、ただの苦笑いになっているのが自分でも分かった。
「豪さん、春斗さんが痛がってるよ」
「おっと。すまんすまん。嬉しくてな。
さて、名乗っていなかったな。
俺の名前は、三浦豪。
こう見えて32歳だ」
"どっちに見えて32歳だよ"
春斗は心の中でつぶやいたが、そんなことはお構いなしに、豪は春斗に自己紹介を促してくる。
「えっと……。
山崎春斗、20歳。大学2年です」
春斗の自己紹介を聞き、豪はさらに嬉しそうに反応した。
「お〜、大学生ならしばらくここにいても問題ないな」




