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魔法士養成所「レグニアス」2 --過去編

今回は赤月憐の過去を少し深ぼった内容になっております!是非お読み頂けると泣いて喜びます!

私は貴方に見つけて貰えたからここにいる。貴方が光を、道を照らしてくれた。

でももうそんな貴方は居ない。だからこそ私はどんな、微かな手掛かりこそあれば全力になって探すだろう。貴方にもう一度逢いたい一心で。

だから利用させてもらう。ごめんね、赤月。これが、彼女が残してくれた唯一の手がかりだから。

私、椎名真澄(しいなますみ)は貴方をマ(・)マ(・)を必ず見つけ出す。貴方が私を見つけてくれたように。

例えそれが、誰かの不幸になったとしても。

私は---手段なんて選んでられないんだから。



「何故知っている…。どうして!誰も、見つけようなんて無いはずなのに!」


私は知っている。彼がどうしてこんなに焦っているのか。彼がどうしてここに入学してきたのか。彼の過去も大体は把握している。そして、その秘密がバレることが彼の目的への阻害になるとも分かっている。どうして分かってるのかって、ママからの手紙に書いてあったから。ここへの入学の決めてもママの鶴の一声で決まったようなものだ。


「ちょっと落ち着きいや。私は誰にもその秘密をバラしたりしない。赤月の秘密がバレることは私にも不都合やからや。」


赤月憐は私から見ても明らかに動揺している。元血剣騎士団団長ともあろう者が情けない。


「じゃあ、椎名の目的はなんなんだ。話し合い--してくれるんだろ?」


冷静さを保とうとしている。これ以上ことを荒立てないために。それには私も誠心誠意答える必要がある。全ては私自身の目的のために。


「私が知っていることを話すよ。それに私の目的の事も。だから落ち着いて聞いてほしいんや。」


憐は頷き、深呼吸する。なんでだろうか私も緊張する。ここで恐らくほぼ全てが決まると言っても過言では無いからだ。これから先のことが、ここから始まるのだ。


「私はそもそもの話、赤月憐がここに入学することを知っていた。」


憐は驚きすぐ言葉を吐き出す。冷静を保ってるように見しても憐も落ち着いてなんか居られないのだ。


「誰から聞いたんだ!誰が知ってるんだ、月(・)一(・)族(・)と繋がってるのか?」


私も冷静を装って返す。深呼吸深呼吸。


「落ち着いて、私が話す番や。焦ったって何一ついい事なんかないんやで。」


憐は不満そうに頷いた。今度こそ話を聞いてくれそうだ。


「どうして、知っていたのかは後から話す。元々私は赤月の事詳しくは知らんかった。知っていたのは皆と同じ情報。私達の国、南大国ブロッサムは月一族が纏め上げている。赤月(あかつき)、神月(かみつき)、双月(ふたつき)、水無月(みなつき)、如月(きさらぎ)の五つの家系。そしてその月一族代表。ブロッサムの国王赤月黒龍の一人息子、赤月憐。つまりは、王子ってわけやな。そしてその直属の騎士団、血剣騎士団の元団長ってことくらいや。9歳で入団し12歳には団長そして、14歳まで指揮を取り犠牲者は出しつつも任務はほぼ遂行して来る。私はいけ好かないやつだと思ってた。」


ここまでは私が、というかほぼ国民全員が知っていた事や。重大なんはここから。


「話は戻るけどな私は、母親を探しているんだ。丁度1年前くらいに急に居なくなったんや。」


憐は少し困惑した様子で返してくる。


「急にって、どうして?心当たりは無いのか?何処にも情報はなかったのか?」


私は首を横に振る。ゆっくりとゆっくりと。


「心当たりは無いよ。情報もない。沢山探した。そんな時にな一通の手紙が届いたんや。誰やと思う?なんと母親からだったんだよ。そこに入ってたのは、レグニアスに入学しろっていう事とそこに居る赤月憐を探し出して頼れって書いてあった。目的は同じはずだからってな。そして他には憐の過去についての資料が沢山あったんや。だから私は赤月が---憐が過去にどんな目にあったのかを知っている。」


