洗礼式
孤児院から帰ると、マーサ達に明日の予定を伝えた。
「洗礼式ですか?それって私やサイルも受けてもいいですか?」
「構わないけどサイルはわかるけど、マーサ受けてなかったの?」
「はい…親もいなくてわからなかったのでサイルも8歳だけど、旅に出るなら少し早めでも大丈夫みたいなので」
翌日、3人朝食を食べ終わると孤児院へ向かう。
中にはいると、まずは食堂に行き、朝食を並べて行く。
ぞろぞろと子供達が入ってきて、最後にシスターがやってくる。
シスターに2人を紹介して今日の洗礼式の参加をお願いした。
「えぇ構いません。今年は2人合わせて12人、孤児院からは8人外部から2人になっています。すみませんが、オーナーにはいつもの量の8人分追加で昼食を作って頂きたいのです」
「わかった、他はない?」
「12人なので洗礼式もすぐに終わると思いますのでこちらの手伝いは大丈夫です」
ーーーーーーーーー
洗礼式に参加する子供達が集まると1人ずつ、女神像の前に跪き、祈りを捧げる。
マーサの番になり、女神像の前で跪くと、頭の中に何かが流れてくる。
たくさんの文字が、流れてきて、その中から3つの言葉が浮かび上がっててきた。
"水""風""癒し"
この3つが、マーサの頭を支配し、やがて身体中に浸透していく。
「マーサ、あなたには、水魔法、風魔法、それから癒し魔法が使えます。癒しは、傷や怪我を治してくれる魔法です。有意義に使いなさい」
「ありがとうございます。シスター」
シスターに頭を下げると、サイルの元へ向かった。
入れ替わりにサイルが像の前に行き、跪く。
「サイル、あなたには、空間魔法、火魔法この2つが女神より承りました。空間魔法は、生きた物以外を収納できるアイテムボックスのことです。有意義に使いなさい」
ぺこりと頭を下げると、マーサの元へいく。
「お姉ちゃん僕、2つだけだった」
「いいじゃない2つでも、サイルには、空間魔法があるのよ。そっちの方が、羨ましいわ」
「では、以上で、洗礼式を終わりたいと思います。
少し早いですが、食事を用意しています。食堂へどうぞ」
シスターに続いて洗礼を受けた子たち、その後ろに外部から来た家族がぞろぞろと食堂へ入って行った。
食堂には、たくさんの料理が並べられており、見た事もない料理がならんであった。
「みなさま、洗礼式お疲れ様でした。私は、ここオーナーで、食事を用意しました。お腹いっぱいになるまで、お楽しみください」
「おっオーナーさん、悪いんだが、これは…初めて見る料理だが?」
「あっ、では一つずつ、こちらはロックバードの唐揚げ、こちらは、オークのトンカツ、こちらは、野菜たっぷりの春巻き、そして、この黄色いのは、卵焼き、パンは、フォカッチャとなっていて、そのまま食べても、具を挟んでも美味しく食べれます。
後、パンにつけるイチゴジャム、バター、ピーナッツバターを用意しましたので、ごゆっくりお楽しみください」
説明を受けた、親たちは、ジロジロと揚げ物を見ていたが、子供たちは、フォークに揚げ物を刺すと、口の中に入れる。
「美味しい!なにこれ、美味しすぎていっぱい食べれる」
それを聞いた親たちは、おずおずと揚げ物を口の中に入れる。
美味しかったのか、もくもくとおかずを口の中に入れていく。
食事が、終わると外部の人たちは、シスターに謝礼金を渡して帰って行った。
残った子どもたちは、自室に戻り、代わりに洗礼式を受けてない子たちが食堂へ入ってきた。
オードブルを出して、フォカッチャが入ったカゴ、ジャムなどをテーブルに置いた。
「うわー今日はご馳走だー♪」
勢いよく食べる子どもたち、それを微笑ましく見て、シスターも席についた。
