生成魔法と生成管理棟施設
次の朝、いつものように搾乳をして、屋台を出す場所にきた。
屋台の用意をすると、マーサとサイルに屋台を任せて、今日は、カドを連れて優舞は、孤児院へと足を向けた。
孤児院に入ると、食堂へ行き、席に朝来る途中で買ったパンと夜のウチに作っておいたスープを並べていく。
すると、ゾロゾロと子供たちが起きてきて、席に着いていく。
「シスター、子供たちおはよー」
「オーナー、おはようございます」
みんなが、声を揃えて優舞に言うと、スプーンを持ち食べ始める。
優舞は、みんなが食べているのを横目に畑の方へ移動して、昨日買ってきてもらった苗木を植えていく。
植え終わると、カドに水を撒いてもらい、厨房へ向かった。
厨房には、カドを連れて行き、掃除を始める。
掃除は昼前に終わり、厨房が使える様になり、食材を出して昼食を作り始める。
「オーナー、少しいいですか?」
昼食を作っていると、慌てた様子でシスターが厨房に入ってきた。
「何?何かあった?」
「いえ、あの!明日なのですが、洗礼式がありましてそれで、街からも多分数人程、親子が来るので手伝って欲しいのですが」
「洗礼式?なんですかそれ?」
「洗礼式とは10歳になる子に女神アーデラス様が、魔法を授けてくれるんです。1人一つから五つまで何個貰えるかわかりませんが、授けてくれるんです」
「へーそんな儀式があるんだね」
「オーナーは、洗礼はされてないのですか?」
「あーいや多分してるよ、私は鑑定と生成をもらったから」
「生成!?そんな貴重な魔法を授けてもらったのですか!?」
食い入る様に優舞に顔を近づけて、手を合わせる。
「まぁ使った事ないですけどね、使い方も知らないですから」
「勿体無い!でしたら、生成管理棟施設に行かれては?
昔ほど、厳しくは無く、今は、自由ですから」
「ん?どう言う事?」
「10年程前までは、管理棟の方が、洗礼式に立ち会い、生成を授かった子には、親にお金を渡し、無理やり連れて行き、死ぬまで生成させていたんです。生成は年に1人現れたらいい方で、なかなか現れず、その様になったと言われております。それが、10年程前、先代の陛下が崩御なされ今代の陛下が改善したのでございます。ですから、今は入りたい子だけが自己申告で入れる様になったのです。それに生成を授かってもオーナーみたいに使えない人は、管理棟に赴いて、使える様にしてもらうみたいですよ」
「管理棟施設ね…この後行ってみます。後、畑の世話お願いしますね。明日には根が生えると思うので」
急いで昼食を作り終わると、食堂に並べて、孤児院を後にした。
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管理棟施設に行く道中、わからない為、街の人に聞くと、少し怪訝そうに場所を教えてくれ、なんとかたどり着いた。
門のところからすいませんっと叫ぶと、中から20代後半の男が出てきた。
「管理棟になにか?」
「生成の使い方を教えてくれるって聞いたので」
「生成持ちかい?入りなさい…そっちは君の従魔かい?」
「はいそうですけど、中に入れちゃダメですかね?」
「いや、庭なら大丈夫だ」
門の中に入ると、庭が広がっており、たくさんの畑に、青々と植物が育っていた。
「これ、薬草ですか?」
「あぁ主に、ポーションを作っているのでな」
「一つ聞きたいんですけど…どうしてここに来る時ここを聞いたらみんな怪訝そうな顔してたんですか?」
「あぁ…もう10年経っているのに、まだ生成持ちの子が出来らたら、連れ去られると思っているからだろう…もうあいつが変えてくれたのにな」
男は、哀愁を漂わせて、どんどんと建物の中に入っていく。
研究室と書かれた、部屋に案内されると、沢山の薬草が並んでいた。
「まずは、簡単な初級回復ポーション作りから…セージ草、魔水、コリアン草この3つで初級の回復ポーションができる。あとはそれを入れるビン、では実践してみるよ……"生成回復ポーション"」
3つの材料の上に手をかざし、呪文を言うと、ピンク色の光に包まれ、目の前にはビンに入った、ピンク色の透明な液体があった。
「これが、生成魔法じゃあ次は君の番ね…えっーとセージとコリアン……魔水がないな」
セージ草とコリアン草を手に取って自分の前に置き、手をかざす。
「"生成回復ポーション"」
「うわっ待って!材料が!」
ピンクに光と収まる頃には、ビンに入ったピンクの液体が姿を表した。
「ちょっ!えっビンもまだ用意してないのに!まさか100年に一度現れるって言う1つの材料で出来る生成魔法なのかい?」
「さぁ?でも聞いたところによると1つでもあればできると言ってましたけど?」
「誰が?」
「あー…洗礼の時に女神様が……」