憐は大きく目を見開いたままこちらから視線を離さない。驚きすぎて離せないのだ。


「ははは、お前の母ちゃんは凄えんだな。で、そこにはなんて書いてあったんだ?嘘かも知れないよ?」


私は笑う。嘘なわけない。だって私のママは嘘はつかないから。


「私はママを信じてる。」


私は憐を少し睨みながら語った。憐は驚きながら「悪かったよ」と言わんばかりの表情をしている。


「赤月憐には幼なじみが月一族の他に一人いる。基本月一族は外部との交流はしない。何故なら月は国の核。月一族はそれぞれの固有魔法(ユニークまほう)を持っている。その魔法が外部に漏らされることは許されない。1つの魔法がバレただけで国を揺るがすことになるかもしれないからだ。ただ、大国は4つある。もし、3ヶ国が手を組みこちらを襲撃してきたら流石に勝ち目はない。」


私は少し間を置いて話す。冷静に伝わるように。

憐も落ち着いて聞いてくれている。


「だからこそ、隣国との外商で西大国ルルーから王女を約3年間預かることになっていた。月一族の魔法を伸ばす環境は凄いらしいからね。それが7歳~9歳の出来事。名前は--アリス イン ワンダーランド--そして世話付きの名前が--リィ--。どう、ここまで合ってるかな?」


私は和か(にこやか)にウィンクをする。憐は少し目を逸らしながら言葉では返してくれないが、頷いている。


「基本アリスは女性が比較的多い神月で面倒を見られていた。そして、いつも3人で行動していた。神月一族の長女、神月蓮希(かみつきはすき)とアリス、そして憐でね。3人は仲良く毎日過ごしていたらしいね。ただ3年はあっという間だ。お別れの日はいずれやってくる。私が知ってるのはざっくりとした所だけだから他にも色々あったんだろ?」


憐は震えながら、閉じていた口を開き今にも消えてしまいそうな声で話す。


「そうだよ。色んな変え難い思い出が沢山あるんだ。蓮希はな超可愛いんだ。俺には眩しいくらいにな。サイドテールで髪が肩くらいあって少し紫がかった髪色で八重歯が明るくて誰からも人気がある女の子だったんだ。アリスはな、綺麗な金髪と青眼でボブくらいの頭の右上にリボンが特徴的で、蓮希と同じく明るくて少し世話付きの女の子だったんだ。蓮希はいつも上から目線であーじゃないこーじゃないって言ってきてさ。。アリスが宥めてくれるんだ。喧嘩はやめなさいって!アリスが止めるんだ…。因みに剣技もさ、アリスも蓮希も強くて勝てたことなんか一回もないんだぜ?笑えるよな、そんなんで俺が騎士団の団長だなんて。それで、3人のお別れの時約束したんだ。」


憐はそういうと月の形をしたネックレスを見してくれた。とても可愛らしい形だ。

私は黙ってそのまま憐の話を聞く。


「3人で、また会う時。その時までこれを持っていようって。お互いの形見だと思ってってな。俺が作ったのをアリスが、アリスが作ったのを蓮希が、そして蓮希が作ったのを俺が持つことにしたんだ。そしていつか3人で誰もが笑える国にしようって。国ごとの隔てないそんな国をこれから俺らで作ろうってそう約束したんだ…。」


憐は前を向こうとしない。先程同様に震えている。

ここまで聞いた過去だと、そこまで辛い過去じゃない。むしろ青春!って感じで羨ましい過去だ。だからこそ、問題はここからなのだ。

そして今度は私が言葉にする。


「そんな楽しい思い出とは裏腹に、事件は今から約2年前に起こった。名目上和平であった西大国ルルーがこちらに宣戦布告をしてきた。ただ、1番仲がいいルルーが攻め込んで来たとなれば国中パニックになる。だから父さ--いや、王は月一族だけで対処すると判断になった。基本的に、赤月は騎士団である故に前衛に。水無月は忍び故に隠密魔法や襲撃、陽動に。神月は回復魔法。双月は産まれ持って双子で産まれてくる。だからこそ連携に。如月は遠距離魔法や、魔道具を作ることにそれぞれ長けている。」


