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本の世界の鍛冶士 柊シズクの物語  作者: 川崎タイチ
風の移動要塞・カーハツヴァイ エルチェの物語編
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第58話 ニート神・シズクと共闘する

 シズクはまさに今……!

 死神にぶっ殺されそうになっていたが……?


「てかさ!何その格好!ヨーロッパっていうか西洋の死神がなんでここにいるのさ?」

 天野ミカは漆黒のローブを纏った日花梨ヒカリを観て場違いだと言い放った!


「なんでかなかな!?ニート神が表出て何やってるのかなかな!?」

「あ!……たしか……賽銭泥棒かなかな!?」

 日花梨ヒカリは天野 ミカの急所を的確に突いた!!


「くっ!?死神!?……的確に急所を突いてくるわね……!」

「巫女のバイト風情がいい気になるなよ!」

 ――ミカはよろけた!


「……って!御方おんかたは何方なのだ!?あと、武器を収めよ!二人とも!」

 花梨カリンはミカとは初対面らしい。

「……あと、日花梨ヒカリ!シズクは『心桜こころ殿が正式に迎え入れた』客人だ!」

「邪道であったとしてもだ!カーハツヴァイの主が決定したことだ」

「借りぐらしの日花梨ヒカリは退くのだ!」


「うーん、なーんか納得いかないかなかな?」

 日花梨ヒカリは渋々デスサイズを片付けた。


「……で……ミカ……さんでしたか?先程……アマテラス……」

「どう観てもそうは見えんのだが……」

「……貴様!?もしや神を名を語る不届き者か!」

 花梨カリンは静かに抜刀……!


「あの!!花梨カリンさん!」

「ニートみたいな格好をして賽銭を拝借する不届き者ですが「確かに彼女は『太陽神』です」


 世界で一番太陽に近い存在であろう神が、現在は太陽を浴びると灰になるニート神だ!


「し、シズクちゃん酷い!」

「私は広大に広がりしネットの海を……!!!」

 ミカの右腕から漆黒の闇が解き放たれそうだ!


「てか!ミカさん!どうしてここにいるの!」

 ――シズクもミカにツッコミを入れる!


「いやいや!シズクちゃんのピンチかなーっと想って来たわけよ?」

「というか、龍神側からのゲート通っちゃったんだ……」

「普通、『人間』は通れないんだけどな……?」

「あと!死神が巫女のバイト!?何考えてるの!」

 死神が日本の宗教施設で巫女のバイトをしている事実が判明した!

「……驚いているところ悪いが、食パン屋でも『メイド』の格好をしてバイトしているぞ!」

 花梨カリンは付け加えた……!

 『めいど』の意味合いが全く違っているが?

 日花梨ヒカリは『生徒会長』をやりながら、『巫女とメイド』までこなしていた!


「信仰心が薄れゆく現在の末路を観たわ……」

 ミカは将来への不安を青ざめながらヒシヒシと感じた……!

「やはりユーチューバーとして一世一代の勝負を賭けるときか!!」

 ニート脳は安易に金を稼ぐ方法を模索していた。

 シズクはジト目をキメてミカに口撃こうげきをする!

「ミカさん、そのうちパンなティーを売る未来が見えたわ……」

 シズクはミカが近い将来ネットでパンなティーを売る未来を言い当てた!

「あ……3日間お風呂入ってない人の下着なんて誰もいりませんよね?」


「まだ2日目よ!」

「我は太陽の紫外線で消毒・殺菌が可能なのだよ!」

 ――ミカは太陽のパワーをとんでもなくしょうもない事に役立てた!

「う!?やめろ!日差しで灰になる!?」

 まるで反応が太陽を浴びた吸血鬼のようだ!……もとい……ニート神だ!


「てかさ、助けに来てあげたのに冷たいな……シズクちゃんは……」

 助けは求めていなかったが、結果的にミカに助けられたのか?


「シズクはこのミカ殿の事を存じ上げているのか?」

 心桜こころはミカの事を『殿』付けで呼んだ。


「ええ……ちょっと個人的に借りがありまして……」

 シズクとミカは友人であるが、シズク自身は『神』としてではなく、1人の友として接している。本宮大社前のカフェにたまたま行ったときに店主であるミカと出会った。

 ニート神の世話までこなしていた!


「ふっふっふっ!そこにいる巫女もどきの死神より、シズクのが良き奉公者よ!」

「あと!シズク!13万は徳政令カード!だからね!!」


 ちっ!覚えていたか!っとシズクはジト目で舌打ちをした!


「とにかくだ!日花梨ヒカリ!!、心桜こころ殿が許可した客人だ」

「彼女を殺すのはやめろ!」


 日花梨ヒカリは渋々だが鎌を片付けた……!

「でもでも、納得いかないかなかな。だってさ、ただの人間が神様の力使うだけならまだしも、神のセカイ側から来たんだよ?」

「ちゃーんと大門側から入らないとダメかなかな!」

 日花梨ヒカリの独特な言い回しも気になるが、『大門側』からだと問題ないのか?

「っといっても、高野口にある私の家の前を通さないよん!」


 ――結果は一緒だった。


 飛び込んできた日花梨ヒカリだったが、引き際はわきまえているらしく、あっさりと帰って行った。


「……ふむ、とりあえずは異国の死神は去った」

 早々にミカに対して花梨カリンは本題を尋ねる。

「それでだ、ミカ様とやらは……何用でここへ……本当にシズクを助けに来ただけなのか?」

「余程な理由もなく『やしろ』とされている場所から出向いたりはないのかと?」

「さらに言えば、ここは『心桜こころ』殿が統治する場所」

「他の神が『お暇つぶし』されておられる場所への領域侵犯は御法度だと聞いたのだが……」


 どうやら『心桜こころ』は高野山で『休暇中』との事。

 このセカイでは神も人と同じ釜のメシを食べる事があるようだ。

 シズクはそう考えると『ミカのニート生活』も同じようなことなのだろうか?

 沢村ナキの祖母である『ナキサワメ』も『アルハンブラの浄水釜』でスローライフを送っていた。


 ミカは花梨カリンの問いにやや面倒くさい感を出しながら答える。

「言ったはずよ?私は、シズクの親友。友のピンチを助けに来るのに意味や理由なんて必要ないわ」

「あと、御法度とか、禁忌とかは破る為に存在するのよ!!」


 結果、社会からはみ出す……隔離された存在へと退化したミカだった。


「それと……『ドールの魂』も紡いであげないとね」

「シズクにとってそれは重要なことだがからね」

「さて、心桜こころさんとやら、想いの欠片を見せてもらうかね?」


 シズクたちは砕け散ったであろう『想いの欠片』を紡ぐ事になりそうだ!

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