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「黒クラス、散る」


「燃えろぉぉぉ!」


ユリウスのレイピアが大地を薙ぎ払った瞬間、炎の奔流が結界いっぱいに広がった。


「ぐあっ……!」


マルコの土壁が一瞬で蒸発し、僕らは熱気に押し潰されそうになる。


「ははっ、これが紅だ!」


フランが槍を振るい、炎の竜巻がブランを飲み込んだ。


「ブラン!」


「大丈夫だ! まだ立てる!」ブランは歯を食いしばり、大剣で火の渦を押し返す。


《おい相棒、どうする? このまま燃えカスになるか?》


「む、無理だって! 火も槍も速すぎる!」


「まだ立つか。だが――」ユリウスの瞳が赤く輝いた。


「“炎帝の継承”の意味、教えてやる」


炎が剣先に凝縮され、一本の赤い閃光となって突き出される。


「やばい!」


僕の体が勝手に反応した。虚無が黒い点となって軌跡を食い破る。


だが――消したのは半分だけ。残りの炎が肩を掠めた。


「うっ……!」


焦げた匂いが広がり、観客席から悲鳴と歓声が入り混じる。



「ルカ!」ティアが控え席から立ち上がりそうになる。


「だ、大丈夫! まだ……動ける!」


僕はふらつく足を必死に踏ん張った。


《いいねぇ、その顔だ。死ぬ寸前の獲物みてぇで最高だ》


「励まし方間違ってるよぉぉ!」



「小物のくせに粘るな」


フランの槍が風を切り、僕の胸元へ突き出される。


「させるかよ!」ブランが割り込み、火花が散った。


「ルカ! お前しか止められねぇんだ! やれ!」


「ぼ、僕が……!」


足が震える。でも、二人が必死に繋いでくれている。


(ここで逃げたら、本当に全部終わる)


「うぉぉぉ!」


僕は喉が裂けそうなほど叫び、剣を振り下ろした。


黒い奔流が広がり、紅の炎と槍を一瞬だけ掻き消す。


観客席が息を呑んだ。


「消えた……!」


「紅の攻撃を止めたぞ!」



「へぇ……やるじゃねぇか」


フランが口角を上げた。


「でもな、小僧。そいつは“消すだけ”。殺しきれねぇ」


ユリウスが剣を掲げ、燃え盛る炎を一点に凝縮させる。

「終わりだ。“クリムゾン・ドライブ”」


炎の刃が直線となって迫る。


「ルカ!」


「今だ、掴め!」


《喰らえ! 全部喰い尽くせ!》


「くそぉぉぉぉ!!」


黒い裂け目が奔流を飲み込んだ。

炎と虚無がせめぎ合い、結界全体が揺れる。


数秒――いや永遠に感じる刹那の後。


炎が虚無を押し切った。


「ぐあああっ!」


爆風に吹き飛ばされ、僕は地面に叩きつけられた。



「……勝者、紅クラス!」


審判の声が響く。観客席から歓声が爆発した。


「やっぱり紅だ!」


「黒なんて所詮、奇跡止まり!」


僕は朦朧とした視界の中で、ブランとマルコの必死の顔を見た。

ティアは泣きそうな瞳でこちらを見つめている。


《惜しかったな、相棒。でも……悪くねぇ》


「……うん……僕も……少しは……」


意識が闇に沈む。


黒の挑戦は敗北に終わった。

だが、その爪痕は確かに刻まれたのだった。



ここまで読んでくださり

本当にありがとうございます!!


紅クラスとの戦いは黒クラスにとって大きな壁となりました。

結果は敗北――けれど、確かに爪痕は残したはずです。

ここからルカがどう成長していくのか、ぜひ見守ってください。


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