私は間髪入れずに話をする。


「憐は気が気じゃなかったでしょうね。だってルルーにはアリスがいる。だからこそアリスに会いたかった。会って止めるように伝えたかった。だからこそ判断を鈍らせて司令塔である自分自身か最前線にまで行っていた。そしてアリスには無事に会えた。ここまでは良かった。ここから先が最悪だった。アリスは--」


憐は私の言葉を遮って返す。「もういい、全てあってる。だから、ここからは自分の口で話す。」憐は下げていた顔を上げ、目を涙で赤くさせながら話す。


「そうだ、そしてアリスに会えた。ただアリスの様子はおかしかった。どんな言葉をかけても何もうんともすんとも言わなかったんだ。そして眼を見た時、模様が付いていた。それは特殊奴隷魔法。所謂、洗脳魔法だ。俺は悟ったよ、ああ意識なんてないんだ。ただ目の前を敵を殺すためだけに今アリスはここに居るんだってな。俺らのことなんか見えてなんか居ないんだって思ったら最高に悲しくて最高に笑えちまった。それで仲間がアリスを殺そうとした時、俺は止めちまったんだ。それが指揮官としての判断が間違っていると自覚してもだ。仲間も流石に3年間いたアリスのことは知っていた。でも、切るしかないって言ってた。このままだと誰かが犠牲になるって。そしたらなその仲間はすぐ切られた。俺のせいで死んだんだ。そして残ったのは俺1人。6人で居た部隊を俺が1人で5人殺したようなもんだ。俺がもう死んでもいいと思ってる時、切られそうな時俺の目の前に入っていた馬鹿がいたんだ。それが--蓮希だ。俺の身代わりになったんだ。」


私は言葉に詰まる。私が憐の立場ならどうするだろう?齢14歳の少年が指揮を取りつつ、昔の大切な親友が洗脳され会話が出来ずに襲いかかり、あまつさえ剰え(あまつさえ)蓮希までもが身代わりになった。私はそれに耐えられるのだろうか?


「蓮希は死にかけながらにこう言ったんだ。--間に合ってよかった。アリスの事任せたよ?ちゃんと助けださなきゃだめだよ?アリスは今きっと辛い思いをしている。心の中で悶えてるんだ。だからきちんと向き合って。それと、月一族の皆と仲良くしてね。憐は私以外の皆と仲悪いけどこれからはすぐ喧嘩を売らないで仲良くすること。それと、この判断を悔やまないで。正しくあり続けられる人間なんてこの世には存在しない。何かを間違えて、時に後悔してもう目の前すら見えなくなって、ただそれでも前に進むしかないの。だから、憐は前を向いて歩いて。そんでさ、アリスの隣にいてあげてよ。あの子寂しがり屋さんだからさ。へへ、蓮希からのお願いはこのくらいかな。ねぇ憐、わ…たしね憐の事、だいす…きだったんだよ…。だか…らね…忘れないでね…。--蓮希はそう言いながら息絶えた。それでもアリスは待ってくれなかった俺の前で剣縦に構え振り下ろそうとする時、眼が赤く光悶えながら言ったんだ。必死な一言を。--私は自分を許せない。だからこそ、頼む憐、私を助けてくれ。--そう言ってアリスは森の奥へと消えていった。残ったのは兵5人の死体と蓮希の死体。そして敵の死体の山。その時の俺の感情は本島の意味で無だったな。」


憐は少しだけ、無理して笑顔を作りながら話す。誤魔化しながら、こんな話し絶対したくはないんだろう。


「そして戦争は、ルルーから手を引いた。何が目的だったかは知らないが。それからの襲撃は一切無かった。俺は蓮希が死んだことによっての周りからの避難と血剣騎士団団長としての指揮の責に追われた。当然だ、だっておかしいだろ?指揮官が最前線って。笑いもんもいいとこだ。団員達はとても俺をしたってくれただからこそ、次があると言ってくれた。むしろ間違わない人間はいない。だからこそ失敗を次に活かせって。凄いいいこと言うよな。でもな、俺は辞めた。もう続ける意味なんてないと思ったから。その時俺がしてた事は神月の門の前で永遠に土下座してたことくらいだ。ただ、そんな時1人の女性が現れた。それが--アリスの世話付きであるリ(・)ィ(・)だったんだ。長い髪の銀髪で目は黄色でまるで人じゃないようなそいつは、いつも何を考えてるか分からなかった人。そして俺の恩人になる人だ。」


