第13話 アルハンブラの浄水釜
『聖戦士アルバラード』と『賢者フィーナ』、そして『現役女子高生のシズク』……と『親衛隊20名』で『アルハンブラの浄水釜』を目指すことになった。シズク一行は『迷宮 アルハンブラの浄水釜』を攻略中だ!
――シズク達の目の前には数十体の『ガイコツ兵』が今にも襲いかかろうとしていた!
――『ワレラ……アルハンブ……イエ……オモイダセナイ……』
「あのう!!!フィーナさんガイコツ兵何か喋ってますよ!!!」
――フィーナは詠唱を始めた……!
「……『熱き火のスフィア』よ……我の力を引き出し彼の者たちに安らぎある未来を与えたまえ……」
フィーナの周りに『灼熱の炎』が集まりだした!火炎魔法を詠唱した!!
「フレィィィム!ブレス!!」
熱きの炎が、ガイコツ兵数十体の全身を灼熱の炎で焼き付くした!まるで火炎放射器のようだ!
……賢者というより、無慈悲な殺し屋状態だ。
レリクス攻略を始めてから『敵が視野に入った時点』でフィーナは詠唱を開始し、焼き払っている。『敵ではなく』ほぼ『害虫駆除作業』だ。
「……あのう……浄水釜の加護の再付与に行くだけですよね?……」
……シズクが疑問に思うのも無理もなかった。
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――さかのぼること……丁度お昼の鐘が鳴る頃……。
――アルハンブラの『近衛兵団待機準備室』にて……。
「シズクさん!この黄金色のプレートメイルとかオススメですよ!時価30万ゴールドはしますよ!」
「ええ!重い……こんなプレートメイル無理です!何処の金の持ちの趣味ですか!」
シズクとフィーナは、これから行く『アルハンブラの浄水釜』への支度をしていた。
「フィーナさんこんなに防具や武器を装備して行く必要があるのですか!?」
「そうですよ!そうですよ!浄水釜には『モンスター』が出ますので、特にバーサーカとか危ないですよ!……」
シズクは『釜』という単語を大きく勘違いしていた。釜と言えば、大きくても家よりは小さいであろうと思っていたからだ。仮に『家ほど大きかったらどうしよう……』とは思っていたが……。
「シズクさん……それに、浄水釜には以前『加護の再付与』の際に行った『親衛隊の亡骸』が『ガイコツ兵』として襲ってきますよ!やはり、ここはガイコツ兵に対して『特効がある鈍器』で行きましょう!」
『アルハンブラの浄水釜』とは、移動要塞アルハンブラにある『迷宮』の事だ!
「あ、あのう!私、まだ2日目の新人ですよ!いきなり『四天王の下部』とか出来てきそうなダンジョンですか!とりあえずスライムとかゴブリン位からお願いしたいのですが……!」
「大丈夫!大丈夫!私と『アル』さんもついて行きますので、あと、親衛隊の皆さんも数十名程お供していただけます」
シズクは一抹の不安が拭えなかった……。たしかフィーナは『親衛隊の亡骸のガイコツ兵』と言っていたからだ。
「あと、このアルハンブラにダンジョンまであるのですね……どうしてその……ダンジョンの奥に『浄水釜』置いちゃったのですか……」
「シズクさん、『浄水釜』は、浄水路の総称なんですよ」
シズクは『浄水釜』の情報を詳しくはまだ聞いていなかった。手で持てない大きさであっても、『ダンジョン奥に設置する必要があるのか?』と思っていた。
「シズクさん、正確に言うと『アルハンブラの浄水釜』の奥に『スフィア』があります。『巨大スフィア』にはどうしてもモンスター等が寄りついちゃいますので。実際行ったみた方が判りやすいですよ!」
「あ、危なくないです……よね?」
「装備は万全にしていきましょう!」
フィーナは『安全第一』を濁した!防具選びにステータスを全振りすることにした!
「私の今着ている服は元の世界に戻る時に『必ず着て戻りたい』ので……絶対に置いといてくださいね……」
「珍しい服ですよね?動きにくそうですが……シズクさんの……制服にも『加護を付与』してみてはいかがですか?」
シズクは『異世界から持ち込んだ物』にも付与出来るのかと思った。この世界で合成した物にだけ付与が可能だと勝手に思い込んでいた。
「でも、私、鍛冶士ですよ?制服は『服』ですけど?」
「あ、シズクさんが『付与』してもいいですけど、『裁縫士』にお願いするのですよ。アローナの裁縫士さんでも出来ますが、アルハンブラの裁縫士さんにお願いしてみてはどうですか?」
――元の世界に戻っても効果は有効なのだろうか?
「あの、加護を付与したら具体的に『何かメリット』があるのですか?」
「そうですね、一番大きいところで『属性の特効による防御力アップ』『属性無効化』『風属性なら俊敏さ大幅アップ』とか付きますよ?今回は『水属性のレリクス』なので『水属性か土属性』の付与した防具は必須ですね。『無属性』で行くのも手ではありますが、それでは『メリット・デメリット』の両方が無いですね。人によってはですが、『あえて風属性の羽衣』を着用して『俊敏さバク上げ』で戦う方法もあります。防御を捨てる手ですね」
「例えば……なんですけど、『水属性20:土属性80』のような属性付与とかできないのですか?」
「……凄い発想しますね……シズクさんも鍛冶士ですので、試しにシズクさんが『付与』してみてはどうですか?」
フィーナの口振りから『出来ない』のだろうとシズクは思った……が、シズク自身は『出来るかな?』と感じていた。
「どちらにしても、今回はこのパーカーをお借りしてで行こうかなと思います……」
「パーカー?……そのローブの上だけでいいのですか?……」
「ええ、下は制服のスカートで、上はブラウスでいいかなと?慣れている服の方が安心出来そうなので」
シズクは『無理に武装するより、日頃着慣れた服の方が動きやすいか』かなと考えていた。
「では、今回は制服に『風の加護』を付与して俊敏性のサポートをあげて、『ローブ』は水属性で行きましょう!」
属性に関しては普段から読んでいる『属性の法則』に近いものだとシズクは考えていた。
「あと、レリクスに入れる際は、『鍛冶士のブローチ<水>』を必ず着用してくださいね」
「何か特典……のような事ってあるのです?」
「ええ!レリクスは『鍛冶士に対して敵対心』は持たないですので、より安全ですよ」
フィーナの指導の下、シズクは『万全の体制?』でレリクスに挑むことになった……?
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――そして、レリクス『浄水釜1階層』
「ふぅ……一通りですが、『ガイコツ兵』は退治できましたね!」
シズクはアルバラードに護衛されながら、フィーナがガイコツ兵を蹂躙するところを見学しているような形だった。同時に、『異世界に来た実感120%』満喫できた。
「フィ、フィーナさん……後衛ですよね?」
「この程度の雑魚でしたら、私一人で十分ですね。問題は……」
「そうだな……」
フィーナとアルバラードは『若干顔を曇らせた』ようだ。
「……スフィアの守護精霊だな 」
――このレリクスの護り手『スフィアの守護精霊』と対峙する事になるそうだ!





