↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
本の世界の鍛冶士 柊シズクの物語  作者: 川崎タイチ
風の移動要塞・カーハツヴァイ エルチェの物語編
PR
53/120

第52話 龍神に挑む者③

 シズクはごまさんスカイタワーの駐車場に立っている。

 CBR1000RRの調子も良好だった。

 自販機で『ホットレモン』を飲んで一息ついていた。


 いつもであれば……。


「今日は……人がいない……」

 ごまさんスカイタワーを背に高野山の方角を観る……。


「色が……滲んで見える……」

 まるで電波障害のTVを観ているようだ……!

 ブロックノイズがディスプレイを襲っているかのようにセカイがズレて見える。


 ――シズクは目線を落とし、自分の手の平を観た。

「大丈夫……私は褪せていない!」

 シズクを導いてくれたCBR1000RRを観るとバイクは色鮮やかに見えるが……。

「バイクの周りもズレてる……」

「……こんなに寂しい……こんなに冷たいスカイラインは初めて……」


 ――シズクは震える……!


 エルチェがそばにいてくれたセカイ……。

 鬱陶しい事もあったミッキーやバニラ。


 そして……。

 アローナの住人のぬくもりを想い出す……!

 アローナの鍛冶士として街の人々の想いが『鍛冶士としての力を与えて貰っていた』事を離れた事で感じる。


 ――街灯を紡いだ時とは比べ物にならない位の『虚無感・孤独・冷たさ』……。


 たった1ページの嫉妬が果てしない代償を支払う事になった……。


 シズクはシルフィード・ソードを抜刀する――!

「シルフィード……ダンス!!」


 ――シズクは『スキル:シルフィード・ダンス』を発動した!

 切り刻む敵もなく、空気を閃光のごとく斬った!

 ――シズクは抜刀したシルフィード・ソードを鞘に収めた。


「私の使えるスキルはシルフィード・ダンスだけ……」

「あとは……」


 ――シズクはデザートイーグル<仮>を取り出した!

「弾丸は、火の弾丸6発……水の弾丸3発……」

「再装填のリロード考えても1回のバトルで1発……頑張って2発」

「最悪……『双翼のガーディアン』を私1人で倒さなきゃいけないもんね!」


「覚悟……決めろシズク!」

 シズクはパチンと両手でホッペタを叩いた……!


 ――スマホのバイブレーションが揺れる……!

 シズクはスマホを取り出すSNSのメッセージを確認する。


『……2……分……高野龍神ス……イン……』

『二……反のゲー……双翼……アン……私……去』

花梨カリン……助け……ず』

 途切れ途切れだが『心桜こころ』からのアドバイスらしいメッセージが届いた。


シズクは『本』能全開で瞬時に解読する……!


「20分で高野龍神スカイラインを走破すれば……」

「二律背反のゲートを突破できる」

「ゲート先では『双翼のガーディアン』が待っている」


「私は助けられないけど……?」

花梨カリンさんを助けてあげて?」


 ――端的に言えば、花梨カリンを助けろと?

心桜こころとは花梨カリンと接触したあとに会えるようだ――?


 シズクはウェストポーチにスマホを戻し……一呼吸する。


「42.7キロメートルを20分で走破……」

「仮に……出来たとしても、その先で『双翼のガーディアン』か……」


 シズクは天を仰ぐ――!

「高野龍神スカイラインを平均時速128Km以上……」


 ――シズクはスッと瞳を閉じ――。

「……やってやる……!」

 シズクはシルフィードパーカーのファスナーを上げた――!


 ――シズクは愛用のGP-AIR≪ヘルメット≫を大空に放り投げた!

 シズクはシルフィード・ソードを抜刀する――!

「シルフィードダンス!!!」

 ――粉々にヘルメットを切り刻む!!!

 シズクは『土の鍛冶士の証ブローチ』を取り出した……!

「GP-AIR!!イージスの欠片となれ!!我の盾となり風より護れ!!」


 シズクの足元に『イージスの欠片』が散らばった――!


 シズクは立て続けに……。

 シルフィード・ソードに願いを込める……!


 ――シルフィード・ソードがスッと浮き上がった!


 ――シズクは『火|鍛冶士の証』『水の|鍛冶士の証』を両手に持ち……!

「火の精神よ……水の精神よ……共に我の想い紡ぎ届けるために融合し……」


 ――シズクは『エルチェ』がいない『今』の想いを形にする――!


「アイスブレード!!」


 シズクは火の属性と水の属性を紡ぎ『氷属性の剣』を『創造』した――!


  シズクは『風の鍛冶士の証ブローチ』を胸元に付け……!

「イージスの欠片よ!……風の加護を受け入れよ!そして我と共に飛べ!」


 足元に散らばっていたイージスの欠片が宙に浮く……!

 シズクを護る盾となった――!


 ――シズクは宙に舞うアイスブレード掴み取り振り下ろす!

 切った空気が一瞬で凍り付く――!

 アイスブレードを腰の鞘に戻し、バイクに跨がった。


「よし!行こう!CBR!!」

 シズクはCBRのセルボタンを押した!

 ――シズクはサイドスタンドを振り払った!

 左足で1速に入れ……!


 ――そして……。

 モードチェンジする――。

 ――スポーツモードから……アンリミテッド・モードへ!

 

 シズクはカーハツヴァイ<高野山>目指して閃光の如く走り出す!!


 シズクの想いに鉄馬は咆吼を上げ答える!!

 ――1万6000回転まで吹け上がる!!

 一瞬で時速180Km/時を叩き出す!

 ――シズクは加速する!!

 シフトを2速に入れ更に加速する!!

 たった2,3秒でシズクは230km/時まで加速した!!

 ――シズクは加速する!!

 シフトを3速に入れ閃光の如く!!

 シズクは280Km/時に到達する!!


 ――ほんのあと数秒で強烈な連続カーブがシズクを襲う!

「我を押さえよ!イージスの欠片!!」

 シズクの周りを浮遊して強烈な風から守っているイジースの欠片の一部が向きを変えた!

 シズクと鉄馬に圧倒的力の『ダウンフォース』を与える!

 シズクはコーナーを走馬灯のように走る!


 ――コーナを滑らかに攻める!!


 高野龍神スカイラインの木々の間を奇跡的な速度で駆け抜ける!!

 シズクは走りに集中する!

 

 ――々――色が途切れ飛ぶ!!


 色が途切れ……戻る……また途切れる……!

 色が途切れた一瞬……大空を……!


 目の前を……飛ぶ……!


 ――『グオォォォン!!』

 飛来する鳥……いや龍だ!!


 シズクに思考させる間も与えず龍の瞳が光る!!

 ――双翼のガーディアンはシズクを目標に光線を放った!


 シズクは間一髪の所でイエローラインを跨ぎ反対車線へ避ける!

 シズクは重心のカウンターを当て一気に鉄馬を倒し込む!

 左膝とステップバーを擦りながら火花を散らしコーナリングをキメる!!


 直線に出た所でシズクは空を見上げる!!


「ゲートの先でなく……ここで!!」


 シズクのアドレナリンが吹き上がる!!

 シズクは時速300Kmで高野龍神スカイラインを駆け抜けながら――。


 シズクはスカイラインのルートを頭にロードする!!

 デザートイーグルを撃てるタイミングがある場所――!


「あそこしかない……!」

「撃てるタイミングは1回のみ!!」


 そう……高野龍神スカイラインの真ん中にある『鶴姫公園』前の開けた場所だ!


 ――まさに『風のレリクス』がある場所だ!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。