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本の世界の鍛冶士 柊シズクの物語  作者: 川崎タイチ
超未来都市 NIISSA<ニーサ> カグツチ編
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第95話 ロケット部∞アローナの鍛冶士

 閃光が残光へと変わり、ようやく周りの景色が見えてきた……!?


「……え……ええ!?」


 ――夢でも見ているのか?


 目の前に見える景色は一直線の6車線の道路?


 ――か?

 道路がガラスの様に透けている!


 どころか、道路の下にも道路が見える!?

 

 シズク達を追い詰めてきたS660が対向車線で慣性ドリフトをキメてシズクたちの後方から追いかけてくる!!!!


「……シズク!!」


 ハッ!とし、シズクは意識を集中する!


「って!にげ……逃げる!?」


「……いや!……とにかく……走れ!!」

 花梨カリンはシズクにとにかく前を向いて走れとしか言えなかった?か。


 シズクはクラッチを離して1速へ入れる瞬間にフルパワーモードに切り替える!!


 ――左足で一速に入れ加速する!!

 ほんの2秒程で80kmまで一気に加速する!!

 レッドゾーンに当たりそうになる瞬間2速へ素早く入れる!一気に150kmを優に超えていく!


「……シズク!リミッターカットしてるよな?!」


 ――当然だ!


 シズクは3速へ入れさらなる加速に入る!!


「って!花梨カリンさん!付いてこれ……!!ええ!」

「何で同じ速度で加速出来るの!」


 ZX6Rはハイパーマシーンではあるが、シズクの1000RR程の馬力はないはずだ!


「……当然!風のシードの加護と水のシードの加護を付与しているからな!」

「……んなことより!ありえん!!何で……軽四が付いて来られるんだ!どう改造しても100馬力出ないだろ!」

「……倍以上の馬力のバイクと3分の一の重量……パワーウェイトレシオが桁外れに離れてるはずだ!」


 シズクは道なりに加速しながらサイドミラーで確認すると……!!


「なん……なんで!!龍神のカーブなら判るよ?軽四がなんで!付いて来れちゃってるの!!」


 ――シュコーン!!

 ブローオフの音が盛大に奏でる!!


 そして急制動するS660……。


 とにかく前を向く……。

 相手がスピードを落とすならそれで良い。


 とにかく、距離を取らないと……?


 正面を向くと……!

 

 ――戦闘機に乗るカグツチが!

 戦闘機の上に仁王立ちしたカグツチがハンドガンを手に取り、シズクたちを目標に銃口を向ける!


「な……!」

 シズク達に弁解も質問も何も要求せず一言を開く前にトリガーを弾いたー!!


 ――カキーン!!!

 シズクのデザートイーグルのハイパー火力を圧倒する火力のレーザービームのがシズク達を襲う!


 ――紙一重でシズクは交わせた!!


 ……いや、わざと外された!


「貴様らに逃げ場などない!このNIISSAニーサで生き恥をさらし、物乞いにでも堕ちろ!!」

「この一定方向みちびきの地で辱めを受けよ!」


 そして、殺すこともなく、捕縛する事もなくカグツチ達は立ち去った……!


 ◇


 『インフィニティーシステムの帰還を確認しました……おかえりなさいませ、マスター=カグツチ』


 ドロイドがカグツチ達を迎え入れる。


「カグツチ!これで良かったの?アイツらをNIISSAに入れるなんて」

 トモカ達は自分たちのテリトリーへあえて敵を招待した。


「いいのよ。どうせ彼女たちは何も出来ないわ!ここは私たちの創造したセカイであり数百年後のテクノロジーのセカイよ。」

「精神だか、精霊だかは知らないけど、神に2度も盾突いたバカ共をどう矯正するかって事よ?」

「職も無し、親も無し、つても無し。そして、ここはアイツらからしたら超科学のセカイ。日銭を稼ぐ

為に『春すら売れない』わよ。彼女たちを圧倒する美少女ドロイドすら存在するセカイ」


「まさに異世界で無能の2人」

「私の所へ来て平伏し詫びを入れる以外なにが出来ようぞ?」


 要約するとLv1でクリスタルタワー中段に掘り込んだ!ということになる。


「カグツチ……まあ、良いけどさ?」

「大人げないというか……一応、神様なんだからもっとドーンっと構えてたら良いと思うけど……」


 見た目はBBAではあるが、年齢的にはトモカと同級生だ!


 ――カグツチは戦闘モードを開放し、本来の姿へと静かに戻る……。


「実際、まだ子供だし?」


「てかさ……三十路手前の格好よりコッチのが絶対的に可愛いのに……!」

「というか、18歳から30手前までに何が起きてそんなグラマラスな妖艶な姿になるの!」

「18にもなるとさすがにそれ以降ってトッポとか伸びないと思うけど、何で伸びる?」


 むしろ変だ!身長が伸び、胸囲が小さくなるという不具合が!世の中の女子に戦いを挑むスタイルだ!

 

「そう?今のコッチの姿の方が私には不愉快だわ!身長も低く、胸だけ大きいとか。アホっぽいわ!」


 巨乳全員を敵に回したぞ!


 我らがアイドル『たぬき』御大将様は、それはそれはお可愛い方だ!

 その『たぬき様』が溺愛するのがカグツチだ。


 ……何故か?は側近である私にも不明である。

 確かに、カグツチは本来の姿の方が圧倒的美少女である。


 しかし!『我らが21世紀最高1万年に1人の美少女である!たぬきさん』から比べたら若干霞むのだ。

 ただ、霞む程度で十二分に美少女である。


 その21世紀が生み出したハイパー美少女である「たぬきさん」が何故かカグツチを溺愛している。

 重要な事なので2度確認しておく。



 但し、たぬきさんはハイパー美少女ではあるが、性格は『ハイパー兵器』なので、絶対に怒らせてはいけない。

 そのハイパー兵器であるたぬきさん率いるのが『土の神一派』だ。

 彼らの支援を受けてNIISSAが完成した!