憐は少し言葉を飲み込んだ後、また声に出す。


「リィが言ったんだ。天界に行こうって。俺は何のことか分からなかった。この世界には創造神とその集いの神が住んでいる天界がある。そこに行こうって話だった。どうしてリィがそんな場所に行ける方法を知っているのかその時は分からなかった。俺はついて行くしか無かった。だってリィが言ったんだ。アリスを助けるんだろ?ってそれを聞いたら行くしかないよな。」


憐は少し笑いながら言う。


「天界は人界に比べて魔法の大気が10分の1しか無かった。そんで建物も背景も全部真っ白で何もねえんだ。それに常にそのせいで魔力切れだ。リィは言った。--創造神を含めないで神は26人いる。神と契約をすることでその神の力を借りることができる。だが、契約するにはそれ相応の実力がないと難しい。だからここから約2年間、憐はここで修行をしてもらう。魔力も薄いここなら限界まで足掻けるだろう。--ってな。俺は必死で修行した、少し話は省くがそこで4人の神と契約した。一応凄いことなんだぜ?--俺が2年間一緒にいて分かったことはリィは龍神(ドラゴン)族ということ。人間では無い。そして、ここにいる神は歴史上に存在する、異世界戦争の中心にいた全能神(ゼウス)ではなく、創造神がこの世界を作成するにあたって、同じく作られた神だと言うこと。」


憐はまた一呼吸してから話す。大分落ち着いてきているようだ。

私はずっと言葉にすることができない。恐らく憐は今誰にも話すことを許されなかった物をようやく吐き出せている。私が遮るよりも壁になって聞いてあげた方が絶対にいいからだ。


「4人目の神と契約をした時だ、リィは突然姿を消した。もう何処にもいなかった。これからどうしようか迷っている時、1人女性が近づいてきてこう言ったんだ。--私はね、なんでも知ってる。貴方が何に悩んで、何をしてきたのか。--俺はその時意味がわからなかったからこう返したんだ--何も知らないくせに知ったような口出さないでくれ--ってな。そしたらな--アリスを助けたいんでしょ?蓮希との約束守りたいんでしょ?--俺は焦ったね、なんでこいつ知ってんだよってだってそれは月一族とルルーに居たリィとアリス本人しか知らないことのはずだから。続けてその女性は言ったんだ。--これから先も一人で助け出すなんて絶対に無理よ。だって相手は大国だもの。だから仲間を見つけなさい。その為には、魔法士養成所レグニアスに入学しなさい。そこに沢山の出会いがある。私の事どれくらい信じるかは貴方次第。でも期待はしているわよ。私はね貴方を見ている。憐--ってな。」


ようやく私の番。私が聞きたかったことが、知らなかったことがようやくでてきた。私は胸が踊った。


「その女性は、どんな姿でどんな顔立ちだった?」


憐は少し戸惑った様子で考え出す。顎に手を添えてそれらしいポーズをしながら。


「どんなって言われても一瞬だったしな。顔立ちは、目がつり目でシュッとしてて、髪型はお団子の黒髪の服は黒装束みたいな感じだったかな?」


あぁ--やっとみつけた。


「それが私のママ。椎名未来(しいなみらい)。私がずっと探し求めていたママ。」


憐は驚いた表情をしている。恐らく憐が驚いているのは2点。まず、その謎の女性が私の母親だってこと。そして椎(・)名(・)未(・)来(・)が、私の母親であるということ。


「なるほどな、そういうことか…。それにしても椎名未来が椎名の母親か。最高の魔法士と謳われている椎名未来。ただ最強ということ以外は謎に包まれ過ぎていて何も分からない女性。はぁ…。だからか。全ての納得がいったよ。だから、俺と椎名が出会えたってことか。」


流石元団長。理解が早くて助かる。


「じゃあ、私の目的はわかるよね?」


私はウィンクしながら憐に語りかける。憐もそれに頷く。


「椎名の目的は俺と出会い、俺と一緒に母親を探し出すこと。そして、俺の目的は仲間を見つけて、アリスを助け出すこと。お互いの目的を達成するために一緒に旅をするっていうのが椎名の目的だな?」


