第64話 風のレリクス『セレーナ・フィール』③
「……ふむ……あのロケットの墓があれだけダイナミックな演出するのは観たことない……」
「……ミカ殿……貴方か……」
花梨は確信した……!
花梨は深くため息をついた。
「……ホント……アンチノミーと関わるとろくな事がないな」
「二日酔いでゲロっただけで大変なことなるからな」
「ミカ殿、シズクにはもう少し『自覚』するようにと……今後とも頼む」
「この先も『調律』に関わる事例が多くなるんだろ?」
「アローナの鍛冶士として」
「……あの街、アローナが新たな『鍛冶士』としてシズクを選んだろ?」
「まあね……まだ雛ッ子だけどね!」
「所詮、アンタも私も『本の1冊』に過ぎないって事よ」
ミカと花梨は何やら悟った雰囲気の会話をする。
「……私は……『七海』が……七海といる世界へ辿り着けたのだな……」
花梨はパンッっと両手を合わせ『幸村』を抜刀する!
「確かに……この『幸村』を創りあげたシズクだからな……」
「このセカイ≪本≫に意味があるなら……私は『あの災悪』を受け入れらる……」
「今を大切にすれば、きっと……『過去』の私が……私たち『水槽楽部』が……乗り越えてくれるんだな……」
打ち上げ最中のロケットの霊をワクワクしながら観るシズクを観て花梨の表情は少し和らいだ。
「そうね、あなた達の……『水槽楽部の物語』は……ハッピーエンドでトゥルーエンドで進んでいるわ」
「そこには、『七海』と『死神メイド』もいるわ」
「だから、ここに『シズク』が居るのよ」
「事実、このカーハツヴァイに来られたのって、『七海と心桜、死神メイド』の助けがあったからだらね」
「花梨たちのセカイの理だと……まあ、ワカンナイ事だろうけど」
「私とシズクは『アンチノミー側』だからね!」
「まあ、今のアンタもだいぶ『私達のセカイ』に半分突っ込んでるけどね」
「この件が終わったら……花梨も『アローナの住人』として探偵事務所でも開いたらどう?」
「シズクは元より、『ナキサワメ』が助かると思うわ。同じ『水に愛された者同士』だし」
「いきなりファバーダに召喚されたナキはナキなりに頑張ってるけどね、12歳の子供なりに……あんたに支えて貰えたら心強いわ」
「まだ若くて……自分の社に帰れないくらい若いからね」
「でもあれよ?ナキはアローナのクラシカルなポットントイレを『水洗トイレ』にしたのよ!」
「……革命だわ……やっぱり水廻りは重要よ!」
少し込み入った話が一段落した頃合いでミカはパチンっと指を鳴らした!
鳴らした指のタイミングと同期するかのように『ロケットの御霊』が宇宙への挑戦の為、打ち上がった!
さあ行こう!遙かなる宇宙への旅路へ!!
っと思ったら……。
『――堕ちた!』
大爆発し、ロケットの墓の周りが炎上する演出を繰り出す!!
自虐ネタにも酷いレベルだ!
「ええええ!堕ちた!!何で!」
シズクは大声で驚き騒いだ!
「いやいや……そりゃ……堕ちるわよ……『ロケットの墓』だからね……」
ミカはジト目でシズクに当たり前の回答をした。
「で……ミカさん、私はそのファンタなシーな強化スキル掛けてくれないのね?」
シズクはロケットの打ち上げ花火に興味を持っていかれたが、覚えてた。
「シズク……あんた十分チートだから、今日はナシ!」
「てかさ、鍛冶士の能力で適時に再付与して武器の属性変換とか……はっきり言って常時『属性チート』!」
「そのシルフィードソードだって大概チート級なのに……」
「あと!デザートイーグル≪改≫をレリクスで使ったダメだからね!」
シズクはジト目をし……
「……何で?」
不満感を全力で出した!
ミカは不満たらたらなシズクを戒める。
「あのね……そのデザートイーグル≪改≫は、ノーリスクで『ハイパーな重力砲』とか『波動……』とか、『グラビティーブラスター』撃てるみたいな代物だからよ!」
「戦艦とか潜水艦に付いてるハイパー兵器を軽々しく撃たない!」
「ぽんぽんとノーリスク、ノーチャージでMAP兵器撃っちゃダメっ!」
「……あとね……MAP兵器は外で使うものであって、ダンジョンではだめ!『レリクスはダンジョン』だからね!」
ミカはそう言うとシズクにデザートイーグル≪改≫を渡すように手を差し出す。
「ほれほれ……さっさと渡す!」
渋々だが、シズクはミカの言うことを聞き入れた。
――デザートイーグル≪改≫を腰からホルスターごと外し渡した!
「って、スフィアバレット!!弾も渡す!……てか、スフィバレットだけでも撃てるでしょ!」
「むしろ、そっちが本命!」
「ちっ……バレてたか……」
銃の構造を理解していればすぐ判りそうな事だった。
シズクはいざとなれば、バレットをシルフィードソードを使えば発動出来る事を創造していたからだ。
「さすが……腐っても神ね……」
シズクはミカに嫌々だがスフィアバレットを渡した!
「……ふむ、ミカ殿とシズク。準備は良いか?」
花梨はミカとシズクに尋ねた。
尋ねるタイミングでカバンからヤクルンを取り出し、シズク達に手渡す。
「……まだ飲んじゃダメだぞ……」
手渡されたヤクルンをシズクは受け取ったが……。
「どうしてヤクルンなの?」
花梨は百聞は一見にしかずと言い足そうに……。
見覚えのある形をした墓を指さす。
一同が納得いく解が目の前に立っていた。
「あーなるほどね……」
「中ボスがヤクルンレディーの亡霊とかじゃ無いよね?」
「心配するな。途中出てくるゴーレム級モンスターの番人は、私一人では到底勝てない位強力な相手だ」
花梨がヤクルンをお墓に供えるように指示する……。
シズク達はヤクルンをお墓に供えると……!
花梨は手を合わせ……このレリクスへの挑戦の成功を祈った!
「……よし……皆でヤクルンを頂くとしよう」
ヤクルンを飲む一同……。
――そして……。
「……我らセレーナ・フィールに挑戦する者なり!」
花梨はゲートを開く!
「レリクスに導きたもう……」
シズク達の足元に転移魔法陣らしき紋章が光り出す!
シズク達の背後に……何やら気配を感じる!
「私も便乗しちゃうかなかな!付いていくよん!」
なんと!死神である日花梨が転移ゲートに便乗してた!
「ひ、日花梨!!!お前は呼んで……」
――5人はレリクスへ転送された!!