 なんと工期は10年を要したらしいが、輪廻側の連中を使ったため、昨日設計図と見積をもらったはずなのだが、見事に完成している。

 たぬきさん率いる地の軍団は、『アウトロー』な連中の集合体だ。


 時間軸の概念が既に崩壊しているようで調律しているのは、やはり『地の神一派』のお陰だろう。彼らはある意味お硬い連中でもある。風の神達の集団を『私立反社会的集団』と仮定するなら。地の神一派は『公立集団』だ!

 解りやす単刀直入に言えば、『シビルサーバント』になる。


 ただ、コチラ側のセカイでは地の集団は公務員ではなく一般人だ。


 カグツチと私しかメンバーがいない勢力とは規模の大きさが違いすぎるが、たぬきさんがカグツチを溺愛している関係で色々と困ることは無かった。しかし、カグツチも『火の神』である為、信仰する者の規模ではかなり広く強大ではある。


 っというより、私がせっせと飛翔体上げて日銭稼いでいる……。

 今や、衛星打ち上げでは『東高校ロケット部』がセカイで1番のトップになっている。

 色々な組織からの圧力……は、大体たぬきさん達が駆除してくれている関係で表立っては特に何事もないよう処理されている。


 ただ、時間の概念が曖昧過ぎて、『今、私がどの時間軸を彷徨っているか?』というのが掴みづらい。カグツチが居なければ観測すらできないのだ。

 カグツチの加護があるかこそ神のセカイで活動出来ている。


 ――その神のセカイへ『柊 シズク』を誘い込んだ!


 このセカイは神のセカイではあるが、カグツチもたぬきさん達も成り立ちを理解していない。厄介なことに『セカイが輪廻』しているからだ……。


 宗教的な話になるけど……私は……『そもそも無神論者』である前提をこの際置いておくことにするが、『輪廻』は仏教側の理であり、私の共であるカグツチの神側には無い理である。


 簡単言ってしまえば、『何でか知らんが輪廻してる神のセカイという変態仕様』のお陰で、私とカグツチには時間軸という概念がブッ飛んでいるが、たぬきさんとカグツチを信仰する者たちは輪廻してる……。


 『このセカイが生まれた経緯を解明して、囚われた住人達と共に時を元に戻す』が、当面の目標となっている。


 今解明してることが……


 ――『私達のセカイ』も『2年程輪廻している』状況。

 20・9年12月10日から20・1年12月9日を永遠にループしている。


 『程』、とはループ初日は12月10日ではなく、時々、4月10日や7月7日など、戻る時がある。


 時々12月10日以前に戻る現象が解明している2点目にも関係するが、


 ――『このセカイをループさせている人間がいる』ということ。


 そう、神とか仏ではなく『人間?』だ!

 神でもなく、仏門の者でもない者が『この迷惑行為』を執行している。

 そして、その不可解ループ現象に巻き込まれている住人が『10万人』という莫大な人数だ。その迷惑行為に対して『安定した生活』を提供するために『たぬきさんとカグツチ』はNIISSAを新たに創ったのだ。


 10万人の人間が閉鎖空間で数百?年以上暮らしている関係で、それはそれは科学も含めて革新的に発展した。


 そして、第3に判明している『数百?年』だが、この長ぁぁい輪廻中で『今、何年経過した?』かを観測する事がやっと出来た関係で正確な経過年数が解らない状況だ。

 しかし、『プログレス・カレンダー』を完成させたお陰で住人達は『今日は何日?』かというのが判明している。

 

 その『プログレス・カレンダー』を完成させる為に『衛星』を打ち上げ花火大会の如く上げまくった。


 それで判明したことが第4につながるが……。


 ――『輪廻と平行世界』の2つで構成されていて因果関係する者が『2人』いる。

 正確には『一人の人間』と『神』であることは証明された。


 プログレス・カレンダーが完成したお陰で、『時間軸』をNIISSAへ入れ込んだ。

 それにより『第3の判明』での数百?年に繋がる。このセカイが出来てから何年経過しているかすら解らないが、少なくともプログレス・カレンダーが完成した日から経過日数は観測する事が出来ている。


 衛星を上げて観測しているのは『星の数と位置情報』が『輪廻と平行世界』とリンクしている事が判明した。よって『正確な経過日数』ではない。正確な経過日数を観測できないのは『発見されていない星の数』が曖昧過ぎるからだ。


 よって、カグツチとたぬきさんは『方向』だけ『一方』とすることでこのセカイの住人達は輪廻しているが、時間経過はちゃんと観測するようになった。


 ――『本日のプログレス・カレンダー予報のお時間です』

 ――『曇のち晴れで、星を観測出来る時間は午前6時から午後11時までとなっており、安定した時間をお過ごし出来るでしょう』

 ――『尚、今宵は満月の関係で星の数が正確に観測できない関係上、輪廻現象が起きたらヤバいかもしれません』

 ――『本日のプログレス・カレンダー予報のでした』



「おおおお!トモカ!今日は『たぬきさん達の満月ポンポコ日和!』じゃない!」

「トモカ!街に買い物行くわよ!」


 『柊 シズク』を捕らえたことよりも『ポンポコ日和』のか大事なカグツチだった!

 まずは彼女たちをこのセカイへ招き入れた事を成功した祝杯を上げることにした。

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