ご褒美は、パンダ!?そしてお酒作り開始
あれから、宿に戻り、アイテムボックスからスマホを取り出す。
メールの欄を開けると、そこには、アーデラスからメールが来ていた。
「何々…孤児院も教会のオーナーになり、子供たちを助けた為、牛肉と次の牛を送ります。まだ、レベルが、上がってませんが、次のレベルアップ次より、選択制に変わります。牛肉は、好きな部位を思い浮かべてどのくらい必要か、切り方を想像して、アイテムボックスから取り出すと出てきます、と…牛肉…」
アイテムボックスのリストを見ると、確かに今までは、なかった牛肉が、追加されていた。
「牛肉か…スジとか出しておでんとか味噌煮込みと美味しそう…ん?牛を送ります?」
パッと窓の外を見ると、一瞬光り輝いて収まるのが見えた。
慌てて、スマホをアイテムボックスに入れると、下へ駆け降りた。
宿屋の外に出ると、ドンとカド、コカド以外にもう一頭が、カドの餌を食べていた。
口元を押さえて、涙目になりながら、新しく来た牛へ近づいていく。
不意に、新しい牛が、後ろを振り向き、優舞を見るて、首を少し傾けて、「ママ?」と呟く。
一気に走り寄り、新しい牛に抱きつく。
「パンちゃん!!ごめんねごめんね助けてあげられなくて、あの日!!」
「ママ、僕大丈夫だよ。確かに、黒い服の人達が怖かったけど、いきなり真っ暗になったけど、今、ママの側に居られるからいいの!」
「パンちゃん……」
一旦、身体を離すと、にっこり笑ってパンちゃんと呼ばれた牛の鼻にキスをする。
「パンちゃんこれからは、ずっと一緒だよ。パンちゃんもう足踏まないでね…血まみれになるの嫌だから」
「ふっ踏まないよ!あの時は、あいつが悪いの!近づいて来るから!僕はママだけでいいの!ママの所に逃げたら踏んじゃったの!?」
想い出話し花を咲かせていると、マーサとサイルが従魔小屋にやってきた。
「ユウさん?なんか増えてない?」
「ホントだー!ねーちゃんこの子は?」
「この子は、パンダって言うの、気軽にパンちゃんって呼んであげて、それとまた新しい命も生まれるから」
「えっ!?またお腹にいるの!?わーい」
サイルは、嬉しさのあまり踊りながら牛たちを触っていく。
「サイルは、まだまだ童じゃなのぅ…パンやおぬしも、主の事を守るのじゃぞ。そういえば、パンはどんな魔法が使えるのじゃ?」
「僕はね、土魔法だよー、壁もつくれちゃうんだから!えっへん!」
「パンちゃんは、土魔法なんだ。色々使えそうだね…窯も作れそう」
「ママがイメージを送ってくれたら作れるよ!作ってほしいときは、言ってね」
こくりと頷くと、パンダの頭をがしがしと撫でると、魔導コンロなどを出して早めに夕食を作り始めた。
今日は、牛肉が手に入ったので、鍋の中に、店で買ったワインと牛肉を入れて、手をかざす。
「生成ビーフシチュー」
たっぷりのビーフシチューが、出来るとアイテムボックスへいれる。
その要領で、小麦粉からフランスパンを作り、アイテムボックスへ入れてから、パンダを連れて、孤児院へと向かった。
孤児院に到着すると、シスターが、小さくてガッチリした人と喋っているのが、見えた。
シスターとその人は、教会と孤児院を見上げ、指をさしている。
「シスター、今から夕飯を作りにきたんだけど……えっ?小人のおじさん!?」
「オーナー!彼はドワーフですよ。見るの初めてですか?」
「うん!ドワーフがいるんだ…可愛い…」
ドワーフは、咳払いすると、優舞を見上げる。
「ワシは、ドワーフのガンゴじゃ、ここのシスターさんに頼まれて、教会と孤児院を直してくれと頼まれた者だ」
「わたしは、ユウと言います。ガンゴさんよろしくお願いします」
自己紹介が終わると、3人で中に入り、打ち合わせをしていく。
ガンゴは、紙を広げて、まずは教会から手をつけると宣言した。
そうすれば、次に孤児院をした場合、教会で寝泊まりが、出来るようにする為だった。
