結果発表〜!!
「ふぅ……終わったな」
控室の長椅子に腰を落としたブランが、大きく息を吐いた。
「紅には完敗だったけど、蒼には勝ったんだし!」
マルコが無理やり笑顔を作る。「最下位はないだろ、な? ルカ!」
「え、えっと……」僕はうつむく。
(そんなこと……本当に言えるのかな)
腰の剣――ネメシスがすかさず囁いた。
《おいおい、なんで黙る? 期待しとけよ。希望ってやつは高ければ高いほど折れたときに面白ぇんだ》
「面白くないよ!」思わず声が大きくなる。
「え?」ブランとマルコが同時にこちらを見る。
「な、なんでもない……」
◇
一方、翠クラスの控室。
「納得いかねぇ!」
選手の一人が壁を叩いた。
「蒼にも紅にも負けた、これで黒より下になったら家の恥だぞ!」
仲間の一人が小さく答える。
「でも……聞いたか? 紅との試合、健闘したって評価されてるって」
「紅と蒼相手に粘ったから、加点されたって……」
「ふざけるな! 負けは負けだろ!」
ガルドは黙って聞いていた、ただ拳を握って。
◇
闘技場の観客席もざわついていた。
「どうせ黒は最下位だって!」
「魔力ゼロの人間、そんなの認められるわけない!」
「翠は剛剣のガルドがいるから三位は堅いだろ」
観客の声は冷笑と決めつけに満ちていた。
(やっぱり……僕たちはそう見られてるんだ)
胸の奥が痛む。
《気にすんな。笑われてるってことは、そいつらが“怖がってる”証拠だ》
(……ほんとかな)
《ほんとだ。俺を握って立ってる限り、お前は“異端”でいられる》
少しだけ、その言葉が支えになった。
◇
やがて、リカルド先生が結界の中央に立つ。
「――では! 全三試合の結果を踏まえ、序列戦の得点を発表する!」
歓声が一気に高まる。
「紅クラス! 合計二十一点!」
「蒼クラス! 合計十六点!」
「翠クラス! 合計十一点!」
「黒クラス! 合計……七点!」
――静寂。
次の瞬間、歓声が巻き起こった。
「やっぱり紅がトップだ!」
「予想どおりの展開だな!」
「魔力ゼロの無能が夢見すぎなんだよ!」
「……そんな……」マルコが顔を青くする。
「蒼に勝ったのに……?」ブランが奥歯を噛みしめる。
「ぼ、僕ら……一勝したのに……」
《ははっ! 見事にやられたな。だが“理不尽”こそ、この世界の真実だぜ》
「……っ!」悔しさが込み上げ、涙が出そうになる。
◇
ガルドが壇上から声を上げた。
「納得いかねぇ! 俺たちは蒼にも紅にも負けたんだ! それなのに黒より上だと!?」
リカルド先生が冷静に告げる。
「勝ち点だけではない。試合での連携、個人の能力評価も加味しての合計だ」
「そんなもん……!」ガルドが言葉を詰まらせる。
だが会場の観客はそれを聞いて納得したように頷いていた。
「まぁ紅相手に粘った翠は確かに凄かったよな」
「黒? あれは魔力無しだし、評価もゼロで当然だろ」
ティアが僕の肩に手を置いた。
「ルカさん……」
その瞳は、僕の代わりに泣きそうだった。
◇
(結局……僕は無能のままか)
唇を噛んだ瞬間、腰の剣が笑った。
《ククッ、最高だな相棒。これで証明された。俺たちは“正しく異端”だってな》
「……うるさい」
声が震えた。
悔しさと無力感の中、序列戦は幕を閉じた――。
黒クラス、蒼に勝利したにも関わらず“最下位”という結果に。
理不尽な評価制度と、観客や貴族社会の冷たい目線。
ここからルカたちがどう立ち上がっていくか。




