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本の世界の鍛冶士 柊シズクの物語  作者: 川崎タイチ
鍛冶士見習い シズク編
8/120

第08話 地味と言われるけど、きっと私は『本』が大好き!

「……つ……つ・か・れ・たぁ……再付与うちなおしって、体力かなり使いますね!」


 シズクの反応に対して、フィーナは驚きと少し嫉妬してたい。


「……シズクさん、普通なら失敗しているか、倒れている量でしたよ?本当に大丈夫ですか?結局、再付与うちなおし 30回以上受けましたから。明日からはここまで皆さん依頼に来られる方は無いと思いますが……」


「うーん……腕がパンパンになった位です……明日……筋肉痛ですよ!鍛冶屋って……ほぼ金属製で重いですよ!」


 シズクは合成の疲れよりも、『金属製の鍋やフライパン』を再付与うちなおしの度に持ち上げる方が疲れを感じていたようだ……。


再付与うちなおし ですけど、今日はキッチン用品ばっかりだったから良かったですが、『剣』とか『盾』は重い……ですよね?『パワードスーツ!』とか『楽々手袋!』的なのって無いのですか?」


 異世界なので『御都合主義』を大いに期待した!さすがに『女子高生《文系》』には、非常に重かった……!


「パワード?手袋ですか?……簡単に言うと『重い道具をアシストして持ち上げられる法具』的な装備ですか?」


「ええ!そうそう!そんな感じの便利グッズです!」


 シズクよりフィーナの方が『表現力を文章化』するのは得意なようだ!


「ご自身で作られてはいかがですか?私の父もでしたが、『鍛冶職人の加護』と相性が良い『裁縫の加護』を受けるといいですね。裁縫の加護を受けて、『パワード・グローブ』を作るのを当面の目標にされてはいかがですか?……あ、そもそもですけど、裁縫の経験はお有りですか?針仕事はやっぱり細かな作業になりますので」


 ……シズクはついに『御都合主義』で解決するのである!『中学時代』より『コスプレ衣装』を作っている経験が異世界で役立つ時が来たのである!シズク自身の『異世界への想像力』の潜在能力《ラノベ脳》が開花したのである!


「そ、それに関しては『都合よく』裁縫の経験は豊富にありますので……」


「……シズクさん……記憶喪失って『偽って』ますよね?」


 フィーナはシズクの核心に『痛恨の一撃』を与えた!


「な、な、なんの事かわからない、ですね!」


「あ、いえいえ、攻めているわけではありませんよ?、ここって、『異世界から来られる方』多いので、この街の人って殆ど『異世界の人ですから』」


 シズクは異世界生活序盤にして、『世界の成り立ち』で『驚愕する回』……具体的に、『グダグダ』してきたので出版社が『テコ入れ』して中途半端に世界観がひん曲がったような急展開に驚きを隠せなかった。


「え!もしかして、自分の世界に戻る方法ってご存じなのですか!」


「あ、はい、帰還する方法は、『こちらの世界に来られた方法』で戻れるはずですよ?」


「じゃあ!私も……」


 シズクはこの世界に来たきっかけとなった、『本』を……


「……あれ……私、確か……無い!!……」


 帰ることが出来ると『期待して』一気に『落胆』に変わった。


「私はこの世界で『命』を授かりましたので、異世界の事は存じ上げません。しかし、皆さん『きっかけ』となった出来事は、心の中にあるはずです、『心の中』から引き出せば、きっとお探しの本も見つかると思います」


 シズクは、確かに『本』を持っていた……しかし、来たときに持っていた『本』と昨日持っていた『本』のタイトルの違いに『違和感』をずっといだいていた。シズクは『目を閉じ静かに想い唱えた』


「……ジーニー英和辞典!」


 シズクは目を開けると、『学校で使っていた英和辞典』を持っていて、その『英和辞典』には『愛用のブックマーク』が挟まれていた。


「……私も異世界のチート能力持っているのね!なんか地味だよ!」


 ――シズクは、『願う本』を『自在に』出すことが出来る能力を持っていた!


「あら、シズクさん、地味に便利な能力ですね!本が余程お好きだったのですね?この世界に転生される方は、大抵元の世界での生活の中で共にしていた想いと共に転生されますので」


 シズクはこの世界の理を示した本を……


「ファバーダ・ストーリー!!」


 シズクは『ファバーダ・ストーリー 』を手に持っていた!


 そして最終ページを開くと……!


 一瞬だったが、最後のページを開く瞬間に、フィーナがシズクに対して……『また、明日……き……』と言った。シズクは、彼女の言葉を最後まで聞くことは出来なかった……だが、彼女の想いは受け止めていた。


 シズクは本の最後ページを見てはいるが、『何が書かれている』か確認が出来なかった……そして、本能的に本を閉じ、目線を上げると……!


「……戻ってる!」


 シズクは「ファバーダ・アストゥリアーナ」から学校の図書室へ戻ってきた。


「……って!今何日の何時!?」


 急いで図書室の受付カウンターに置いている鞄に向かい、『スマートフォン』を取り出し確認をした。


「……たしか……ファバーダに行ったときは夕方……」


 窓の外を見ると『夕方』、スマートフォンを観ると『1日も』経過していなかった。


「私……夢でも見ていたのかな?……」


 そして、『ファバーダ・ストーリー』が手元から消えている事に気付く。再びシズクは目を閉じ想い願った。


「ファバーダ・アストゥリアーナの歩き方!」


 シズクは『歩き方指南書』を手に持っていた!


「……急いで家に帰ろう!!」


 自分の能力について詳しく調べたいと思い、超特急で自転車を走らせて、家に帰る事にした。

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