私はうんうんと頷き。一呼吸して答える。


「そう。それが目的。で、憐的にはいつ旅行行く予定?来週?流石に早いか、来月とか?」


憐は口を広げ呆気に取られている。


「はぁ。そんな急いでいいことは無い、流石に早すぎる。予定で少なくとも半年~1年後だ。」

「え~??なんでよ!早く見つけ会えたんだからそんないることないじゃん!」


憐はまあ確かにって顔もしてるが、咳払いをして語りかける。


「早いと思う点は2点。まずアリスの状況を伺ってからだ。アリスは今ブロッサムにいて、ギルドの長をしている。」


ギルドとは、民間からの依頼を引き受ける所だ。

魔物大事が殆どだが、人探し、罪人を捕まえたりなんて依頼もあるな。


「あれから2年、名目上ルルーとブロッサムは和解をしてその代わりと言ってはなんだがで、王女自らこちらに出向いてるわけだ。だが洗脳が解除されてる訳でもなさそうだし、接触もできなさそうが現状だ。だからもっと情報を知りたい。もう一点が、もう一人仲間として気になっている人物がいる。そいつにもどうにかこうにか話をしたい。」


そう言われると、それなら仕方ないかと私は食い下がるしかない。それにしてももう一人仲間…って。


「あんた余程雪が気に入ったのね。蓮希ちゃんが聞いたら泣くわよ?」


憐は少し焦った様子でただその後は冷静な様子で答える。


「な、なんでそこで蓮希がでてくるんだよ!それに--雪は気になるところがある。もう少し様子見させてくれ。」


まあ憐が、そこまで言うなら私は引き下がるしかあるまい。


「でも、何か決定や悩み事がある時は必ず報告すること。一人では考えちゃ駄目。これは私にとってもとても大事な事だから。」


私にも譲れない所は幾分かある。それを分かってもらわねばならない。


「わ、分かった。俺もそうだな、この事は誰にも言わないように頼む。」


当たり前のことは憐はいってくる。うんうんと私は頷いた。


そんなこんなでチャイムがなり、憐は教室へ戻る。私もそろそろ戻らなきゃ。でも今日で凄い進展があった。母さんを見つけ出す第1歩だ。


でも、私はまだ全てを曝け出す訳には行かない。恐らく憐はほぼ全て本当のことを教えてくれた。もちろん隠し事もあっただろう。でも私が話したのは椎名未来が母親であることとそれを探していることだけ。

私はね、いつか本当に言える日が来ることを心から願っている。それだけの人に憐がなれることを。本当に---。


これからよろしくね。憐--どうかお願い。期待を裏切らないで。


天界の鐘がなる午後3時。涼しい風と葉っぱがヒラリと舞う、鐘楼(しょうろう)で私達は人界を赤月憐を覗き見している。


「未来〜。憐と真澄は無事出会えてる〜?」


私は書類と睨めっこしながら話かける。


「あぁ。無事会えたみたいだね。」


椎名未来は大きい液晶版に憐達を写しながらニヤリと笑う。


「見なくてよかったのか?」

「うーん。まあいいかなって。見たら会いたくなっちゃいそうだしさ!」


その白髪の女性は書類との睨めっこをやめ、金を鳴らしながら答えた。


「そういうものか。なぁ、創造神様よ。慣れると思うか?憐達は世界を救う勇者に。」

「うーん。なれるかなれないかじゃないよ。ならなきゃダメなんだよ。世界はそういうふうに出来てるんだから。そのために、私や貴方達はここにいる。」


2人は意味ありげな会話を広げ、憐達に思いを、期待をしている。


「未来と違って、僕が直接できることはない。強いて言うなら、傍観者であり続けることのみだ。君たちの行く末を楽しみにしているよ。---雪、真澄。早く君達にも会いたい。」


そう言い残し、創造神 シミュ・ラクールと未来は鐘楼を後にする。これから先、遠くない未来を想像しながら。








どうだったでしょうか!お楽しみ頂けたでしょうか。憐の過去について少しだけ触れさせて頂きました!この後はレグニアスの話に戻るのですが、そちらもお読み頂ければ嬉しいです!なる早で更新頑張ります!コメントなどもお待ちしておりますので気軽にして頂けると嬉しいです!

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