表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
37/56

37話 心配いらない

神様サバイバル8日目


【人類残り65%】

爆発音は、朝の静けさを容赦なく引き裂いた。


ドカァァァァンッ!!


地面が揺れる。

熱風。

破片。


ホームセンター入口の見張りが悲鳴すらまともに上げられず吹き飛んだ。


数秒遅れて。


「敵襲ぅぅぅ!!!」


怒号が建物の奥まで響く。


「伏せろ!!」


不知火が叫ぶ。

ほぼ同時。


パンッ!!パンッ!!


本物の銃弾が頭上を掠めた。

壁が砕ける。

商品棚に穴が開く。


「うぉぉぉぉ!!」


的場だけテンションがおかしかった。


「ダイナマイトつえぇぇぇ!!」


「お前聞け!!」


不知火が怒鳴る。

盗丸は即座に転がり込んだ。


「くそっ!」


「もうバレてんじゃねぇか!!」


ピエロはすでに動いていた。

無駄がない。


白塗りの顔のまま、

音もなく園芸コーナーへ滑り込む。


大型の観葉植物。

肥料袋。

土。


遮蔽物になる。

不知火も気づく。


(なるほど)


ホームセンター。

ただの店じゃない。

戦場だ。


「こっちだ!」


盗丸が叫ぶ。

洗剤コーナーへ走る。


棚に並ぶ大量のボトル。

迷いなく掴む。


「こういう時はなぁ!!」


ドバァァァァァッ!!


床一面。

ぬるりと広がる洗剤。


その瞬間。

突っ込んできた黒闇の部下。


「いたぞ!!」


「撃——」


ツルッ。


「うぉっ!?」


「ぎゃあっ!!」


派手に転倒。

後ろの二人も巻き込む。


「ナイス!!」


的場が笑う。

転んだ男の顔面に蹴り。


鈍い音。

一人沈む。


「いいねぇ!!」


その横で。

カチッ。

導火線。

不知火が振り向く。


的場。

またダイナマイト。


「待て待て待て待て!!」


飛びつく。


「なに!?」


「なんで止める!?」


「この距離だぞ!!」


「?」


「俺たちも吹っ飛ぶだろ!」


数秒。

的場が固まる。


「あ」


納得した。


ホームセンター奥。

黒闇は静かに報告を聞いていた。


「侵入者です!!」


「四人!!」


「またあいつらです!!」


黒闇の目が細くなる。

不知火。

的場。


前回の襲撃。

思い出していた。


「……懲りんな」


壁に立てかけてあった銃を取る。

金属音。


「今度は確実に息の根を止める」


低い声だった。



「まだまだあるぜ」


盗丸がニヤついた。

ペットコーナー。


「え?」


不知火が止める前に。

ガチャッ。


檻。

開放。


「わんわんわんわん!!!」


「シャーーーーッ!!!」


犬。

猫。


一斉解放。

店内を駆け回る。


「ぎゃああ!!」


「猫!!猫!!」


部下の顔面に猫パンチ。

別の男の足に犬が噛みつく。


「離せ!!」


「うぉぉ!?」


混乱。


「犬つえぇ!!」


的場大喜び。


さらに。


盗丸。

消火器。

ピンを抜く。


ブシャァァァァ!!


白煙。

視界ゼロ。


「な、なんだこれ!?」


「見えねぇ!!」


混乱。

不知火が飛び込む。


ヌンチャク。


一撃。

二撃。


「ぐっ……!」


倒れる。


ピエロ。

無言で部下を拘束。

手際がいい。


口を塞ぐ。

紙を出す。


【女子供の場所】


部下の顔面蒼白。


「い、言う!!」


「言うから殺すな!!」


盗丸が笑う。


「物分かりよくて助かるわ」



数分後。


ホームセンター奥。

女子供の小屋。


あと少し。

空気が変わった。


「そこまでだ」


低い声。

全員止まる。

黒闇。


その後ろ。

武装した部下たち。


本物の銃。

こちらを向いている。


圧。

明らかに今までの雑魚と違う。

的場だけ笑っていた。


「おぉボスのお出ましか」


パンッ!!


即応。

柱が砕ける。


「くっ!」


不知火たちが隠れる。

圧倒的不利。

こちらの銃は的場だけ。


的場が捕まえた部下を引っ張る。


「こいつ盾にして進む?」


部下絶叫。


「やめてくれぇ!!」


「蜂の巣になる!!」


「まぁ、それもそうか」


軽い。

黒闇が叫ぶ。


「お前ら何の用だ!!」


声が響く。


「なぜ邪魔ばかりする!!」


不知火が顔を出す。


「女子供を解放しろ!!」


「奴隷にしてる男たちもだ!!」


黒闇。

一切迷わない。


「断る」


「なっ——」


その瞬間。

騒ぎを聞きつけたのか。

小屋の扉が開く。


女子供が、ぞろぞろ出てきた。

怯えた顔。

不安そうな母親。

泣きそうな子供。


その中。

ピエロの目が止まる。

一人の少女。


少女も止まる。

見つめ合う。


黒闇が振り返る。


「お前たち!!」


「中へ戻れ!!」


だが。

ピエロは前へ出た。


ゆっくり。

誰も止められない。


そして。

踊り出した。


ムーンウォーク。

パントマイム。


ぎこちないようで、

無駄のない動き。


「……は?」


黒闇の部下が呆れる。


「おかしくなったのか?」


一人が銃を向ける。

その瞬間。

ピエロが上着を開いた。


沈黙。

全員、凍る。


身体中。

びっしり巻かれたダイナマイト。

導火線。


火がつけば終わる。

黒闇の部下が一歩下がる。


「マジかよ……」


「イカれてる……」


違う。

ピエロは少女だけを見ていた。


ただ。

心配させないように。

無言で踊る。


朝のホームセンターで。

爆弾を抱えた道化が。


一人の少女のためだけに。

消滅ワード


1日目 “法律 ”

2日目 “ 電気”

3日目 “ 罪悪感”

4日目 “ 鍵”

5日目 “ 痛覚”

6日目 “ 肉”

7日目 “ 地図”

8日目 “ 鏡”

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