「今の状態だと1から作り直した方がいい、そして2階も作り何個か部屋を設けようと思う。2階に事務所とシスターさんの部屋、後は倉庫などだ。教壇の横のドアからは、孤児院に抜ける道と畑に行く道を作ろうと思う」
優舞は、ガンゴの話を黙って聞いて目を閉じて、顎に手を添えた。
数分そうしていた後、目を開けてガンゴをみる。
「ガンゴさん、隠し通路を作って欲しいんですけど、できれば女神像の下に」
「女神像の下にか?まぁいいが…なぜだ?」
「緊急事態の時に隠れれるようにしないと、特に建て替えた後は、金があると思われて変な輩が侵入するかもしれません。子供達優先で、でもこれは、内密に進めてくだい。緊急時までは、子供達にも内緒で」
と言い、あとはこのまま進めてくれと頼み、部屋から出ていく優舞。
調理場に入ると、さっき作ったビーフシチューをもう一度大量に生成していく。
フランスパンも大量に作り、カゴの中に詰めていく。
外を見ると、夕焼けが見えており、急いで食堂のテーブルに並べていく。
並べ終わると、子供達が、匂いに釣られて食堂へはいってくる。
最後に、シスターとガンゴが入ってきて、席へと座る。
「ワシまでご馳走になって悪いな…ほぅこの匂いワインか…どれ味は……うんうまいワインも料理に使えるのだな…うーんこれは、酒がほしいのう……」
チラチラと優舞をみるガンゴ、優舞は冷や汗をかき、ため息を吐く。
厨房に向かうと、生のとうもろこしを取り出して手をかざす。
「生成、バーボンウイスキー」
光が、収まる時角張った瓶が鎮座していた。
戸棚を調べるとコップしかなかったが、仕方ないのでコップと瓶を持ち、ガンゴの所へ持っていく。
「バーボンウイスキーをどうぞ」
「初めて聞く酒だの…香りも良い…味は……!?
なっなんじゃこれは!?度がきついが、上手い、うま過ぎるぞ!度がきついのは、まずいモノばかりだったが、これは最高に上手い!しかも料理に合う!すまんが、残り貰っていいか?」
優舞は、肩をすくめ軽く頷き、呆れたようにガンゴを眺める。
ーやっぱりドワーフ、ブレないな…酒好きとかやばっ、また作れって言われそう、とうもろこしと芋大量に買っとくか、次は金とったろー
そう心の中で呟くと、シスターに挨拶をして孤児院を後にした。
次の日の朝、搾乳をしていると、3人の小さな人影が、従魔小屋に近づいてきていた。
「主殿誰か来たようじゃ」
ドンが見ている方に振り返ると、昨日会ったドワーフのガンゴと知らないドワーフ2人が立っていた。
「よう!オーナーさん昨日の、バーボンとやらもう少し分けて来るんか?」
「おうよ!大量に頼みたいんだが」
「まぁいいですけど…大体予想はついてたんで…それよりお二方は?」
「オラは、ガンゴの弟のギンゴ、それから弟のグンゴだ。」
「ユウです。孤児院のオーナーもやっています。バーボンウイスキーだけど、材料が今少ないから買いに行かないと大量には作れないよ、今の在庫ならせいぜい5個かな、それでいいならすぐ作るよ」
「おう、それで頼むわ…これくらいでいいか?」
巾着袋を手渡され、中を除くと金貨30枚ほど入っていた。
「この金額分作ればいいんですか?」
「おうよ、じゃあ頼むぞ」
優舞はため息を、吐くと一旦宿の中に入り、バーボンウイスキーを作ってすぐに外へ出る。
角張った瓶をドワーフ達に5本渡すと、喜んで頭を下げ、帰って行った。
「ユウさん、今のドワーフですよね?知り合いなんですか?」
「うん、孤児院を建て直してくれる人、酒作れって言われるとは、思わなかったけど」
この日、朝イチで買い物を済ませて、孤児院に向かい、朝食を作り終えると、調理場を借りて大量のバーボンウイスキーとウイスキー、それからいも焼酎を作り始めた。
その日の夕方、ぐったりとして宿に帰ってきた優舞は、後のことをマーサに頼み、早々に布団の中に入っていった。