「まさか、女神の声が聞こえるなんで…まさしく、女神に選ばれたのだろう、じゃあ他のポーションを作ってみるかい?」
こくりと頷くと、男は、走って部屋を出て行き、材料をかき集めてきた。
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次から次へとポーションを作って行くと、男はあることに気づいた。
始めに優舞が作った回復ポーションを太陽の光を通して覗き込むと自分が作ったものより、濃いことに気づいた。
「まさか…鑑定…やはり上級ポーションだ、魔力ポーションは…これも上級か…毒や麻痺は?やはり全て上級だ…こんなことは初めてだこれが、女神に選ばれた者の力…」
「あのー、これってポーションしか作れないんですか?」
出来たポーションを持ち上げでフルフルと振って中を覗きながら、男に話しかけた。
「いや、他も材料さえあればできるよ」
アイテムボックスからオークの肉と皿をを取り出して、机に置く。
「"生成ハンバーグ"……出来た!生だけど」
「えっ空間魔法も持ってるのかい?」
「うん、後鑑定、この3つのみだけど」
「そうーなんだ…3つも珍しいやはり、女神に認められただけあるな……魔法使う時、頭に具体的に想像して念じれば、焼けたのも出てくるぞ」
「そうなんだ…やってみます」
また材料をアイテムボックスから取り出すと、魔法をかける。
つぎは、ロックバードの肉で唐揚げになった。
「わぉ…唐揚げ出来立て…じゅるっ…」
「さっきのもそうだが、これはなんだい?」
「鳥の唐揚げ、私の大好物」
「たっ食べ物だったんだ…一つもらっていいかい?」
皿を差した出すと、男は、唐揚げを1つ摘み上げ、じっくり観察して口の中に放り込んだ。
「あっち…でもうまい!これ全材料教えてくれるかい?」
アイテムボックスから紙を取り出すと、唐揚げの材料を細かく書いていく。
「しっ醤油とは?後、片栗粉とは何かな?」
「醤油は、大豆から、片栗粉は、カタクリという花からできます。まぁ小麦粉で代用できますが、後は澱粉でもできないことはないと思いますけど」
「澱粉?カタクリはカタリ草か?」
薬草が入った袋をゴソゴソして紫色の小さな花のついた草を取り出した。
「あっそれです。後、澱粉はじゃがいもで出来ます」
アイテムボックス入ってるじゃがいもを数個出して魔法をかける。
澱粉ができて、男に見せる。
「これが澱粉…こっちが片栗粉で、この黒い液体が醤油…ロックバードの肉少しいただけないか?」
アイテムボックスから取り出すと、男は、材料を並べて、魔法をかける。
熱々の唐揚げが出来上がった。
口の中に入れると、熱くて出してしまいそうだったが、我慢して美味しさを噛み締めた。
「いやーありがたい俺も唐揚げの虜になってしまった、君、管理棟に入る気はないかい?予定数さえ作れば後は自由にしてくれて構わないのだが」
「興味ないので、それにまだまだ旅をしたいので、あの子達と」
「そうかい……また何か困ったときは、いつでもきてくれて構わないから、顔を出してくれるかい?またこの様な物も教えて欲しい」
「はい!」
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孤児院に戻る前に屋台を見にいくと、既に完売御礼で片付けを始めていた。
「今日も売り切れたんだね、私はまだ用事があるから先に帰ってて、ドンちゃん2人を頼むよ」
「御意」
ドンちゃんに2人の事を頼むと、孤児院に足早に向かう。
厨房に入ると、材料を確認するが、何故が作る気にはならなかった。
それはまだ、生成をしたいと思っていたからだった。
「あっ…澱粉作ったんだ……お義母さんに教えてもらったいももちでも作るかな……あれ?これ売れるので?畑でじゃがいもを採取して…管理棟に澱粉してもらって、それで子供たちがいももちを作って売ればいいのでは?」
うんうんと1人頷きながら、いももちをせっせと作っていった。
食堂には、パンと生成で作った出来合いのスープそれからいももちが、たくさんならべられている。
子供達が、席につくと急いで食べ始める。
「シスター、明日はいつくらいに洗礼式が始まるの?」
「そうですね、午前中に始めて昼には終わると思います。出席していただいた子そのご家族に食事を振るわなければなりませんので」
「じゃあ、結構作った方がいいみたいね…祝いだから少し豪華にしないとね」
いももちは、じゃがいもを茹でて、澱粉を適量混ぜわせて出来ます。
初めて食べた時、こんな物があるんだと思いました。
すごく、美味しいです。
北海道だけなのか、わかりませんが、冷凍食品でもありました。
じゃがいもだけではなく、かぼちゃバージョンもあってホクホクで美味しいです。