「オーナー、今日はありがとうございます。おかげで、洗礼式が、無事に終わりました」
「こっちは。料理用意しただけだから」
「いえいえ!外部から来た人たちも喜んでいましたよ。本当にありがとうございます」
食事をするようにシスターに告げ、優舞は、食堂を出て、教会に足を運んだ。
女神像の前に跪くと祈りを捧げる。
すると、身体が軽くなる感覚が、あり目を開けると、不思議な空間に女神アーデラスが立っていた。
「アーデラス様?どうして?」
「あなたにはとても感謝しています。また、褒美をメールとやらでお送りしますので、お受け取りください。またお会いできる日を待ち望んでおります」
と女神が、言うと、女神が、光を放ち、眩しすぎて目を閉じてしまった優舞、光が収まり、目を開けると、教会に戻っていた。
「アーデラス様、ありがとうございます」
また目を閉じて祈りを捧げる。
ーーーーーーーーーー
次の日、優舞は、ブタネコを捕まえて、孤児院へやってきた。
「いいか、ブタネコ、お前約束したのに売り子もせず、昼寝したり、遊び回ってるからお仕置きだ。
ここで、子どもたちの相手をする事だ」
「にゃっ!にゃっ!マジかにゃ!そんにゃー…じゃあ主オイラ、テレパシーで主に連絡したらいいのにゃ?」
「は?何、お前魔法あったの?他には?」
「テレパシーは、オイラが、認めた人以外とは、出来ないにゃ、後は、空間魔法にゃ、主と同じアイテムボックスにゃ…ほにゃ!ねずみにゃー捕まえて入れておいたにゃ」
アイテムボックスから死んだネズミを取り出すブタネコ。
それを、目を細めて睨みつけるように、ブタネコを見る優舞。
「……それほんとにあんたが取ったの?」
「にゃ……?そっそうにゃ…」
「ふーん女神様に貰ったんじゃないの?あんた、ネズミ取った事ないじゃん、いつも失敗して、ツヤコやシマコが取ってきたやつ横取りして食べてたじゃん」
冷や汗をかきながら、目を逸らして行くブタネコ、それをがっしりと捕まえて、孤児院の運動場に投げた。
猫なので、地面に上手く着地して、足の裏を舐めている。
「ブタネコいいね!ここでこれから暮らすんだよ!何かあれば、報告する事!後、外部から来た人に、注意するんだよ」
「わかったにゃん…字も教えればよいにゃん?」
「えっ?教えれんの?」
「女神様からのご加護で、字や読み書きもできるにゃ…」
「わかった、あんたのこと伝えてくるからここで大人しくしときな」
食堂に入ると、朝食を用意して皆んなが、くるのを待った。
数分もすれば、ぞろぞろと子供たちが、入ってきて、最後にシスターが入ってくる。
「シスター、頼みがあるんだけど、外に猫…キャット・シーのブタネコが、いるから預かって欲しいだけど」
「わかりました」
「ブタネコは、字の読み書きできるから、子供たちに勉強教えてくれるみたいだから、こき使って、遊び相手にもなってくれるから、勉強時間だけシスターに管理してくれたら大丈夫だから」
「承知しました。お食事の方は、どうしたらいいですか?」
「自分で持ってるから大丈夫だよ」
「わかりました」
そう会話したあと、ブタネコを連れてきて、みんなに挨拶するように促した。
最近忘れてたブタネコ、そういえば、この後どうしたらいいかと、思ってたら、あっ孤児院に預ければよくね?ってなって、売り子もしていないグウタラな猫として、再登場(笑)
ブタネコは、最後、病気にかかって、薬とか打ったんだけど、間に合わなくて死んでしまいました。
確かに、他の猫と比べると、好みではなかったけど、人懐っこくて一応、アイドルでした。カメラを向けると歌い始めたりポーズをとったりと本当にYouTubeに流そうかと思った時期もありました(笑)




